読者の皆様、
お元気お過ごしでしょうか?
ドイツは紅葉の真っ盛りです。アルプスに近い南ドイツでは一時雪が降り、冬
用のタイヤを装備するようにニュースでは警告していました。北ドイツも夜間
マイナス1度という寒さの日もあり、路上に駐車してある車の窓ガラスは霜で
真っ白け!もちろアルプスの山々は雪が積もり始めています。
昨日はハロウィーンでした。子供たちがお化けの格好やお化粧をして家々を回
ります。それぞれの家の前で「お菓子頂戴、さもないといたずらしますよ。」
と言って脅しをかけます。昔はきっと子供のいたずらもかわいいものだったの
でしょうが最近は困ることがあるようです。バターを呼び鈴につける、とか壁
にスプレーで落書きするとか・・・・。
ドイツは10月の最後の週末に冬時間となります。夏時間は1973年にフラ
ンスで導入されドイツでは1980年から夏時間の導入となりました。
朝は夏時間より一日が1時間遅く始まります。ですから同じ8時でも冬時間の
方が明るいです。その代わり夕暮れは早まります。夏時間の導入は日照時間を
長く利用することによるエネルギー節約の為です。夜型の音楽家にとっては日
没が遅い夏時間の方が冬でも節電になるような気がしますが・・・・・??
2011年に女性サッカー世界大会がドイツで開催されることに決定しました。
去年のような男性サッカーワールドカップのような盛り上がりは期待できない
と思いますが・・・・・。
今年の夏に行われました浜松での講習会の模様が11月号「バンドジャーナル」
に掲載されております。158ページをご覧下さい。写真をご覧頂ければお分
かりになりますが、参加中高生は見事に女性ばかりでした。ブラスバンドの先
生方、どうぞオーボエを男子にも割り当ててください。そうしないと、近い将
来、オーボエは女性が演奏するもの、という固定観念が出来上がってしまいま
す。
今回のメールマガジンでも、先回、先々回に引き続きルルーが登場します。9
月の演奏会だったのですが、私には未だに強烈な印象を残しています。
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■ レ・ヴァン・フランセ
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9月16日、ブレーマーハーフェンの歌劇場でルルーの演奏会がありました。
http://www.musikfest-bremen.de/va_detail.php?artID=751&nav2=aktiv&nav2_1=aktiv
そのすぐ翌日、ブレーメンのグロッケでレ・ヴァン・フランセの演奏会を聞き
ました。オーボエのルルーは連日の活躍。私は連日の聞き手でした。
http://www.musikfest-bremen.de/va_detail.php?artID=709&nav2=aktiv&nav2_1=aktiv
このアンサンブルメンバーはルルーが中心に選んでおり、皆、それぞれ第1人
者が勢ぞろいしています。東京での演奏会の時のメンバーとブレーメンでのメ
ンバーはフルートとクラリネット奏者が違います。
今年の2月に行われた東京王子ホールでの演奏会プログラム。
http://www.ojihall.jp/concert/lineup/2006/20070214.htm
私も室内楽が大好きで、スポンサーが付いてくれればこのような演奏会を企画
したいです。そのときに指名したいホルン奏者がこのブラトコヴィッチです。
実は彼と私はデトモルトの音楽大学で一緒に勉強した仲間なのです。オーケス
トラ演奏会でもバレエの公演でもそうなのですが、知っている人間がステージ
にいてくれることは楽しさが倍増します。ルルーだけでなく、そういう意味で、
この日の演奏会は私にとっては聞き逃せない演奏会でした。
この日の演奏会ではフルート奏者に王子ホールと同じベルリン・フィルの首席
奏者パユが予定されていましたが、ベルリン・フィルの仕事の変更のためにこ
の日はオーケストラの仕事から抜けられず、代役の奏者が演奏しました。ブノ
ワ・フロマンジェという現在ベルリン・ハンスアイスラー音楽大学の教授。経
歴を見るとルルーと同じようにパリで勉強し、パリのオペラ座からバイエルン
放送交響楽団の首席を勤めています。
http://www.pearlgakki.com/flute/artist.html
イベールの木管五重奏はフルートから始まります。フロマンジェの奏でるフル
ートは非常に雰囲気がありました。
ファゴットではなくてバスーンでは世界一といわれているジルベール・オーダ
