バックナンバー:185 2010/9/1


読者の皆様、お元気でお過ごしでしょうか? 学生の方、夏休みの宿題は終わ

りましたか?

 

今年の夏は猛暑であったにも関わらず私は、結構体調も崩さず元気に過ごせま

した。ドイツに戻って、現在は日中でも20度を切る気候です。もうドイツで

は夏は終わってしまったようでちょっと寂しい気がいたします。

 

また、講習会、演奏会も無事終了致しました。お越し頂来ました方々、応援、

お手伝いしてくださった方々、どうもありがとうございました。

 

さて、先日号外を出して私の恩師ヴィンシャーマン教授の日本での催しをご紹

介いたしました。ヴィンシャーマン先生から私が学んだ中で一番大事なことは

「音楽は生きている」という事です。先生は他の事を一番に教えたかったかも

しれませんが、楽譜にある音符に如何に息吹を注ぎ込むか、私はその事を先生

から教わりました。今月25日の東京音楽大学での公開レッスンはヴィンシャ

ーマン教授の希望で、テーマをモーツアルトに絞られたそうです。「アマデウ

ス」という映画をご覧になられた方も多いと思いますが、女のけつを追っかけ

回していた若きモーツアルト。そんなモーツアルトの生き生きとした音楽の好

みがオペラにもたくさん現れています。私はヴィンシャーマン教授にモーツア

ルトは「点と線の音楽」と習いました。25日の講習会ではそのモーツアルト

の解釈で、点と線の意味をしっかりご披露頂けると思います。20世紀の世界

トップクラスのオーボエ奏者、教師、そしてドイツ・バッハ・ゾリステンの創

始者兼指揮者であるヴィンシャーマン教授は最近オーボエのレッスンをする事

はめったにありませんでした。2時間という短時間ではありますが、先生がど

のようにたくさんの優秀なお弟子さんを育てる事ができたのか、その秘密を皆

さん、知りたいと思いませんか?

 

925日(土)13:0015:00東京音楽大学Jスタジオにて、

 

聴講は無料です。

 

詳細(チラシ)は、私のホームページをご覧ください。

http://www.oboeinfo.de

 

 

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■ 2011年はリスト生誕200年

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今年の東京の演奏会でリストが訪れたライン川の島のお話を致しました。来年

はリストの生誕200周年。世界各地でリストの曲が演奏され、CDが発売さ

れ、ゆかりの地では音楽祭が開かれると思います。ライン川の島の修道院で、

そのような催しが行われるかどうかは分かりませんが、ドイツのチューリンゲ

ンに11年間リストが住んでいた事を記念して音楽祭が開かれるそうです。

http://www.tokyo.diplo.de/Vertretung/tokyo/ja/09__D_20Info/PD/Ku/Musik/Liszt.html

 

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■ 世界の美女たち

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ミス・ユニバースはメキシコ人の23歳。世界中から集まった82名の美女達

から選ばれたのは1m74cmのナバレッテさん。これから1年間ニューヨー

クで俳優の勉強をするそうです。

http://www.n-tv.de/mediathek/videos/leute/Mexikanerin-zur-Miss-Universe-gekuert-article1335876.html

 

ドイツ人トップ・モデルで3人の子供の母、クラウディア・シェーファー40

歳。

http://www.n-tv.de/mediathek/videos/leute/Claudia-Schiffer-wird-40-article1343681.html

 

ロシアのスパイでアメリカで逮捕され、諜報員交換でロシアに戻ったアンナ・

チャップマン。彼女にたくみに言い寄られると政治家はころっと騙されるのも

分かるような・・・・!

http://www.marker.ru/news/1732

 

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■ ルフトハンザA380に乗って

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今年の帰国に使った航空会社はルフトハンザでした。特にルフトハンザを選択

した訳ではなく、予約時にもっとも安かったからルフトハンザにしたのですが、

ラッキーだったのは最新式旅客機A−380に乗れたことです。物知りの方か

ら教えてもらったのですが、ルフトハンザが6月に所有していたこの機種はた

ったの1機。それがANAとの共同運航のフランクフルトー成田路線。途中サ

ッカーのワールドカップの時にナショナルチームを空輸する為に運行から外れ

南アフリカに!6月はA−380が運行していたのは週2便だったらしいので

す。そして7月からもう1機増えて毎日1便運行されているらしいです。往復

Aー380に乗った感想ですが、確かにマシーンはでかい! どでかい! で

も、席は以前と比べてひょっとしたら幅が広いのかな、という程度。前後は特

に余裕ができた印象はありませんでした。もっともがっかりしたのは、ドイツ

から日本に飛んだ時です。この日、丁度ワールドカップのドイツ対イングラン

ド戦が行われていました。最新式の飛行機ですから衛星放送で飛行機の中でも

観戦できるか、と楽しみにして乗り込みました。でも、衛星放送は無く、機長

が「地上からの連絡によりますと・・・・・」てな報告のみでした。でも、以

前の飛行機と比べてはっきりとよい面もあります。飛行機の中は少し静かです。

そして航行時間が30分くらい短いです。1人1人についている画面はタッチ

スクリーンで、画像も良くなっています。そしてヘッドホーンの音ですが、以

前は大音量にしても聞き取りつらかったのに対して、今回は非常にクリアーに

聞く事ができました。

 

