バックナンバー:123 2007/6/15


読者の皆様、

 

お元気お過ごしでしょうか?

 

本日ブレーマーハーフェンは曇り、気温は14度。セーターを着ています。

週末は非常に暑く30度くらいあり、家では半袖、短パンという井手達でし

た。これくらい暑いとドイツ人たちは庭でバーベキューをします。そしてビ

ール。夏のライフスタイルです。暖かいときは極力外で過ごす。肌を太陽に

当てるアウトドア志向がドイツ人のお気に入りのようです。

 

 

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■ カペラ・ブレメンシス演奏会のお知らせ                         

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【ドイツで活躍中の日本人プロオーボエ奏者によるオーボエ三重奏の調べ】

 

日時 7月27日(金)19時開演

場所 東京OAGホール(ドイツ文化センター内)

 

演奏 <カペラ・ブレメンシス>

末政圭志 ブレーマーハーフェン市立歌劇場管弦楽団 首席ソロオーボエ奏者

福田雅夫 市立リューベック・フィルハーモニー管弦楽団 副首席オーボエ奏者

長岡大輔 ブレーメン・フィルハーモニー ソロイングリッシュホルン奏者

 

 

プログラム

ヨーゼフ・トリーベンゼー:

 ハイドン作曲「交響曲第94番」の主題による変奏曲 ハ長調

ヨーゼフ・シュナルケ:イギリス民謡の主題による変奏曲 ニ長調

門田展弥:「黒田節ファンタジー」

フランティシェク・クラマー・クロンマー:

 2本のオーボエとイングリッシュホルンの為の三重奏曲 ヘ長調

 

入場料 4000円(全席自由)

 

後援:ドイツ共和国大使館、日独協会、日本オーボエ協会、ドイツ学術交流

会(DAAD)、DAAD友の会

協賛:ヤマハ株式会社、日本ダブルリード株式会社、野中貿易株式会社、

株式会社石森管楽器

 

チケットお取り扱い:(株)インターミューズ・トウキョウ、

チケットぴあ(0570-02-9990)、ヤマハ(株)アトリエ東京、

日本ダブルリード株式会社、(株)アクタスセルマージャパン、

(株)石森管楽器

 

マネージメント:(株)インターミューズ・トウキョウ 03-3475-6870

 

「カペラ・ブレメンシス」は「ブレーメンの音楽隊」のラテン語です。以前

我々はドイツの各地から集り、あるブレーメンの居酒屋で飲んでおりました。

その店は潰れて今はないのですが、ブレーメンに集った音楽家が美味しい物

にありつき、店の主をおっぱらった、グリム童話どおりのストーリーが名前

の由来です。

 

チラシは私のホームページよりご覧下さい。

http://home.tiscali.de/oboeninfo/jpkonzert_99.htm

 

皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。

 

 

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■ アンサンブル リンコントロ 演奏会のお知らせ

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ケルン歌劇場で活躍していらっしゃるオーボエ奏者本間郁子さん、ドルトム

ント歌劇場でご活躍中のファゴット奏者土山美紀さんらが日本の仲間達と開

く室内楽演奏会です。きっと楽しい演奏会になると思います。(末政)

 

【管弦9重奏の調べ】

 

日時 7月28日() 14時開演

場所 京都コンサートホール(ムラタホール)

 

プログラム

マルティヌー9重奏 ヴィラーオボス 4重奏 シュポーア9重奏

 

出演 Ensemble L'incontro アンサンブル リンコントロ

Vn.戸沢哲夫 Va.高村明代 Vc.山本彩子 Kb.石川浩之 Fl.中川佳子 

Ob.本間郁子 Kl.小谷口直子 Fg.土山美紀 Hn.垣本昌芳

 

チケットお問合せ先 075(711)3090  

 

前売り3500円当日4000円(学生2500円) 

 

 9重奏という珍しい編成を中心としたプログラムで、今回のメインにもな

っているシュポーアの大9重奏を代表に、メジャーではありませんでしたが

ヨーロッパでは時代を問わず様々な作曲家が採用した編成です。1番小さな

形での管弦楽曲と解釈できるかもしれません。今回は9重奏で1番代表的な

シュポーア、マルティヌーの2大名作に加え少し異色なヴィラ=ロボスの木

管4重奏曲でアクセントをきかせたプログラムをお楽しみ頂きたいと思いま

す。

 

