バックナンバー:150 2008/11/15


読者の皆様、こんにちは!

 

今年のドイツの秋は結構暖かです。私の住んでいる町、ブレーマーハーフェン

では日中10度くらいの日々が続いております。でも、朝日が昇るのが遅く、

夕方から暗くなるのがどんどん早くなってきていて。駆け足でクリスマスが近

づいてきている気がします。今年の最初のアドヴェントは11月30日。ブレ

ーマーハーフェンではこの日からクリスマスまでの日曜日もお店が開かれてい

ます。またドイツ中の都市ではこの日からクリスマスマーケットが開かれます。

 

ブレーマーハーフェン歌劇場では現在ミュージカル「ジャッケルとハイデ」が

出し物として載っています。普通ミュージカルはいつも売り切れなのですが、

映画ジェームス・ボンドの最新作が11月6日から封切され好評のようで、その

影響でしょうか?少し空席があるらしいです。007の新作、今までの映画の

中で一番時間が短いそうですが・・・・。

 

現在第25回日本管打楽器コンクールが開催中ですが、2009年ソニーコンク

ールの詳細が決まったようですね。30歳より若い方、どうぞ挑戦してみてく

ださい。→本文

 

2008年の夏休みに日本で見つけて買い求めた物を続けてご紹介しておりま

したが、今回はその4回目、「いいものみつけた」の最終回です。デジタル録

音機PCMレコーダーをご紹介いたします。→本文

 

国際政治の焦点は次の大統領オバマとワシントンで現在開催中の金融サミット

G20。経済は既に恐慌に向かってまっしぐら。→本文

 

 

 

 

≪岩崎勇先生を送る会 ご案内≫

 

去る平成20年10月22日、京都市立芸術大学名誉教授、相愛大学音楽学部

客員教授であられる岩崎勇先生が、ご出身地熊本に客演中ご逝去されました。

 

ご葬儀は熊本のご実家と奈良のご自宅で密葬として行われましたが、ここに広

く多くの関係者の皆様にお集まりいただき、先生とのお別れの会を執り行いた

いと存じます。

 

日時 : 平成20年11月22日 午後3時から4時

 

会場 : 京都市立芸術大学内講堂 〒610-1197 京都市西京区大枝沓掛町13-6

参照             アクセス            http://www.kcua.ac.jp/access/

 

駐車場に限りがあります。ご来場に際しましては、なるべく公共交通機関(

)をご利用くださいますようお願い致します。なお当日は平服にてお越しく

ださい。

 

岩崎勇門下生会

 

代表 岡田良機

連絡先090-8213-7721(中山和彦)

 

 

 

 

 

<お知らせ>

プロバイダーを変える事になりました。その関係でしばらくホームページは不

通になります。今までも原因不明の文字化けが発生してからほとんど更新して

いなかったので、読者の皆様は私のホームページにアクセスはしていらっしゃ

らないとは思っておりました。ところが最近私のホームページを早く復活させ

て頂きたい、というご意見を頂きました。リード材などの扱い方など、他のホ

ームページでは調べられない内容が重宝がられたようです。応援ありがとうご

ざいます。

 

 

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■ 第9回国際オーボエコンクール軽井沢

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財団法人ソニー音楽芸術振興会が主催する日本での国際オーボエコンクールが

また来年開かれます。審査員はシェレンベルガー、ブールグ、ハント、シフリ

ン、日本からは古部、小畑、霧生(敬称略)。申し込み提出期間は来年4月1

日〜24日。

 

http://oboeck.jp/

 

今回の課題曲を見て思うのですが、オリジナルのオーボエの曲では飽き足らず

フルートやヴァイオリンからの曲を選んでいます。確かにオーボエだけのレパ

ートリーは狭く、我々が演奏会でプログラムを組む時もオーボエのオリジナル

の作品にこだわらず、オーボエで演奏すればオリジナルに匹敵するかそれ以上

の音楽的効果を期待できそうな曲を選び出します。

 

そういう風潮が出ている課題ですが、そこまで幅を持たせてコンクールで技量

を競わなくても、オリジナルの曲だけでも十分審査は可能だと私個人は思いま

す。

 

コンクールの詳細、申し込み方法、必要書類は、12月頃にコンクールのサイト

にアップされるそうです。

 

2次予選まで通過する人はチェンバロとピアノの両方の伴奏者が必要になりそ

うです。それともヨーロッパの著名なコンクールの様に、コンクール側が伴奏

者を公式に用意して頂けるのかな??

