注意:
呼吸法とは、生命を維持するために吸って吐く以外に吹奏楽器に必要な息をコントロールすることです。
呼吸の構造と息の性質は直接見えないため理解しにくい点が多くありますが最も大事な要素ですのでじっくり取り組んでください。
息は弦楽器に例えると弓の働きをします。
弓の重さ =空気の重さと息の量 弓の動く速さ =息のスピード 弓の弦とバイオリンの弦がこすれる摩擦 =息の圧力 弓の全長 =息の量(肺活量) 弓の切り返し(ターン) =息継ぎ |
オーボエとバスーンは息の力によってリードを 振動させ楽器に伝えます。 息の力は空気の重さや一定時間に通過する量 そしてスピードによって決まります。 |
空気の重さ
空気の重さはよほどの高地以外は変わりません。以前に流行したダックボイスのヘリウムガスを吸って楽器を吹くとリードを通過するスピードが異常に早いためピッチが半音以上高くなります。
空気の重さはここでは一定と考えます。
息の量
息の量とは、一定時間にリードを通過する息の量のことです。息の量は音量に関係し、多いと「フォルテ」、少ないと「ピアノ」になります。
息のスピード
息のスピードは、息(空気)がリードを通過する時間のことで通過する時間が短いと息のスピードは早いことになります。
息のスピードは早いほど良い音になります。オーボエやバスーンはリードの入り口が非常に狭いため息の量が入りません。そのためスピードが遅いと高音の音程が低かったり、音色が汚くなります。
息の圧力
息の圧力はリードを通過する空気の量とスピードで決まります。基本的には息のスピードを早くすることによって良い音が作り出されます。空気の量はダイナミクスに必要で、フォルテの場合は沢山、ピアノの場合は少し必要となります。
息の量(肺活量)
オーボエ、バスーンの場合、息の量は少なくても問題ありません。
しかし、なるべく沢山の空気を肺の中に満たしてください。
息継ぎ(ブレス)
息継ぎは特にオーボエの場合、肺の中に残っている空気を一度排出してから新しい空気を取り入れるため、息継ぎに時間がかかります。そのため、フレーズの中でいかに早く息継ぎをするかが重要になります。
空気を肺に入れる前に
空気が肺に入るまでに口の中、喉、気管を通ります。スムーズに空気が流れるためにはすべてを広くしておかなければなりません。そのためには、からだを緊張させないで正しい姿勢を保つことがたいせつです。
(5月号の姿勢編を参照ください)
本橋注:5月号というのは、本ページのエクササイズ−2になります。
空気を肺に入れるまで
空気の取り入れ口は基本は口からです。(鼻からの場合、肺の奥まで入りやすいのですが演奏では難しくなります)
肺の構造は三角垂のような形をしていますので肺の奥に入れるようにします。(腹式呼吸)
腹式呼吸は肩を動かさないようにしておなかを膨らますように吸います。
(前かがみ)か(よつばい)の形で試すとうまくできます。
空気を肺に入れた後
空気を肺に入れた後に息の流れを止めると空気のコントロールがしにくくなりますので吸う動作と吐く動作の切り替えを早く自然に行います。
空気を肺から気管、喉、口の中を経てリードの入り口まで
気管は空気をスムーズに通すだけの働きで、喉は息の流れを調節します。ただし力んだり、姿勢が悪いと喉が締まります。口の中は空気室になります。空気室が広いと音色はソフトになります。
リードの入り口での唇と舌の調節
唇は空気の調節をします(6月号のアンブシュア編を参照ください)。舌は音の立ち上がりや終止をコントロールするためで舌で息の流れを止めたりしてはいけません。
本橋注:6月号のアンブシュア編というのは、本ページのエクササイズ−3になります。
肺に残っている空気の量が少なくなったら
肺の中の空気が少なくなるほど、おなかの支えがさらに必要となります。そのため早目に新しい空気を取り入れる準備が必要です。
酸素の欠乏した空気を排出し新しい空気を肺に入れるまで
特にオーボエの場合、他の楽器に比べ息継ぎの時間が倍かかります。そのため息継ぎを短時間に行う練習が必要です。
楽器を吹きながら練習する場合はリードを下唇に当てながら口を大きく開けてすばやく息継ぎをします。
呼吸(ブレス)の練習方法
(吸う) | (吐く) | |
息の量 | 多く、少なく | 多く、少なく |
息のスピード | 早く、遅く | 早く、遅く |
時間(経過) | 時間をかけて、 かけないで |
時間をかけて、 かけないで |
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