オーボエ調整法:その4

ドライバーと一枚の紙でオーボエが調整できる


調節ネジの調整 各調節ネジに1〜17まで番号を付けてみました(図3参照)。さらに、17個の調節ネジをA、B、C、Dと「その他」の5つのセクションに分けましたので、そのセクション別に調整方法を説明してみましょう。
(本橋注:図3は別のページに掲載してあります。)

セクションA
調節ネジ4,5,7
セクションB
調節ネジ9,10,12
セクションC
調節ネジ13,14
セクションD
調節ネジ16,17
その他の調節ネジ
調整法:その2 調整法:その3 このページです 調整法:その5 調整法:その6
本橋注:全部を1ページに記載すると大変重くなるので、上記の様にページを分割する事にしました。

セクションC(調節ネジ13,14)


14番調節ネジ 

 このネジを調整する前に(セクションBの12ネジと同じように)、13番ネジを約1回転←方向に回して、完全にゆるめて置きます。14番ネジの調整がうまく行われるように、CキイとEキイの連結を切り離すためです。
 14番ネジは、左手E♭フィンガー・キイを押さえたまま低音Cを奏する場合、B♭キイの閉じ方を調整します。
 低音域でE♭(左小指の運指)→Cをスラーで演奏する時、なめらかに音がつながらないようであれば、14番ネジが締まりすぎです。
 もう一つのテストは、低音Cのロング・トーンをしながら左E♭フィンガー・キイを押してみます。その時、伸ばしているCの音色に変化があったり、「フォ、フォ」というような音がすれば、14番ネジがゆるんでいることになります。
 きつすぎる場合は、←方向に、ゆるい場合は、→方向に14番ネジを回して調整しますが、次に挙げるテストと調整の方法に従ってください。

  1. 13番ネジをゆるめる(約1回転)
  2. 低音Cのロング・トーンをしながら、左E♭フィンガー・キイを数回押してみる。「フォ、フォ、」音やロング・トーンC音に音色の変化が発見された場合(3,4,5)
  3. 14番ネジを1/8回転ずつ→方向に回す
  4. 2の方法でテストする
  5. 3,4を「フォ、フォ」音がしなくなるまで繰り返す。「フォ、フォ」音はないが、E♭→Cがスラーでなめらかにつながらない場合
  6. 14番ネジを←方向に1/2〜1回転回す
  7. 前項3,4,5の順で調整する。(注:「フォ、フォ」音がしなくなったら、ただちに作業を中止すること)

13番調節ネジ
 
 第三オクターヴのC♯とDの運指では、Cフィンガー・キイを押さえますが、この運指の時にEキイもCキイとの連結によって閉じない場合、C♯とD(いずれも第三オクターヴ)の音程が正確にとれなくなります。このEキイの調整を13番で行います。
 まず、テスト・ペーパーを使ってCキイをチェックします(Cフィンガー・キイを押さえます)。Cキイの圧力は、かなり強いはずです。
 次に、EキイのチェックをCフィンガー・キイを押さえた状態で行います。Eキイにテスト・ペーパーを差し入れてから、Cフィンガー・キイを押さえてください。この時のEキイの圧力は、Cキイよりも少し弱めのはずです(14番ネジの調整の際に13番ネジはゆるめてある)。Eキイの圧力が、Cキイと同じになるように13番ネジで調整してください。(表6参照) 
表6
C>E C<E
13→ ←13
  1. Cキイをテスト。ペーパーでチェックする(圧力が弱ければ、13番ネジをゆるめる)
  2. Eキイにテスト。ペーパーを差し入れる
  3. Cフィンガー・キイを押さえて、テスト・ペーパーを引き抜く
  4. CキイとEキイの圧力を比べる
  5. 13番ネジで調整する
 Eキイの圧力は、決してCキイよりも強くならないことです。


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