 

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■ いいものみつけた! (その4)PCMレコーダー

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プロの音楽家にとって自分の演奏をチェックするのに録音機械は必需品です。

今まではオープンリールのテープレコーダー、カセットテープレコーダー、ソ

ニーのDAT、MDレコーダーと新しい製品が時代と共に開発され、我々もそ

れに対応させられてきました。自分の演奏をチェックするだけであれば、小型

のカセットレコーダーでも十分です。なにもステレオである必要性もありませ

ん。ただ、ちょっとした自分のコンサートの録音を残したい時などは、より良

い音で録りたいと思います。デジタル化が進んだ今日ですから録音の機械がす

ぐに出ても良いはずなのです。MP3プレイヤーはずいぶん早くから音楽再生

機として出回りました。でも録音もできるMP3の機種はプレイヤーよりずい

ぶん後の話です。デジタル録音に関してノートパソコンにマイクをつないでミ

キサープログラムを使ってハードディスクに録音する方法も考えましたが、常

にハードディスクの空き容量を確保していないといけません。

 

そこで、デジタルなら特に音楽専用でなくてもカセットテープに録音する事を

考えれば音色に遜色がないのでは、それにきっと小さくて簡単な機械があるの

では、と思って去年の夏に普通の録音機を探してみました。

 

ありましたね、やっぱり。簡単に録音できるソニーのICレコーダー。軽いし

小さいし、音もデジタルだし(MP3)、メディアを買う必要もないし、練習

に使用するには非常に手軽です。ただ、私には大誤算があったのです。あまり

にも操作が簡単な為に家族にも人気で、私の手元に戻ってこなくなってしまっ

たのです。

http://www.ecat.sony.co.jp/ic-recorder/product.cfm?PD=30307&KM=ICD-SX78

 

末娘は学校の新聞のインタビューをするのに使うといって機械を持ち出す。現

在は、家内がMP3プレイヤーとして電車の中で音楽を聴いたり、自分の演奏

のチェックに使っています。

 

そこで、今年は同製品、あるいは類似製品を購入しようとヨドバシに何回か足

を運びました。

 

去年は生録の小型機種というものが少なかったのです。ローランドのPCM録

音の機械はありましたが、お値段が全然違うので遠慮しておりました。今年は

ありますね、いろいろと!

 

お値段は去年同様音楽録音専用機種は高かったのですが、私にとっては夏にユ

ーロがピークに達しておりましたので日本製品は割安でした。

 

しかし怖いのはまた家族に没収されることです!

 

 

 

 

いろいろ迷って2つの機種を選びました。

 

ローランドR-09HR

http://www.roland.co.jp/products/jp/R-09HR/

 

この機械を選んだ理由はNHK技師の方のお勧めがあったからです。内臓マイ

クが多機種より性能が良いそうで、小型デジタル録音の決定版なんだそうです。

なるほどソニーのICレコーダーと比べると音色の差は歴然としています。再

生する時に「ホールのエコー」ボタンがあって、自分の日本間で演奏したデッ

ドな音が突如として伸びやかな澄んだ音に一気に変わる「自己満足型即席転換

装置」もついています。

 

使ってみて困ったことは、まず一緒に付いてくるSDカード512MB。PC

M録音方式は圧縮無しなので音楽録音には良いということです。PCM録音方

式の欠点は容量がたくさん必要な事です。PCMのハイクォリティWAV,2

4ビット96kHzで録音すると5分間に約200MBの容量が必要です。そ

こで4GBのSDカードを購入するハメに!更に全てのSDカードを読み込め

るわけではなく、私が購入した(SDカードでは大手の)SanDISK製4

GBのSDカードでは半分の2GBしか認識してくれません。

 

それから機械自体の再生音が小さいことです。ひょっとするとどこかの設定が

間違っているのかもしれませんが・・・・。(娘に言わせるとこの種の機械は

MP3に限らずイヤホーンで聞くのが常識なんだそうです!!! でもEUの

委員会ではイヤホーンで音楽を聴いている若者の耳の障害が問題になっている

のです。)

 

今年の夏、ご一緒に東京の演奏会で競演していただいたピアニストの大野真由

子さんもこのEdirolの古い機種をお持ちです。芸大生の皆さんもコンク

ールやオーディションの為のテープ審査のためにこの機械で録音をする人が多

いとか!(その理由は例のエコー機能にある可能性が・・・・・)

 

新旧を比べてみると新型は表示画面が大きくなっていました。何より新機種の

良いことは遠隔操作ができることです。これは助かります。大野さんのご意見

では、再生の時にエディットできない事が気になるそうです。確かにソニーの

ICレコーダーではブックマークを再生時に簡単に入れることができます。そ

れができるとチェックしたい場所の頭出しが非常に簡単です。

 

お店の人と話したら、「リピート機能があるからそれを利用されては?」とい

うお返事を頂きましたが、ちょっと用途が違います。同じ場所を何回もチェッ

クする事自体は同じ考え方ですが、我々がチェックしたいのはたった一箇所で

はないのです。録音してからエディットしようと思うとPCMレコーダーでは

ローランド、サンヨーにかかわらず一度コンピューターに入れないといけませ

ん。自分の演奏をチェックするだけであればこれって面倒ですね。

 

