読者の皆様、お元気でお過ごしでしょうか?
ドイツは秋真っ盛りです。今のところ穏やかな秋日和が続いております。風が
少ないので紅葉した葉が飛ばされず美しいです。ドイツの大学の授業が再び始
まりましたが、小中高等学校は現在ドイツ中秋休みです。ミュンヘン大学の医
学部新入生の最初の2日間はこれからの大学生活についての説明会、キャンパ
ス内の案内に引き続き、バイエルン名物レバーケーゼの食事会、ディスコを借
り切ってのパーティーなんだそうです。音楽大学では聞いたことがない大学生
活のスタートです。
最近の世界情勢の動きで、ドイツはテロの危険にさらされているようです。発
端はアメリカ軍がパキスタンでドイツで活動していたテロリストを6名殺した、
という発表があり、一気にドイツがテロの標的にされる可能性が高まったとい
う事です。ブレーマーハーフェンのような小さな町は標的にされる確立は低い
のでしょうが、大きい都市では危険が増しています。でも無差別テロでは気を
つけようがありませんね!
13日の報道ではイランでドイツ人ジャーナリスト2人が拘束されたそうです。
2人は観光ビザで取材作業をしていたところを逮捕されたらいいです。
http://www.n-tv.de/politik/Kein-Kontakt-zu-den-Deutschen-article1709146.html
ドイツが国際連合安全保障理事会に2011年から2年間加わる事が決まりま
した。世界の安全を協議し決定する国際連合安全保障理事会は拒否権のある5
カ国の常任理事国と2年ごとに選出される10カ国から構成されています。ド
イツは戦後、国際平和に寄与し、国際的な発言力を高めてきました。国際連合
安全保障理事会に加わる事により更にドイツからの発言力を強める事ができる
と期待されています。ドイツの政治家の狙いはEUを常任理事国に加える事ら
しいです。
http://www.zeit.de/2010/42/UN-Sicherheitsrat
http://www.spiegel.de/politik/deutschland/0,1518,722730,00.html
スポーツ関係では日本の鈴鹿サーキットでF1ドイツ人レーサー、フェッテル
が1位。サッカーのEM(ヨーロッパカップ)の予選でドイツのナショナルチ
ームがはトルコとカザスタンを破りリーグ首位。
フェリーの「リスコ・グロリア」がキールからリトアニアに向かう途中に火災
が発生。乗客は全員無事救助されました。原因は輸送中のトラックが原因?
http://www.n-tv.de/mediathek/videos/panorama/Spezialisten-loeschen-Restbraende-article1688991.html
北海ではオランダの沖でタンカーが他の船にぶつけて油が流出。
豪華客船クウィーン・エリザベス号が処女航海に出航しました。約300メー
トル、2000人の乗客を乗せポルトガルのマデラ島を経由してスペインのカ
ナリア諸島へ。ドイツには2011年の初めにハンブルクへ立ち寄る予定だそ
うです。
http://www.n-tv.de/mediathek/videos/panorama/Queen-gibt-Schiff-ihren-Namen-article1691676.html
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■ ヴィンシャーマン、ドイツバッハゾリステン 50周年記念コンサート
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ヴィンシャーマンの指揮するドイツバッハゾリステンのコンサートがパダボー
ン(16日の18時)とボン(19日)で行われます。オーボエはゴリツキ、
オーボエ・ダ・モーレはヨンーヒー・クヴァク。ファゴットはヘルマン・ユン
ク。ビオラはクスマウル。プログラムはバッハ作曲でヴィンシャーマン教授が
室内オーケストラ用に編曲した「ゴールドベルク変奏曲」。私は19日には仕
事があるので16日、パダボーンに聞きに参ります。バッハ・ゾリステンを聞
くのは本当に久しぶりで楽しみです。
http://www.wochenspiegel-paderborn.de/Leckerbissen-fuer-Bachfreunde-95587.html
http://www.popula.de/veranstaltung/489337_50-jahre-deutsche-bachsolisten-beethoven-haus-bonn-beethoven-haus-kammermusiksaal-bonn
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■ シュトゥットガルトの中央駅 工事一時ストップ
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先回のメールマガジンでシュトゥットガルトの中央駅が新しく地下の駅に建て
替えられる、そして住民の反対運動が行われている、という事を書きました。
その後、シュトゥットガルト市は警察を導入しデモの民衆を撤去させました。
それが反対派を刺激し、更に反対運動が強まってきていました。
普通議会で決定を見た工事はそのまま続けられるのが普通です。今回の場合、
反対派は議会で決定する前に反対運動を起こすべきだったのです。
結局、元CDUの書記長ハイナー・ガイスラーの仲介で工事を中止し、市と反
対派が協議の場を持つこととなりました。
http://www.heiner-geissler.de/
http://www.n-tv.de/politik/Mehr-als-nur-ein-Bahnhof-article1693976.html
日本でも以前成田空港を作る時に住民反対を押し切って国際空港を作りました。
閣議決定事項をその度にデモでひっくり返されていては、民主主義は成り立っ
ていきません。ですから今回のシュトゥットガルトの中央駅問題も決定がひっ
くり返る事は無いと思います。ただ、現在のバーデン・ヴュルテンブルク州与
党のCDUに対して来年春の選挙のための野党SPDと緑の党からの揺さぶり、
のようです。
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■ 10年10月10日
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今年10月10日はドイツで一番「ヤー」と言ってキスするカップルが多い日
?だったかもしれません。この日は最高の秋日和の日曜日でした。普通日曜日
は役所はお休みです。でもこの日だけは例外だったようです。ドイツでの結婚
式はシュタンデスアムト(役所で出生、婚姻届を出す役所。たぶん死亡届も出
すのかもしれませんが、こちらの方は経験がないので・・・・)で行います。
それからキリスト教のカップルは教会で再度結婚式をあげます。その後、ホテ
ルとかレストランでパーティーを開きます。
ラジオのニュースで8年8月8日に結婚したカップルの離婚率が低いので、1
0年10月10日に結婚するカップルも末永く結婚生活が続くでしょう、って
言っていました。でも2008年に結婚してたった2年で離婚率の話をするの
はどうなんでしょうね?
