バックナンバー:133 2007/12/17


読者の皆様、

 

お元気お過ごしでしょうか?

 

 

ドイツのコーヒーチェーン店ティボーがドイツ国内ならどこまででも乗れるバ

ーン・チケット(国鉄乗車券)を29ユーロで売りに出しています。販売は1

4日から始まっており、チケットの試用期間は1月1日から3月31日まで。

http://www.welt.de/wirtschaft/article1434917/.html#reqNL

3月にスキーに行こうと思っていますから、車を使うより安いかな???

 

 

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■ クリスマスツリー      

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クリスマスツリーに使用するもみの木ですが、ドイツ人たちはクリスマス寸前

に買い込んで24日に飾り付けをするのが一般的です。ツリーを飾る部屋は別

にして、24日の晩、教会のミサが終わってから、或いは25日になった時に

その部屋が開かれ、ツリーの下にはプレゼントが置かれている、という劇的な

演出家も結構いるようです。24日がそのツリーが売られている最終日となり、

最後の時間帯は投売り、叩き売りが行われます。

 

今年のツリーの値段は去年と比べて33パーセント高だそうです。1メートル

15から18ユーロだったのが、今年は20ユーロ。

 

話は変わりますが、このクリスマスに出てくるサンタさんトルコ人って事、皆

さんご存知でしたか?

 

トルコの有名なバカンスを過ごす海岸アンタルヤの更に南東にミュラという村

があります。そこにいたセント・ニコラスが貧しい人や子供達にプレゼントを

したのがサンタクロースだそうです。

 

現在のトルコはイスラム教です。でも日本と同じようにプレゼントの交換をし

たりしてお祝いするそうです。

 

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■ 日本政治に思うこと                 

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12月1日の英国「タイムズ」は、英情報局保安部(SS MI5)のエバンス部

長が11月末に企業経営者や警備担当者に対し極秘の書簡を送り「シナの国家

機関がコンピュータのネットワークに不正侵入する電子スパイ作戦を展開中で

ある。」と警告していたと伝えています。

 

中国に関して質が問われ始め、ヨーロッパの消費者はメイド・イン・ヒナ(チ

ャイナ)を敬遠しています。一方中国は政府規模での企業乗っ取りを開始して

おりアメリカやヨーロッパの優秀企業への株の大規模買い付けを始めています。

ユダヤ人がアメリカ経済を牛耳り、アメリカ政治に大きく関与している手法を

中国は真似しながら、軍事の質は徐々に上がりつつあり、世界は中国への警戒

を非常に強めています。そんな中で日本の政党が中国共産党に大接近、という

のは外交デリカシーの欠如、というか世間知らず、というか・・・・。

 

与党の自民党は国会をすっぽかされた責任をここぞとばかり追及すれば良いも

のを、マスコミと一緒になりを潜めている現実を外国から眺めていて、日本は

政治と報道関係において非常に危うい!ように見えます。

 

例えば、会社の経営を舵取りする役員が、大事な企業の方向を決める株主総会

に欠席し、株主総会を審議不能にしたらどうなるでしょう。まず背任罪で訴え

られてお役御免になるところだと思います。政治家が法律で定められた国政を

放り出した、となれば国が危うくなります。有権者はこの政党の国政放棄行為

を慎重に検討しなければならないと思いますが如何でしょうか?