ンですが、高音域はフルートか?中音域はイングリッシュホルンか?というよ
うな音を出します。クラリネットはパウル・マイヤーというドイツ人で現代音
楽のスペシャリスト。ピアノがエリック・ル・サージュ。
この前の日に協奏曲を3曲演奏したルルーは相変わらず身体の動きが大きいけ
れど音楽全体を引っ張っていっていました。伴奏に回るとクラリネットのピア
ニッシモと同じ音量で影に回ることができます。ここまで小さな音で演奏する
ことは大変なリスクです。音が爆発する危険性と音がかする危険性、音量がう
まくいっても音程がうわずる危険性も存在します。全てのリスクを犯してもこ
のように演奏するのだ、という音楽家としての自負に私は共感を覚えます。
レ・ヴァン・フランセは要するに世界的なテクニシャン揃いの木管アンサンブ
ルで、今まで聞いたどの木管五重奏より完璧度が高く、全員がそのテクニック
を駆使して音楽に積極的に心から打ち込んでいました。
もしまたこのメンバーの演奏会があったら皆さんどうぞお見逃しのないように!
この日の演奏はドイツでは11月15日の21時5分より、ドイッチュランド
・フンクで放送されます。
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■ 頑張るトルコ
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先号で日本政府の外交姿勢に対する疑問を書きました。現在トルコの新政府は
テロ集団PKKに悩まされています。PKKはいくつもあるアラブ人の種族で
あるクルド人の政治団体のようです。(中東の事は複雑でわけが分からない)
もともとトルコはこの異民族との摩擦がありました。イラクのトルコ国境付近
に作ったクルド人のPKKテロキャンプからトルコ領域へテロを仕掛けてきた
ことが事の発端だそうです。PKKテロにはイラク(現イラク政府はシーア人)
も悩まされ、イラク政府もPKKを追い出したいのです。イラクに攻め入った
アメリカはイラクの安定化に大変な犠牲を払っています。今また戦争が起これ
ばイラク情勢も悪化します。そこでアメリカはトルコ政府の軍事介入を非難し
ました。しかしトルコ人の犠牲が既に出ており、トルコ政府は自国と自国人を
守る為なら軍事行動も辞さない姿勢を示しています。トルコ政府はテロと戦う
と証してアフガニスタンやイラクに世評を無視して軍事行動を起こした国にと
やかく言われる筋合いはない、とアメリカの批判に強行に反発しています。
日本政府ならこんな自体でも政治家たちはお互いの足の引っ張り合いをしてい
るかもしれませんね!困ったことだと思います。
日本の関連記事:読売社説「トルコの選択 中東全域を不安定化する懸念」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20071030ig91.htm
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■ 「パウラ イン パリ」ブレーメンでの絵画展
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現在20世紀初期の女性画家パウラ・モッダアソン・ベッカーの展示会がブレ
ーメンにあるクンストハレで開かれております。
http://www.kunsthalle-bremen.de/
題は「パウラ イン パリ」
パウラ・ベッカーは1876年2月8日ドレスデン・フリードリッヒシュタッ
ト生まれ。1888年に父親の鉄道の仕事の関係でブレーメンに転居。父に言
われて先生になる勉強をするかたわら、絵画をブレーメンの画家ベルンハルト
・ヴィーガントに習う。1895年ブレーメン近郊にある芸術家の村ヴォルプ
スヴェーデの画家たちの展示会がブレーメンで開かれ、その時に将来の夫とな
るオットー・モッダアソンの絵に心を打たれる。彼女はベルリン芸術家協会、
パリのアカデミー・コラロッシとエッコーレ・ボー・アートで、後にアカデミ
ー・ジュリアンで勉強している。影響を与えた画家たちはモネ、ピサロ、シス
レー、ロダン、レンブラント、ゴーギャン、セザンヌ、ゴッホ、ピカソなど。
彼女の作品は肖像画が多く、約400点以上残されている作品のうち、3分の
2は少女のモチーフ。この展覧会は彼女の死後100年を記念して企画された
ものです。
この展示会では彼女の作品とパリで彼女に影響を及ぼした芸術作品を集めて展
示されています。ベルリンで絵画の勉強を終えてヴォルプスヴェーデに居を構
えて活動を始めた彼女でしたが、1899年にブレーメンの展示会に出品した