私の感想はエコノミークラスの座席のお話ですから、エグゼクティブやファー

ストクラスは相当快適になっているのかもしれません。

 

私の家族の総合的判断では、今まで乗った飛行機の中で1番良かったのはエミ

レーツ航空だそうです。家族の中でエミレーツを使った事が無いのは私だけで

す。南回りのこの路線は航空時間が長いのです。でも、娘は言っています。

「短かったら映画もたくさん観られない。ゲームもできないじゃない!」

ゲームは席を指定して対戦ゲームもできるんだそうです。

 

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■ いい物みつけた2010 クールビットマフラータオル

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今年の日本の夏は猛暑でしたね! 

私は今年は日中に外出する時には極力帽子をかぶるように致しました。そして

その帽子の中にはハンカチに包まれた保冷在を入れています。こうすると少し

は頭が冷えます。また、日中の庭仕事では首のタオルに保冷在。両ポケットに

保冷在、といった具合で1時間くらいは平気で作業をすることができました。

後で聞いた話なのですが、日本では現在「ぬらせば冷えるタオル」というのが

あるんだそうです。そしていろいろなデザインがあり、野良仕事以外にも結構

使えるそうなのです。私が知ったのがドイツに戻る寸前。渋谷のドラッグスト

アで聞いてみるとありました。黒とピンクで既に首に巻くように想定して作ら

れてありました。そして丁度襟の部分にハートのマークが!! これには私に

は抵抗感が生じ、今年は買わずにおしまいにしました。でも500回くらい使

えるそうですから来年は是非欲しいですね。日本はまだ暑さが続く、という事

らしいので皆様、如何ですか?

 

クールスリー、クールスカーフ、ヒンヤリタオルとかの名前で色々出ています。

http://www.amazon.co.jp/s/?ie=UTF8&keywords=%E5%86%B7%E5%8D%B4%E3%82%BF%E3%82%AA%E3%83%AB&tag=googhydr-22&index=aps&field-adult-product=0&hvadid=5485172049&ref=pd_sl_8823a2f445_b

http://www.amazon.co.jp/tag/%E5%86%B7%E3%82%84%E3%81%99%E3%80%80%E9%A6%96%E3%80%80%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%80%80%E4%BF%9D%E5%86%B7%E3%80%80%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%8A

 

http://www.kobaya-co.jp/coolbit.html

 

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■ 日本GDP中国に抜かれる ドイツ経済は絶好調

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8月17日、私が帰国する日の日本とドイツの新聞の経済欄も共通して出てい

たのが、「中国が日本のGDPを抜いて世界第2位に」。いつかはこの日がや

ってくる事は明らかでしたが、とうとう来てしまいました。今年の日本の経済

成長が0,1パーセントで、ほぼ横ばい。円高で更に輸出が伸びず、加工貿易

を得意とする日本にとっては難しい状況が続いています。

 

娘にドイツ人の友人が電話してきて、「どうしたの日本は? 中国に抜かれた

じゃないの!また、私日本に行きたいからしっかりしてよ!」と心配なのか激

励なのか分からない電話だったそうです。

 

現在ドイツの景気は好調です。やれギリシャだ、スペインだとかでユーロ価値

がどんどん下がり、輸出企業の多いドイツにとっては外国で安価なドイツ製品

が売りやすく、おまけに売った外貨をユーロ換算すると2度おいしい結果にな

るわけです。逆に日本は円高で景気が低迷。おまけに日本政府は手を打たない

から(打つ能力がないから)一向に景気が回復しないどころか、悪くなってい

ます。これからもドイツはユーロを安く保つようロビー活動を続けると思いま

す。ドイツ中お銀行は今年のドイツの経済成長率を1.9パーセントから3.0パー

セントに引き上げました。勿論、自国通貨が暴落してしまってはいけませんが、

日本は景気が悪い、累積赤字が先進国1番であり国債のランキングであるトリ

プルAを保てそうも無い、というようなマイナス宣伝をして、少なくとも為替

を円安基調にもって行く努力はしても良いと素人の私は思います。

http://www.tokyo.diplo.de/Vertretung/tokyo/ja/09__D_20Info/PD/Wi__Messe/Exportaufschwung.html

 

経済が崩壊しそうだった韓国は2年ほど前はウォンが暴落しました。しかし現

在はそのお陰で韓国企業は絶好調です。ドイツも懸命に悪い方への宣伝でユー

ロ安を恒久的に導こうとしています。中国はアメリカの脅しにもかかわらず、

のらりくらりと人民元の切り上げを先延ばしにしています。このように安い通

貨というのは自国の産業を守る為には重要です。

 

バーナンキ米連邦準備理事会議長が、必要なときには追加金融緩和を行う、と

発表していますから、日本もアメリカ以上の手を打たなければ、結局アメリカ

のドル安誘導に押し流されてしまう、と心配するのは私だけでしょうか?