 

安部政権をあれだけ叩いたマスコミが、福田政権になってから静かな事。それ

に野党のおかしな動きにも静かです。誰かがどこかで自分の都合のよいように

政治とマスコミ動かしているとか思えない進展です。その誰かが外国でない事

を祈ります。

 

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■ チャンピオンリーグ

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ブレーメンを本拠のサッカーのプロチーム、ヴェアダー・ブレーメンは現在ド

イツのプロリーグの第2位。毎年ヨーロッパのリーグを争うのがチャンピオン

リーグ。チャンピオンリーグの下にもう一つヨーロッパのリーグが存在します。

UEFAカップというタイトルです。

 

チャンピオンリーグの予選トーナメントで先回強豪レアル・マドリッドを下し、

希望が持てたヴェアダー・ブレーメンでしたが、12月11日アテネで行われ

た対オリンピコス・ピレウス戦に敗退し決勝リーグに出場できなくなりました。

 

チャンピオンリーグの決勝リーグに残っている8チームの中で唯一のドイツチ

ームはシャルケ04。シャルケはゲルゼンキルヒェンを本拠地とする伝統ある

サッカーチームです。

 

11日の試合に敗れたヴェアダー・ブレーメンですが、その日ギリシャはスト

中で飛行機が飛んでいませんでした。チーム関係者とファンあわせて約五千人

が足止めを食らうところでしたが、勝ちチーム、オリンピコス・ピレウスの尽

力のおかげで無事アテネを後にすることができたそうです。口の悪い人はもし

ヴェアダー・ブレーメンが勝っていたらこうすんなりとは飛べなかった、と言

っているそうです。

 

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■ クウィーン・エリザベス2世号、4月に改修工事

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ブレーマーハーフェンにあるロイド社の船のドックには大きな客船が修理の為

にやってきます。クウィーン・エリザベス2世号は前にもここで大きなオーバ

ーホールが行われました。船会社が今まで世界中を走っていたこの豪華客船ク

ウィーン・エリザベス2世号をドバイに売却、ドバイでは船上ホテル、ショッ

ピング街として使用するそうで、その為の内装工事がロイド社のドックで行わ

れるそうです。

 

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■ ライプチッヒの中国展

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ライプチッヒのフェルカークンデ・ミューゼウムでは2000年前の中国で発

掘されたほぼ等身大の兵隊の焼き物の展示会が行われていました。その焼き物

が偽者であることが発覚し展示会を急遽中止。検察は、この企画を仲介した商

社を操作中です。

 

美術館での展示品は本物でなければ困ります。もちろん精巧なコピーが存在し

専門家でも判定がつかない様な偽者が存在します。それはそれとして芸術家が

精魂詰めて仕上げた作品のオリジナルを見ることが鑑賞の価値というものです。

 

音楽でもCDやテレビでの鑑賞では実際の響がどういうものか図り知れません。

 

ドレスデンでは「中国2008年」という催しを企画しています。2008年

2月28日から「中国のヒューマニズム」というテーマで開始されるそうです

が・・・・・・?。

 

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■ ダーク・イェンセン

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ブレーマーハーフェン歌劇場管弦楽団第2回定期演奏会は11月26日、27

日、28日の3日間行われました。プログラムは

 

シューマン 序曲

ジョリベ  ファゴット、ハープ、ピアノと弦楽の為の協奏曲

モーツアルト ファゴット協奏曲

ベートーベン 交響曲第1番

 

ファゴット ダーク・イェンセン

指揮    ロメリー・プント

 

ダーク・イェンセン教授とは私がパッシン教授の通訳として浜松での管楽器フ

ェスティバルで仕事をした時に知りあいました。43歳のノルウェイ人。趣味

はクロスカントリー。それを聞いてなるほどノルウェイ人、と思いました。現

在ドイツでファゴットを勉強するのであれば、トゥーネマンが退職した後、彼

の名前が1番に名前が挙がるのでは、と思います。ヨーロッパに目を移せばス

イスのバーゼルにはアッツォリーニがいますね。

 