作品が惨憺たる批評を受けました。そこで発奮した彼女はパリに行くことを決
意したようです。パリでの勉強は学校の他、ルーブルで昔の巨匠たちの絵画を
模写し研鑽を積みました。そんな彼女に影響を及ぼした画家の作品も集め、彼
女にどんな影響を与えたのかを見ることができるそうです。
20世紀の始め、絵の世界では男性優位の時代で、優秀でも女性の作品は認め
てもらえなかったようです。彼女の死後徐々に彼女の絵の価値が認められ今日
の評価につながっています。
http://www.faz.net/s/Rub590E63896B724091BF63CECAEF28A1A7/Doc~EE166F063B1A54814A707DF3256BB705C~
ATpl~Ecommon~Sspezial.html
ブレーメンにはベッチャーシュトラーセという通りがございます。そこに常設
のパウラ・モッダアソン・ベッカー・ミュセウムというのがあります。この館
は16世紀のブレーメンスタイルでの裕福の家の内装と共に、彼女の絵を展示
しています。
http://www.pmbm.de/
http://www.bremen.de/sixcms/detail.php?id=3556569&_hauptid=551443
クンストハレで特別展示会をやっている間、彼女にパリのルーブルでやはり影
響を与えたとされているアフリカの作品がこのパウラ・モッダアソン・ベッカ
ー・ミュセウムに平行して展示されています。
展覧会は2月24日まで。月曜日は休館です。
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■ ドイツ人の移住先
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去年のドイツ人の移住者は155300人。1954年以降の最高値だそうで
す。18から49才の人が多いのがスイスで12パーセント、次はアメリカで
9パーセント、オーストリア7パーセント、老後を暖かいスペインと決めた人
が続いているようです。
私も11年後に退職したらどこへ行こうか、と考えたことがあります。第1候
補は日本帰国ですが、その前にスイスかオーストリア、或いは北イタリアなど
も魅力があります。
皆さんはどんな国に住んでみたいですか?
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■ ブレーマーハーフェン市立歌劇場管弦楽団第2回オーケストラ定期演奏会
ソリスト ダーク・ヤンセン
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ブレーマーハーフェン歌劇場管弦楽団第2回定期演奏会は11月26日、27
日、28日の3日間行われます。プログラムは
シューマン 序曲
ジョリベ ファゴット、ハープ、ピアノと弦楽の為の協奏曲
モーツアルト ファゴット協奏曲
ベートーベン 交響曲第1番
ファゴット ダーク・ヤンセン
指揮 ロメリー・プント
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■ ブレーマー・フィルハーモニーカー第2回オーケストラ定期演奏会
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11月4日、5日にはブレーメンでオーケストラ定期演奏会がグロッケで開か
れます。プログラムがオーボエ奏者にとっては楽しいかも・・・・。
オーストラリア人のソロ・オーボエ奏者アンドリュー・マルコムがソロを担当
してハイドンとマルティニュー作曲のシンフォニア・コンチェルタンテを聞く
事ができます。
http://www.bremen.de/sixcms/detail.php?id=3894534&_hauptid=551443&_subid=1471120&_kidsid=
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■ アルフレッド・マイヤー in ブレーメン
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マイヤーがブレーメンでモーツアルトのオーボエ協奏曲を演奏します。
http://www.glocke.de/cgi-bin/programm/langform_neu.pl?
CGISESSID=1933e764b9ac46b7f5a68102c5761128&P_ID=3252