バックナンバー:159 2009/4/1


読者の皆様、

 

お元気でお過ごしでしょうか?

 

日本は桜の季節で卒業式が終了し、これから入学式のシーズンですね。新しい

環境に自分の身を投じる、期待と不安が入り混じった、そんな新鮮な気持ちに

なるシーズンですね。

 

ドイツは春になりそうで雪が降ったり、もったいぶった天気が続いております。

冬のタイヤを夏用に取り替えるつもりでしたが・・・・??

 

先月29日からドイツは夏時間に入りました。夜中に1時間減ってしまうので

す。ですから、日曜日の朝は1時間少ない。仕事が無いのが普通だから問題な

いのですが、月曜日から早起きをしなければいけません。ドイツのテレビでア

ナウンサーが言っていました。「1時間の時差の体内時計が解消するのに1週

間はかかります」と。

 

マイクロソフト社はインターネット・エクスポローラー8を発表。そういえば

ビル・ゲーツ元マイクロソフト社長は世界一の金持ちに返り咲いたようです。

http://www.handelsblatt.com/technologie/it-internet/browser-fruehling-bei-microsoft;2208842

 

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■ NATOとロシアが一緒になる日

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ナトー北大西洋条約機構というのがあります。ワルシャワパックに対抗して冷

戦下で作られた軍事機構です。4月にフランスのストラスブールクという美し

い町で行われる記念式典では新しいNATOに向けてドイツのメルケル首相か

らの提言があるようです。それはこのグループにロシアを加えてしまおうでは

ありませんか、というものです。

 

現在、世界はアメリカ離れを画策しています。今までその先方となって動いて

きたのが中東のイラクとイラン。背後で支援してきたのがヨーロッパとロシア、

そして中国。中国が近頃アメリカの債権を買い、アメリカの債権を宣伝し、そ

して新しい通貨システムに中国元を加える提案を行うなど、今後の世界政権へ

のアプローチを強めています。一方ロシアはユーラシア通貨を提案して、これ

また米ドルに変わる世界通貨を提案しています。アジアの共通貨幣の話も出て

いますが、日中の権力争いの為に話だけの進展しない提案になっています。

 

こういう世界中の動きは、ブッシュ大統領が国連を無視して行ったイラク戦争

のつけを世界はアメリカ没落として支払わせようとしているかのような動きで

す。そしてアメリカ没落後の世界政治の主導権争いが今繰り広げられているわ

けです。

 

ヨーロッパは膨大なエネルギー資源を持っているロシアに対して安定したエネ

ルギーを供給して貰いたいと願っています。それからロシアをもっと近代化す

るノウハウを持っているヨーロッパは日本や世界に先駆けて技術をロシアに売

り込みたい、と思っているわけで覇権とは違うメリットをこの提案で実現化し

ようと図っているのだと思います。

 

日本の政治も戦後を引きずらないで(未だに太平洋戦争の戦争責任を政治の道

具にしてくる国のいちゃもんを突っぱねる!)もっと世界に意見を発信しても

らいたいと思います。そうしないと日本は没落アメリカと生涯を共にするだけ

でなく、アジアの世界的展開という勢力地図が見えてきません。

 

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■ 朝鮮の衛星打ち明けの背景を勘ぐると?

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朝鮮が衛星の打ち上げ実験をするとか、そして発射方向がよりによって日本海

方面。防衛省は日本本土が危険にさらされそうな場合は打ち落とす許可を出し

迎撃ミサイルを配置。アメリカ海軍も同じ行動をとっている?そうです。日米

の対応は当然の措置だと思います。でも何で今この実験を行うのか? 何でわ

ざわざ日本方向に矛先を向けるのか? と勘ぐってみると色々な可能性が考え

られます。当たっているかもしれないし、とんちんかんかもしれません。又は、

もっと別の意図があるかもしれません。音楽家の私でも考えられる可能性は・

・・・。

 

いろいろ勘ぐると可能性が出てきます。アメリカの景気を一気に高めるために

は戦争が一番。朝鮮相手では景気を高めるほどの効果は無いと思われますが、

こういう変な事をしでかす国が増えれば、アメリカ製の迎撃ミサイルを売る事

ができます。(だからアメリカが朝鮮をそそのかしている?)

 

あるいは、以前イラク戦争で高見の見物を決め込んでいた中国をわざわざ引き

ずり込むためにアメリカが中国大使館を爆撃した事件があります。後の公式見

解としては誤って中国大使館を爆撃した、という事になっていました。今回も

アメリカは同じような事を考えている? つまり、北朝鮮に向けて迎撃と見せ

かけたミサイルを撃ち込む?