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■ 10年10月13日
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全世界がオンタイムで注目したチリの銅山に閉じ込められた作業員の救助作業
が進められました。ドイツのテレビでもほとんど実況が続けられ、14日のド
イツの新聞のトップを飾るビッグニュースとなりました。各紙とも写真入りで
見出しと1ページくらいの紙面を割いて報道しているようです。ピニェラ大統
領が36時間に渡る救出作業中ずっと現地に待機し、1人1人救出される毎に
挨拶をしていたのが印象的でした。
10+10+13=33
33人の作業員たちは地下600メートルの鉱洞にほぼ70日間閉じ込められ、
奇跡的に全員無事救出されました。チリではサッカーの世界選手権で優勝した
ような騒ぎなんだそうです。
良かったですね!!!!
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■ 通貨戦争
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現在、世界中で戦争が行われています。報道では「戦争」と表現していますが、
私が何度もこのメールマガジンで書いている、各国の通貨の値引き競争の事を
「通貨戦争」あるいは「為替戦争」と書いています。日銀の為替介入にも関わ
らず対ドルでは苦戦している日本ですが、対ユーロでは少し円安に動いている
ようです。というよりユーロが対ドル、対円にカムバックしている、という事
だと思います。ユーロ安はギリシャやアイルランドの崩壊と、過大に演出され
たユーロ安政策だと私は思っています。ユーロ価値が低いと外国の通貨でユー
ロの製品は安くなりヨーロッパの輸出会社は製品を売りやすくなります。そし
て高い外貨を獲得できますから収益が上がります。一応ユーロ安政策は景気に
対しては有効だったようですが、ユーロで稼いでいる我々が日本に行く時には
非常に困ります。っという訳でユーロのカムバックに今後期待したいところで
す。
http://www.47news.jp/news/2010/10/post_20101014182803.html
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPnTK875494620101014
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■ CDご紹介 ヨンーヒー・クヴァクのマルティニュー、オーボエ協奏曲
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元ミュンヘン放送交響楽団の韓国人ソロ・オーボエ奏者ヨンーヒー・クヴァク
の新しいCD。
http://www.amazon.de/Werke-Oboe-Orchester-Yeon-Hee-Kwak/dp/B0036EFRMI/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=music&qid=1285842247&sr=8-1
マルティニューのオーボエ協奏曲、ドラティのディベルティメント、ホリガー
のソナタ。上のドイツのアマゾンのサイトで聞きかじりができます。
彼女のホームページは
http://www.yeonheekwak.com/
ヨンーヒー・クヴァクは元シュトゥットガルト音楽大学のオーボエ科教授イン
ゴ・ゴリツキの若い若い!韓国人の奥様です。
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■ ヴェルディの歌劇「アイーダ」140周年
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エジプトのカイロで初演されたオペラ「アイーダ」の140周年記念公演がカ
イロのピラミッド前で行われたそうです。出演者の数が3000人なんだそう
ですが、聴衆はどれくらいだったのでしょうね?
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=20322
サイトの下方、原文のアラビア語をクリックすると写真が1枚あります。舞台
衣装に興味のある方はご覧ください。
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■ オーボエ演奏のコツ (まず音楽を考える)
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9月に行われましたヴィンシャーマン教授の講習会に行かれた方数人からメール
頂きました。お便り頂き、講習会のお知らせをして良かったな〜、と思っており
ます。
そのお一人の方のご感想をご本人のご了解を得て掲載させていただきます。私が
書く文章より素晴らしい表現で書かれたお便りを拝見し、あらためて「演奏する」
という音楽の本質を考えさせられました。
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先日、ヴィンシャーマンの公開レッスンを聴講してきました。とても面白かった
です!
教え方はやはり独特で、曲の細かいことよりも、音楽に対する姿勢や、芸術にか
かわっているとはどういうことかなどのお話が中心でした。しかし本当に心に残
ることばかりで、特に『よくオーボエ奏者が気にかけることは一番がリードで、
次が楽器、最後が楽譜と音楽だが、順番を逆にして、まず一番が音楽にすべきだ。
リードや楽器はその次、だから恐れないで音楽を大事にしなさい』ということ、
そのために『歌が一番大事で、自分が歌うとしたらどう歌うか考えて吹く』こと
をおっしゃっていて、まさにリードや楽器にばかりとらわれていた最近の自分を、
見直すきっかけとなりました。また、音大を卒業した受講生に対しては『大学で
四年間テクニックや楽譜のことを学んで、卒業したらそれを生かし、芸術作品を
仕上げて行くという感覚をもつこと』というようなことをお話されていて、それ
は今の自分の立場にもあてはまることなので、奮い立たされるようなお言葉でし
た。90歳になるというのに本当にお元気で、手が信じられないほど大きく、間
近でお目にかかるだけでも、とてもパワーが伝わってくるようでした。
数多くのすばらしいオーボエ奏者がヴィンシャーマンに育てられたのも納得でき
ました。ヨーロッパでは、なにより歌うことと、音楽そのものに重点をおいてい
るのだろうな、と思いました。
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最後までお付き合い頂きありがとうございました。
どうぞ皆様お元気でお過ごしください。