一言つけ加えておきますと、ローランド社のメールサポートではいつも迅速で

的確な回答を得られます。ドイツから分からない時にメールで問い合わせでき、

親切にご回答を頂けるのは大変助かります。

 

 

サンヨーICR-PS390RM

http://www.sanyo-audio.com/icr/ps390rm/index_ps390rm.html

 

こちらはローランドの後に、やっぱりもっと軽いタイプが欲しくなって購入。

丁度、ソニーのICレコーダーとローランドとの両方の良いところを兼ね備え

た中間の機械です。この機械はいろいろなタイプの録音方式を備えています。

私が購入した機械は8GBの容量を持っていますが、PCMよりひとつ音質を

抑えた録音方式、MP3XHQでも練習には十分です。またPCM録音方式が

WAVの拡張子を持っているためにそのまま音楽CDにすることができるのも

特徴なんだそうです。ためしにエアーチェックしてみました。録音のセットは

外部ラインからでマイクを切って、音質は表示画面上PCM。ところがPCに

データを移してみるとどういうことでしょう。MP3になっています。不良品?

 

 

私の現在のところの感触としては、やっぱりローランドの音は満足。エアーチ

ェックや自分の演奏会を録音したい場合には最適。もし自分の演奏をチェック

する目的での機能性を重視するのであればSONYのICレコーダー。やはり

ブックマークを機械ですぐ入れられて頭だしが簡単なのは練習の能率が高めら

れます。この能率は練習中の集中力の持続につながりますから、私には馬鹿に

ならない要素です。

 

読者の方で他社のPCMの機械をお持ちの方、是非ご感想をお送りください。

 

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■ アメリカ経済大ピンチ(その5)

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アメリカ経済大ピンチのタイトルで夏休み後ず〜と続けて世界経済ニュースを

追い続けてきました。現在金融業界の低迷どころか存続が危ぶまれ、世界中で

大手の銀行に公的資金が注入され続けております。景気の冷え込みは激しく日

本のトヨタも売り上げが1兆円割れ。ドイツのダイムラー、BMWはクリスマ

スには3週間の操業停止。企業だけでなく国自体が危うくなり、IMFはハン

ガリーにも援助をすることを決定しました。

 

11月4日大統領選挙で初めての黒人大統領オバマが当選。来年1月20日か

ら新大統領として就任します。

 

オバマの前にはアフガニスタンとイラクの2つの戦争、サブプライムローンか

ら端を発した金融問題、アメリカ国内の保険問題、環境問題など重要な課題が

山積みされています。

 

環境問題で京都議定書を通過させた日本、風や太陽エネルギー分野に強いドイ

ツにとってはきっと追い風になると考えられます。

 

また父親がケニア出身ですから外交ではアフリカ政策にも期待できそうです。

 

ひとつアメリカからのテレビレポートを見ていて感じることは、黒人の若い人

たちが、「やればできるんだ。」という大きな希望を持ち出している。これは

その人達に人生の大きな活力になると思います。そういう意味で、彼は既に国

民に大きな夢と希望を与えています。

 

 

11月4日

市場は大統領選に期待し世界中で株価は上昇しました。ドイツのDAXは5パ

ーセントプラス。日経は6パーセント以上の上昇。

 

11月6日

WTIが来年の経済成長を大幅下方修正。ヨーロッパ各中央銀行は公定歩合を

緊急引き下げ。5日から株はまた下げ続け。

 

11月9日

中国政府が急に4兆元の景気対策を発表しました。

 

11月14日、15日

ワシントンで金融サミットG20が開かれています。今回のアメリカに端を発

したサブプライムローン問題が世界的な経済危機を招き、自由経済を揺るがす

大問題に発展、その対策協議に主要国だけでなく代表的な発展途上国の代表を

加えての重要な会議です。

 

ドイツ政府は具体案を提案し、今までアメリカ中心であった世界経済のシステ

ムをEUに振り向ける大きなチャンスと見ています。

 

しかしドイツの報道は20カ国が参加するたった2日間の会議では、今回はた

いした成果は得られないと、期待薄。きっとそれは当たっていると私も思いま

す。各国首脳は会議よりもこれを機にオバマに会うつもりでワシントンに行っ

ているような気がしますが、如何なものでしょうか?

 

何はともあれ、公的資金が注入され、自由経済がコントロールされる状態に至

った現在、今後いかに経済のシステムが発展するのか、果たして今までのよう

な自由経済は存続できるのか、というイデオロギーの大きな分岐点に世界は立

っています。

 

 


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