23)エクササイズ−3(JDR NEWS 1991/06月)

注意:


OBOEのアンブシュアについて


アンブシュアとは楽器を鳴らすために必要な動作と状態を漠然と指す言葉で、唇の緊張や形、また楽器メーカーの違いによる差を含め、リードの違いを吸収(コントロール)する方法や設定(条件)を意味します。

アンブシュアの構造と働き


唇:
唇は歯からリードを守りクッションの役目をしますが、一番重要な働きはリードの違いを好みの形態に近づける働きをします。
唇の状態:
唇を歯の内側に巻いた状態にして、軽く噛んでください。噛んだときに唇が歯の外側に逃げるぐらいがよいでしょう。歯の内側に唇が残っている場合は巻き込み過ぎです。口が早く疲れたり、音程が高くなります。

 

横に緊張させる筋肉:リード以外からの息漏れを防ぎ、リードに当たる唇の面積を変えます。     
横の力:
緊張が足りないと息が漏れたり、音色がぼやけたりします。また唇と歯茎の間に空気が入るため音程が低くなります。逆に強すぎると口が早く疲れ、音色が堅くなり、音程が高くなります。



縦に緊張させる筋肉:リードの先端の開きの大きさを調節したり口の形を維持します。
縦の力:
一般にリードを浅くくわえる場合は、弱い力で緊張が保てます。深いと強い力が必要になり、そのため口が早く疲れてしまいます。



口の中の形:直接的な息の流れを防ぎ、深みのある音色を作ります。
口の中の状態:
あごを下げるように縦に大きく空間を作ると深みのある音色になります。唇を横に引っ張り過ぎると空間は少なくなり直接的な音になります。



リードをくわえる深さ
リードの先端が口の中に入っていないほど浅くくわえるとリードは振動しないため音が出ません。逆に深すぎると唇でリードを強く噛まないとリードの先端の開きを調節できないため早く疲れます。一般に浅くくわえたほうが良いとされています。


リードに当たる唇の面積
唇がリードに多く接しているほど音色はソフトになりますが厚いリードや堅いリードはすぐに疲れてしまいます。唇を巻き込む程リードに当たる面積は大きくなります。


リードと唇の角度
唇に対してリードの角度が違うと下唇の方がリードに多く接したり、その逆になったりします。一般に下唇の方が多く当たるとダークな音色で音程が取りやすくなります。
上下の唇が均等の場合はナチュラルで安定した形です。
上唇が多く当たると固めで重厚な音色が作りやすくなります。


アンブシュア作り方
初心者の方は楽にしっかりした音が出せる形を目指してください。
オーボエは息の圧力が高いため疲れない口の形を見つけてください。
  1. 口をとがらせてほほをすぼめるようにして「ウ」の形を作ります。
  2. 「ウ」の形を保ちながらあごを下げて「オ」の形を作ります。
  3. リードの先端を下唇の赤い部分の端のほうに軽く乗せます。
  4. そのまま唇を歯の上に置くように「ム」の形に移行します。


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