オーボエ調整法:その6

ドライバーと一枚の紙でオーボエが調整できる


調節ネジの調整 各調節ネジに1〜17まで番号を付けてみました(図3参照)。さらに、17個の調節ネジをA、B、C、Dと「その他」の5つのセクションに分けましたので、そのセクション別に調整方法を説明してみましょう。
(本橋注:図3は別のページに掲載してあります。)

セクションA
調節ネジ4,5,7
セクションB
調節ネジ9,10,12
セクションC
調節ネジ13,14
セクションD
調節ネジ16,17
その他の調節ネジ
調整法:その2 調整法:その3 調整法:その4 調整法:その5 このページです
本橋注:全部を1ページに記載すると大変重くなるので、上記の様にページを分割する事にしました。

その他の調節ネジ

1番調節ネジ

 この調節ネジは、第一オクターブ・キイと第二オクターブ・キイの接点に位置し、二つのオクターブ・キイの「開き方」を調節します。
 →方向に回すと両方のキイの開き方が小さくなり、←方向に回すと両方のキイの開き方が大きくなります。

2番調節ネジ

 このネジは、第一オクターブ・キイだけの開き方を調節します。→方向に回すと開き方が小さくなり、←方向に回すと開き方が大きくなります。

3番調節ネジ

 このネジは、B(H)キイ(ハーフホール・キイ)の開き方を調節します。→方向に回すとBキイの開き方が小さくなり、←方向に回すと開き方が大きくなります。

6番調節ネジ

 このネジは、F♯キイとCベント・キイ、B♭ベント・キイをつなぐブリッジの上端に位置し、ブリッジと二つのベント・キイの接点の「アソビ」を調節します。この接点には、少々のアソビがあったほうがよく、アソビが少しもない場合、F♯キイを押さえていない状態でもC、B♭ベント・キイが開いているという可能性がでてきます。(C、B♭ベント・キイは、F♯キイを押さえることによって開くという状態が正常です)。6番ネジを、←方向に回すとアソビが大きくなり、→方向に回すとアソビが小さくなります。アソビが大きすぎても機能に支障をきたしますので、できるかぎり小さなアソビをつくるよう調節してください。

8番調節ネジ

 G♯キイは、普段閉じており、G♯(A♭)を奏する時だけ開きます。G♯(A♭)から下管の音域(F♯、F、E、E♭、Dなど)へ音が移る時、G♯フィンガー・キイを操作することなく、F♯キイがG♯キイを閉じさせる働きをします。F♯キイとG♯キイの接点に8番ネジがあり、このネジは、G♯キイがF♯キイを押さえることによって確実に閉じるよう、正確な位置に調整されていなければなりません。
 Dのロング・トーンをしながら、左小指でG♯フィンガー・キイを押してみます。G♯フィンガー・キイを押した時、音色の変化がみられるようであれば、8番ネジがゆるいということになります。この場合、8番ネジを→方向に1/8回転ずつ回し、そのつど、Dのロング・トーンにG♯フィンガー・キイを押してみて、音色の変化がなくなるまで調節を続けます。決して締めすぎないよう、ロング・トーン・テスト(前出)で音色の変化がなくなった時点で、即、作業を中止することです。
 8番ネジを締めすぎた場合、F♯以下の音域が出にくくなります。テスト・ペーパーをF♯キイに差し入れ、F♯キイを押しながら引き抜いてみて、強い圧力を感じないようであれば、8番ネジの締めすぎです。一度、←方向に回して十分ゆるめ、前述の「Dロング・トーン・テスト」をしながら、8番ネジを調整してください。

11番調節ネジ

 このネジは、Dキイの高さを調節します。→方向に回すとDキイが低くなり、←方向に回すと高くなります。
 Dキイを低くすると、Eがシャープすぎたり、Eの音色がブライトになることを防ぎます。

15番調節ネジ

 このネジは、左手E♭フィンガー・キイとE♭キイの接続点に位置し、ネジ自体は、E♭キイのバネと接しています。この接点のアソビを調節し、→方向に回すとアソビは小さくなり、←方向に回すとアソビが大きくなります。


 以上が、調節ネジの調整法です。
 調節ネジは、毎日少しずつ動いていますので、週に一回、あるいはもっと頻繁にチェックすることをおすすめします。
 その他に、キイ・メカニズムの手入れとして、月一回のオイル差しも忘れないで行ってください。



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