 

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■ 日本音楽コンクール オーボエ部門

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音楽家の登竜門、第79回日本音楽コンクール(毎日新聞社、NHK共催、特

別協賛・三井物産)の予選シリーズのトップを切って、オーボエ部門の第1予

選が25、26の両日、東京都文京区のトッパンホールで行われ、15人が第

2予選へ進んだ。第2予選は28日に同ホールで公開で行われる。

http://mainichi.jp/enta/art/oncon/news/20100827ddm012040144000c.html

 

28日に行われた第2次予選の結果です。4人の方々が本選に選ばれました。

http://mainichi.jp/enta/art/oncon/news/20100829ddm041040089000c.html

 

ドイツではミュンヘンコンクールが進行中です。今年はチェロ、フルート、ホ

ルン、ピアノデュオが行われています。現在セミファイナルが進行中。

http://www.br-online.de/br-klassik/ard-musikwettbewerb/

http://www.klassikinfo.de/ARD-Wettbewerb-2010-Tagebuch.1071.0.html

 

バイエルン放送局のミュンヘンコンクール関係の番組

Sendungsinfo

Reportagen vom ARD-Musikwettbewerb 2010

Montag, 6. und Dienstag, 7. September,

jeweils um 20.05 Uhr [BR-KLASSIK] 

 

Preistrgerkonzerte live

Mittwoch, 8., Donnerstag, 9. und Freitag, 10. September 2010,

jeweils um 20.05 Uhr [BR-KLASSIK] 

 

Preistrgerkonzert

Samstag, 11. September, um 21.50 Uhr

Live-Mitschnitt vom 10. September [Bayerisches Fernsehen] 

 

Reportage ber den Internationalen Wettbewerb der ARD 2010

Sonntag, 12. September, um 23.30 Uhr [Das Erste] 

 

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■ オーボエ演奏のコツ (発音、音作りのコントロール)

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オーボエが上達してくるとオーボエの演奏はただ良い音だけではすまなくなって

きます。つまり音楽の要求に合わせて色々なバラエティーに富んだ演奏法が必要

になってくるわけです。オーボエを教えていて難しいのは、音楽的な要求にどの

ように対応して必要な音を引き出すか、その方法を的確に教える事です。

 

弦楽器の場合は手や指の動きが見えます。ヴァイオリンの右手の弓の運動を制御

するのは、管楽器では唇のフォームと息使いです。息は目に見えない、だから教

える方にとってはイメージで教えるしか方法はありません。イメージを示唆しな

がら実際に演奏して見せてあげて、良い例と、悪い例を示します。勿論、弦楽器

でも筋肉の使い方、微妙な圧力のコントロールは見えないわけですが・・・・。

 

実際に教えていても難しい事を、このコーナーで書いても対して意味がないかも

しれませんが、皆様がバラエティーに富んだ演奏するのに何が必要か、という事

をお考えになるのに参考になれば、と思います。

 

音色は、息の圧力、量、スピードのコンビネーションでコントロールします。唇

は、そのいろいろなコンビネーションで出される息を、邪魔しないようにリード

に伝えるように柔軟であることが肝心です。

 

例えばフォルテの演奏です。フォルテは息の圧力が高く、量も多く、息のスピー

ドも早いです。この時に唇のフォームがメゾ・フォルテと同じであったなら、息

はリードに入りつらく、音程は跳ね上がります。ひどい時にはオーバーブローを

起こし音色が荒くなります。こういう時は唇を上下に少し開いてあげると、リー

ドが開きやすくなります。リードが開いてくると息が入りやすくなり、リード自

身の振動も邪魔されずにすみます。

 

逆にピアノはどうでしょう?

普通であれば、フォルテの反対、つまり息の圧力が少なく、量はも少なく、スピ

ードも少ない、と考えます。しかし、もし、それを実行するとリードはなかなか

振動してくれません。リードを振動させるには何かを変える必要があります。例

えば車が低速でもよいので発進する時の燃費は非常に高いのです。結果から申し

上げると圧力を上げる事になります。圧力が弱いと、要するに決めの細かい息が

リードに入らない、つまり、すかすかの息ではリードは振動しにくい、とお考え

ください。画像のピクセルが高ければ高いほど絵は美しくなります。逆にピクセ

ルが荒ければ絵を引き伸ばした時にきれいな画像にはなりません。管楽器のピア

ノ奏法はきめが細かいほど美しく確実になります。その時の唇は決して閉めては

いけません。ただしフォルテの時の様に開くのではなく、反応しやすい幅をしっ

かり持たせてリード材が振動しやすくサポートしてあげる事が肝心です。

 

次回は今考えた息をいかにうまくスタートさせるか、という舌の使い方を取り上

げます。

 

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最後までお付き合い頂きありがとうございました。

どうぞ皆様お元気でお過ごしください。


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