バックナンバー:161 2009/5/1


読者の皆様、

 

お元気でお過ごしでしょうか?

 

今週の月曜日から水曜日までの3日間、ブレーマーハーフェンのオーケストラ

定期演奏会がありました。

http://www.stadttheaterbremerhaven.de/web/staedtisches_orchester/beschreibungen/2007_05_29_12_43_02_6_Sinfoniekonzert.html

プログラムにチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲があったのですが、ソリ

ストの中国人フェン・ニン、すばらしかったです。中国人の世界的なピアニス

ト、ランランにも同じ傾向が見られますが、特にテクニックは完璧で、まるで

クラシック音楽のサーカスです。彼のアンコールは月曜日に「アルファンブラ

宮殿にて」。これは原曲はギターの曲です。ギターのトレモロの部分はピアノ

の音で弓を飛ばして表現していました。火曜日はパガニーニの「イギリス国家

の為の変奏曲。水曜日はバッハのパルティータから、とパガニーニの「デュエ

ット」。パガニーニはヴァイオリンのサーカスですが、完璧なテクニックで楽

しく聞かしてもらいました。

 

ドイツ人なら誰でも知っている最近のトップニュースはサッカーの名門チーム

バイエルン・ミュンヘンの監督クリンスマンが解雇され、後任に昔の監督だっ

たユップ・ハイネックスが就任。彼が残りのシーズン中チームを指揮します。

http://www.n-tv.de/1145485.html

夏後の来シーズンの監督に関してはオランダ人、ルイス・フォン・ガールが有

望視されている。

http://www.n-tv.de/1146631.html

 

--------------------------------------------------------------------------

■ 演奏会のお知らせ Sommernachtstraum          

--------------------------------------------------------------------------

 

「ゾンマー ナハツ トラウム」はドイツ語で「夏の夜の夢」という意味です。

メンデルスゾーン作曲の日本語訳で「真夏の世の夢」もこの「ゾンマー ナハ

ツ トラウム」です。

 

このタイトルを今度の我々の演奏会に使う事にしました。

「夏の一夜の夢の冒険を、聴衆の皆様に私達と共に体験、堪能、驚き、楽しん

で頂ければ幸いです。

 

実施時期    2009年7月16日 19時開演

実施場所    東京文化会館小ホール

演奏者 : 末政圭志(オーボエ)、酒井秀明(フルート)、土山美紀(ファ

      ゴット)、森園康一(コントラバス)、末政由美子(チェンバロ)

 

詳細は私のホームページをご覧下さい。

http://www.oboeinfo.de

 

--------------------------------------------------------------------------

■ 講習会のお知らせ 高松

--------------------------------------------------------------------------

 

夏休み中に高松で行なわれるオーボエクリニックのご案内申し上げます。

 

開催日時:2009年7月25日(土)、26日(日)

開催場所:ヤマハミュージック神戸 高松支店 

対象 : どなたでもOK、アマチュア(中高生、大学生、社会人)音大生

講師 : 末政圭志

連絡先 : 087-870-4502(山口)

 

--------------------------------------------------------------------------

■ ファーストドック

--------------------------------------------------------------------------

 

オバマ大統領が娘達の為にプレゼントした犬はブレーメンの近くから連れてい

った犬なのだそうです。ポルトガル水犬?っていう種類の犬だそうです。

http://www.abendblatt.de/daten/2009/04/15/1123128.html

子供のアレルギーを心配して選び抜かれた犬なんだそうなので、もっと毛が短

いのかと想像していましたが、そうでもないようです。

 

--------------------------------------------------------------------------

■ 3Dテレビ    

--------------------------------------------------------------------------

 

ドイツのオルデンブルクという町の小さな会社が開発した3Dテレビ。昔の白

黒の映画でも立体感がでるそうです。お値段は1万ユーロ(約125万円)。

http://www.handelsblatt.com/technologie/forschung/3d-fernseher-fantastisch-plastisch;2253657

 

--------------------------------------------------------------------------

■ 豚インフルエンザ

--------------------------------------------------------------------------

 

メキシコの読者の皆様、お見舞い申し上げます。きっと現地では大変な状態だ

ろうと想像しております。ドイツでのニュースでは、学校は5月7日まで休校。

公共での催しはそれまで全て中止。7日までに収まらなければ地下鉄などの交

通機関をストップさせる、と報道されておりました。

 

日本でもこのニュースは伝えられていると思います。はじめ鳥インフルエンザ

に始まり、豚がインフルエンザにかかり、飼料に入っていた鳥インフルエンザ

とビールスが合併して新型の豚インフルエンザのビールスができ、今度は人間

のインフルエンザが豚に移り、豚インフルエンザと合併して新しいビールスが

できたのが、今回のメキシコでの豚インフルエンザ、なんだそうです。そして

その新型豚インフルエンザのビールスは人間にも感染します。ドイツの外務省

はメキシコに行かない事を勧めています。またドイツの代表的な旅行会社TU

I(トゥイ)では無料でメキシコ旅行の変更を受け付けています。

http://special.reuters.co.jp/contents/flu?rpc=131

 

ヨーロッパでは昔、ペストと天然痘の伝染病で多くの人が感染し死亡していま

す。ヨーロッパ全土に渡るそのような伝染は、現代の世の中では情報と対策が

早急に練られるので考えにくいですが、それでも伝染する確立はゼロとはいえ

ません。

 

現在ドイツでの感染者はバイエルンで1名。メキシコから帰国してから症状が

出たそうですが、現在は隔離され病状は快方に向かっているそうです。

 

--------------------------------------------------------------------------

■ アップリル・ヴェター

--------------------------------------------------------------------------

 