 

もし、日本の迎撃ミサイルが衛星に当たらないで朝鮮に被害を与えたら、喜ぶ

のは中国。やっぱり日本は危険な国ではないですか!昔の戦争の責任はどうな

っているのか? とまた政治的にいちゃもんをつけてくる。(だから中国が朝

鮮をそそのかしている?)

 

世界ではこの迎撃ミサイルの性能が問題視されています。アメリカ製の迎撃ミ

サイルがぜんぜん当たらないとしたら? この性能を確かめたい国がいる? 

(中国、ロシア、朝鮮?)

 

韓国と韓国に駐留している米軍との思惑もいろいろあるようですが・・・・。

 

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Abwrackpraemie 「アップヴゥラックプレミエ」

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ドイツ政府が年初から経済救済対策として始めた9年以上を経た中古車を廃車

にし、新車に買い換えた場合に2500ユーロを廃車に対して支払う、という

政策。wrackとはポンコツとかくずとかいう意味です。Abwrackはくずにしてし

まう事。そしてpraemieはボーナス。訳して「くず鉄ボーナス」政策。

 

この政策で、新車の購入が思ったより進み、政府が用意したお金がもう直ぐ底

をついてしまう事で、この政策を延長する事が決定。しかしいつまで続けるか、

その金額は2500ユーロに留めるのか、まだ決定していない部分があります。

 

確かに新車が売れる事は経済政策として効果を上げそうです。また古い車を廃

車にすることによって環境にも役立ちます。一方、現在はこの政策により新車

の売り上げが伸びているように見えても、この政策が期限切れとなった時に新

車が売れなくなるので政策としての効果は薄い、という意見もあります。

 

ドイツは今年の秋に総選挙を控えています。与党は秋までに国民に対して良い

印象を与えたいという配慮の元に、この政策の続行を決定した、という事です。

http://www.tagesschau.de/wirtschaft/abwrackpraemie144.html

http://nachrichten.rp-online.de/article/titelseite/Koalition-bestaetigt-Abwrackpraemie-verlaengert/34189

 

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■ オーボエ演奏のコツ リードのお話(その3、余談)

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私がオーボエを始めて教えていただいたのは東京芸術大学助教授の故梅原先生

でした。高校時代の3年間は先生のお宅にレッスンに通い、目の前でリード作

りを見学させてもらっておりました。初心者の私にはまだリードは作れません。

いつも先生からリードを頂いて使用しておりました。

 

先生はリードをお作りになるのが恐ろしく早い方です。材料をパイプに巻きつ

けるのに1分とかからない。荒削りをしてびーびーとリードが音を出すまでに

3分くらい。仕上げを行っても1本、5分くらいでリードを作ってしまわれま

す。巻きつける糸は壊したリードの糸を使用する事が多く、長さが足りなくて

も別の短い糸を上手に巻き込んでつながれます。大量に巻いてリードメーキン

グマシンを使われる事もありました。

 

梅原先生のリードのタイプは短めのスクレープで軽いリード。先生のお手本は

以前東京芸大にいらしていたシュフトラインというウィーンのオーボエ奏者の

リードだったようです。その軽いリードのお陰で、初心者の私でも簡単に音を

出す事ができ、あっという間に2オクターブは吹けるようになりました。梅原

先生は、兎に角オーボエを演奏するためには音が出せなくては、音程が取れな

くては、基本ができていなくては、というお考えを強く前に出しておられ、無

理に厚いリードで苦労して演奏されているお弟子さんに対してはリードを軽く

するように常に勧めていらっしゃいました。

 

私はその後京都芸大に進学し岩崎先生に師事しました。夏休みには東京の実家

に戻り、しょっちゅう梅原先生のお宅に伺ってご指導を受け続けておりました。

というより、相変わらずリード作りの初心者の私はリードをおねだりに参上し

た、という方が正確かもしれません。

 

岩崎先生はドイツ留学から戻ってこられた頃で、まだまだばりばりのドイツト

ーン。でもお使いのリードは重くないのです。非常に発音がスムーズで吹き込

みやすいリードをお使いでした。大学生の私もそのようなリードがたまにでき

るようになり、休みになればそういうリードを持って梅原先生をお尋ねする事

ができるようになりました。

 