イェンセン教授は考え抜ぬいた演奏をします。演奏家にとって音楽を奏でる場

合に一つのパッセージを取りあげても色々な表現が可能です。全体的なテンポ、

基本のキャラクター、音色の選択、ダイナミックの変化、アゴーギック、考え

られそうなことは山ほどあります。その一つ一つを組み合わせて最良と思われ

る選択をします。ただ楽譜の音を忠実に出せば良い、と言うものではありませ

ん。そのセンスの良い選択が芸術となります。優れた演奏家は同じ音の羅列で

あっても色々な表現方法を知っています。その表現の可能性の選択の余地が多

ければ多いほど音楽が面白くもなり楽しくなるわけです。イェンセン教授に限

らず演奏家として教師としての秘訣はそこにあります。彼は非常に繊細な音楽

表現をします。難を言えばちょっとパワーが足りないかな・・・・。

 

ジョリベのファゴット協奏曲は私にとって始めて聞かしてもらう曲です。非常

にテクニックのいる曲らしく、演奏できる人がなかなかいないそうです。ブー

レーズと一緒によく現代曲を演奏しているガロワ、とかだったら好んで演奏す

るかも・・・。私の周りにも優秀なファゴット奏者は何人もおりますが、彼ら

からもジョリベの話は出たことがありませんでした。きっとオーボエに例える

とツィンマーマンの協奏曲に相当するファゴットのレパートリーなのでしょう

か?

 

ジャズの要素をふんだんに含んだこの曲はオーケストラにとっても難しい曲で

す。オーボエがオーケストラに入っていないのも私には気に入っています!冗

談はさておき、曲についてはやはりお聞きいただかないことにはいくらここで

すばらしかったと書いてもその様子をお伝えすることは残念ながら不可能です。

もし、イェンセン教授がジョリベを演奏する時は少々無理をしても出かけてい

って是非聞いてみてください。

 

今回、イェンセン教授とブレーマーハーフェンの魚のレストランで食事をしな

がらお話しする時間がありました。その中からオーボエに関する事をここにご

紹介いたします。

 

彼はハノーファー音楽大学の教授です。5月に管楽器の音楽大学生コンクール

がハノーファーで行われたそうです。ミュンヘンコンクールに入賞した学生3

人も出場していて、その時に既に今年のオーボエのレベルにはビックリしてい

たそうです。そしてその時にミュンヘンで1位になったスペイン人ケロへの彼

の印象は、「何だこの男、ステージに上がってきてもそわそわして、全然集中

していないみたい。ところが彼が演奏し始めたら空いた口が塞がらなかった。」

そうです。普通オーボエ奏者が太い音をだそうとすると融通が利かなくなるけ

れど、彼の場合は音が豊かで音楽も自由。でも先生の名前は未だに覚えていな

いそうです。我々にとっても無名(失礼)のヴィット先生、これから注目です

ね。

 

このお話をお聞きし、ミュンヘンコンクールの受賞コンサートのテレビ中継だ

けではやはり判断できないな! 一度生の演奏を聞いてみないことには、と思

いました。

 

今、オーボエの大学の先生は誰が良いと思うか尋ねてみました。確かに現在は

オーボエの先生の入れ替わりの時期で、昔のヴィンシャーマンのように、この

人に就けばよい、という先生が見当たらない。パッシン、ゴリツキ、シュマル

フスは引退。リーバーマンも引退しているし・・・。ルルーとは演奏は時々一

緒にする、彼自身はすごくうまいけれど弟子のことは聞かないし・・・・。彼

は教授になったばかりだから、教授としてはまだ未知の世界。

 

そこで彼が出した先生の名前はヴェッツェルでした。今まで確かライプツィッ

ヒ(間違っていたらごめんなさい)にいて、今度ケルンの音楽大学の教授にな

るそうです。これからドイツの音楽大学を目指したい方、名前を覚えておいて

ください。

 

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■ あとがき

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読者の皆様!

 

今年も残すところ2週間となりました。

今年のヨーロッパの話題、オーボエを中心にした音楽の話題如何でしたか?

 

来年も今年と同じように月2回のペースでメールマガジンを発行できたら、と

思っております。応援どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

それでは、皆様、楽しいクリスマス、冬休み、そして良いお年をお迎え下さい。

 

 

                              末政圭志

 


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