ドイツ語で4月をアップリル(April)天気の事をヴェター(Wette

r)といいます。合わせると4月の天気という意味です。英語で言うとエイプ

リル・ウェザーに当たるわけです。なるほど似ているなあ、と思われるかと思

います。

 

先日、娘が学校での音楽の勉強で「Major」と「Minor」について尋

ねてきました。ドイツ語で「Dur」と「moll」日本語では「長調」と「

短調」英語では「メイジャー」と「マイナー」。だからこれは英語だよ、と教

えますと、「なるほど」と言うのです。何が「なるほど」なのかこちらが娘に

尋ねると、スペイン語で「マヨア」と「メノア」(MayorとMenor)

{もっと多く、もっと少なく}なんだそうです。それで、「長調、短調」とい

う訳です。私も「なるほど」そういう理解の仕方もあるのだ、と納得した次第

です。

 

話を戻してアップリル・ヴェターですが、「女心と春の空」という言葉のよう

に春4月は日本でも昔から天気が変わりやすい季節です。ドイツでも同じで、

だからこのような言葉があるわけです。最近の私の寝室を見ると、半袖のシャ

ツ、長袖のシャツ、毛糸のチョッキ、薄手のカーディガン、毛糸のセーター、

夏物のズボン、コールテンのズボン、短パンが出揃っているのです。外出時は

天気が良くても簡単なコートは必ず持って出ます。出ていないのは長袖の下着、

ズボン下くらいでしょうか? こんなに服がハンガーにつるされているのはこ

の季節特有です。

 

最近のドイツの気候は10度〜30度を行ったり来たり。花粉症以外に風邪を

ひいている人が結構います。

 

5月はブンダーシェーネ・マイ(Wunderschoene Mai)「す

ばらしく美しい5月」とドイツ古今の詩人達が詠った、或いはマイ・ヴェター

(Mai Wetter)「5月の天気」と特別に名前の付く季節です。一般

的にドイツは5月には入ると天気は安定し、一年中で一番過ごしやすく美しい

季節になります。少なくともセーターが片付けられると良いのですが・・・・。

 

--------------------------------------------------------------------------

■ オーボエ演奏のコツ リラックス

--------------------------------------------------------------------------

 

オーボエを演奏して私は肩や首筋がこります。きっとそういう方は私以外にも

いらっしゃると思います。特にリードを作っている時の姿勢は指先に神経を集

中させ座ったままの前かがみ。この姿勢で何時間も作業を続けますから演奏す

るよりも姿勢が固まってしまします。

 

最近ドイツではオーケストラの楽員の病気についての研究が盛んです。そんな

中で、ブレーマーハーフェンのオーケストラもいろいろな試みが行われていま

す。

 

先回は3回のヨガ集中講座がありました。今週からは太極拳の集中講座があり

ます。ヨガの前には段階的筋肉リラックス法という講座がありました。今まで

経験した段階的筋肉リラックス法とヨガには大きな共通点がありました。呼吸

に神経を集中させて一部の筋肉を一時的に緊張させ、その後に一挙に虚脱しま

す。緊張、虚脱を繰り返しながら場所を変えて身体全体を一巡させ、最後に身

体全体の力を抜きます。一部であれ全体であれ、身体の力を完全に抜くのは結

構難しいものです。ただ、管楽器は呼吸が大切ですから、このような方法で集

中力を高めたり、リラックスしたりする事は重要だな、と今回感じました。

 

この他にも、我オーケストラでは楽員の為に2ヶ月間の無料のフィットネスセ

ンターでのトレーニングというのもあります。

 

皆様もリラックスして、(趣味のオーボエでも)職業病にならように心がけ、

長い間オーボエの演奏を楽しんでください。

 

--------------------------------------------------------------------------

■ アメリカ経済大ピンチ(その16)

--------------------------------------------------------------------------

 

GMへの猶予期間は4月いっぱい。その間に改善策を会社側はアメリカ政府に

提出しなければなりません。どうも会社側は建て直しの見通しが立たないよう

です。このまま行けばGMは倒産。関連企業にも影響が出て失業者続出となり

そうです。ドイツのGM子会社オーペルには4月23日にイタリアのフィアッ

トが買収の食指を動かしました。ドイツのニュースではフィアットとオーペル

の生産している車種が似ている事から、買収、あるいは吸収合併しても、どち

らかの生産ラインが止まり、良い結婚ではありえない、とのコメントを出して

います。それからカナダの会社マグナという会社の名前が上がっています。

 

4月28日にGMはポティアックを廃止、さらにリストラを発表。

http://jp.reuters.com/article/wtInvesting/idJPnJT845375720090427

 

4月30日アメリカの車会社ビックスリーの内クライスラー社が倒産を申請。

 

最近のドイツにある経済研究所が今年の景気予想を出しました。マイナス6パ

ーセントで、ドイツが建国されてから最悪の経済成長なんだそうです。ところ

が4月の消費者景況感調査では3月よりも景気が上がっている、そうなんです。

4月28日のアメリカの消費者景況感調査も上がっているようです。でも、テ

レビのニュースで買い物をしている人へのインタビューを聞いてみると、「銀

行に預けておいてお金の価値が減ってしまうなら使った方がいい。」と言って

いました。まあ考え方はそれぞれですが、そういう考え方もあります。ただ、

もし、また価値を戻す可能性があるのに使ってしまってはもったいない、と思

う人もいるでしょう。30日ドイツ政府発表の経済分析では今年はまだ不況が

続くが20010年には回復の兆しが出てくる見込み、なんだそうです。最近

年金ファンドがかなりのマイナスであることが分かり、年金の値下げが噂され

ましたが政府はドイツの年金が下がる事はない、と否定しました。

 


次のバックナンバーを読む


[バックナンバー目次]
[末政さんのメールマガジン] [本橋家トップページ]