梅原先生も私のリードを試して「案外軽いんだな!」という事で合格点を出し

て頂いたのがもう大学を卒業する間際でした。京都芸大を卒業してヴィンシャ

ーマン教授のいらっしゃるドイツ、デトモルト音楽大学に留学。私にとってラ

ッキーだった事は、岩崎先生がヴィンシャーマン教授のお弟子さんだった事で

す。ですからリードには違和感が無く、常に軽めのリードで吹き続ける事がで

きたのです。

 

以前、浜松のダブルリードフェスティバルでパッシン先生とお話した事を思い

出します。パッシン先生は、岩崎先生がドイツ留学中ご一緒にヴィンシャーマ

ン門下として勉強した仲間でした。パッシン先生が当時を振り返って、ヴィン

シャーマン先生が「唇の端っこでもオーボエは真ん中と同じように吹けるんだ。

」といってやってみせてくれたそうです。その時にパッシン先生は適当なリー

ドの重さ(軽さ)というものを悟った、とおっしゃっていらっしゃいました。

このヴィンシャーマン先生のデモンストレーションは我々の時代にもしょっち

ゅう見せていただいており、「うん、あの事だ!」と納得しながら私はパッシ

ン先生のお話にうなずいておりました。

 

梅原先生、岩崎先生、ヴィンシャーマン先生、パッシン先生と、私の接してき

たオーボエ奏者の先輩方は一人として重いリードを進めなかったのです。私も

皆さんに、兎に角無理なく音が出せるリードをお使い下さい、と申し上げたい。

 

弦楽器でも無理に鳴らした音は美しくありません。歌でもがなってはいけませ

ん。オーボエ演奏も同じ事です。あとはいかに音のつぼに上手に当てるか、と

いうお話になります。

 

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■ アメリカ経済大ピンチ(その14)

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アメリカは国債29兆円発行。それをフェデラルバンクが買い取る。という奇

妙な政策を開始しました。つまりフェデラルバンクがドルを刷ってアメリカ政

府がその新札を借りて使う。そしてゼロ金利政策は維持。

 

日本政府が円の国債を発行して日銀が買う、とどうなるのでしょう?

経済学者の方に素人でも理解できるようにご説明願いたいところです。

 

まあ、要するにドル札ががんがん増える。お金がたくさん出回れば価値はなく

なってくる。つまり米ドルの価値がさがっちゃう。米ドルの価値が下がれば米

ドルを持っている人は損をする。損をしたくないから米ドルには手を出さない。

米ドルの信用がなくなる。アメリカは信用の無くなった米ドルを売ろうとした

ら利子を高くして人の興味を引かないといけないのでインフレが起こる。イン

フレが起こり、米ドルの信用を落としてもお金の必要なアメリカは尚ドル札を

印刷する。ハイパーインフレ。ドル暴落。デフォルト(借りたお金の踏み倒し

宣言)かな?

 

アメリカがドル札を刷れば刷るほどインフレ圧力は強くなるそうです。そして

それに対抗するにはインフレを防止した債権に投資する事。なんだそうです。

そんな記事も現れるほど米ドルは危険度を増してきたようです。

(↓ドイツ語)

http://www.handelsblatt.com/finanzen/anleihen/guenstiger-inflationsschutz-mit-anleihen;2206366

 

3月21日、ハンガリー首相が辞任。

http://www.handelsblatt.com/politik/international/ungarischer-ministerpraesident-tritt-zurueck;2209978

ハンガリーは昨今の経済難で国の財政が傾き、EUからの追加支援も決定して

いました。ハンガリー以外にもポーランド、チェコの財政が不安視されており、

いつ株式市場、債券市場がクラッシュしてもおかしくない状態だそうです。更

に東ヨーロッパにウェイトを掛けて投資しているオーストリアの銀行、エルス

テバンク、ライフアイゼンバンクや他の銀行が倒産する危険が増しているそう

です。ただ、EU首脳会議で東欧向けの支援を追加する事で合意されている。

http://finanzen.alice.aol.de/oesterreichs-banken-fuerchten-crash-in-

 

osteuropa/artikel/20090320162500124044349

http://www.fbc.de/eu/eu-kiji.htm

 

3月23日、アメリカのガイトナー財務省長官発表の銀行救済政策に株式市場

は好感を示し上昇。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-37102720090323?rpc=131

 

3月23日、ドバイのアーバル・インベストメンツ投資会社がドイツのダイム

ラー社の株式買取を発表。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-37112520090323

 


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