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■ 生存競争      

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我が家の夏のささやかな楽しみは、毎朝ヨーグルトに庭でもぎ取ってきたば

かりのヨハ二スベア(Johannisbeere)という実をまぜて食べ

ることです。辞書で調べると、フサスグリとあります。赤い実のなる木と黒

い実のなる木(草?)があります。我が家の庭ではこのほかに木苺、そして

苺も収穫しています。

 

苺なのですが、これが結構収穫のタイミングが難しいのです。赤く熟した方

がもちろんおいしいのです。その事を知っているのはしかし私だけではあり

ません。鳥もナメクジも蟻も知っています。彼らは、絶対に熟していない苺

に食いつく事はありません。「おいしそうに熟してきたな〜、もう一日待っ

てみようか」と思い翌日見ると実が半分くらいやられていたりします。我が

家の苺の収穫量は多くありませんから、1個やられるだけでもこちらの口に

入る個数が限定されてきます。今日はおいしそうな苺を数個、無事収穫した

ので、明日、鳥とナメクジは悔しがっているかも・・・・・。

 

収穫した果実はヨーグルトにまぜるだけでなく、アイスクリームに混ぜて、

リキュールをかけて食べても美味しいです。

 

えっ!あなたはダイエット中?

 

かわいそうですね! おいしいものを自由に食べられなくって!

 

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■ G8

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北ドイツ、ハイリゲンダムというバルト海に面した避暑地でサミットが開催

されました。ブッシュ大統領が来る所、どこでも強烈な反対デモが行われま

す。ドイツは警察だけでなく、災害の時に出動する機動隊も出て厳重な警備

体勢でサミットに望みました。住んでいる住人達も立ち退き、この村は柵で

隔離され、警察と機動隊が柵を見張り、海上には海軍が待ち構えて、グリー

ンピースのゴムボートをだ捕しました。

 

サミットでは、別に問題点を提示するのが恒で、何らかの条約を締結したり

することは稀です。ですからこのような厳重な体勢をしいてまで行われるト

ップ会談の必要性が疑問視されていました。

 

テレビではデモ隊に焦点を当てたインタビューが多かったのですが、デモに

参加している人自体が、大きなイデオロギーを持って参加している、という

感じには受け取れませんでした。

 

それでも、何とか総括すると、ブッシュ大統領のテロ的世界政策に反対する、

というもの、それから、先進国8カ国が集まって、勝手に世界の政治の方向

付けをしてもらっては困る。という事らしいです。

 

後者の勝手に世界政治の舵を取る、という事は、確かに問題があるかもしれ

ません。日本もこのような世界の波で食用の鯨が取れなくなりました。今回

のテーマは環境問題、アフリカ問題、ヘッジファンドの問題が討議されまし

たが、アフリカ問題では、当事者の国々は参加していないわけで、それを大

国と呼ばれている8カ国の首脳が決定します。まあ、アフリカをどうこうし

よういうことではなく、経済援助の問題ではあります。しかし、アフリカの

原住民は自給自足で生活していた所へ、勝手に先進国の波が押し寄せて、狩

場を失い、彼らの生活基盤がなくなってしまう。たとえば、原油のパイプラ

インができて、それに携われる人は良い所得を得るけれども、そうでない人

は今までのような生活すらできなくなってしまう。儲ける人はたくさん儲け

て、もっと儲けたいと思うようになるから賄賂がまかり通る。貧富の差は大

きくなるから政情不安になったりします。それをアフリカの民が望んでいる

のかどうか。それを勝手に先進国が決定して良いものなのか。

 

デモをしている人の意見はこのような事だと推量されます。今の時代、親が

利害で勝手に花嫁、花婿を押し付けたら子供達は迷惑でしょうね!

 

 

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■ ルトスラフスキーのチェロ協奏曲                        

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先週我オーケストラの定期でアルペン交響曲と共に組まれた曲はポーランド

の作曲家ルトスラフスキーのチェロ協奏曲でした。この曲はオーボエに例え

ればベリオのゼクエンツァのような曲だな〜、と思って演奏しておりました。

ベリオはイタリアの現代作曲家で管楽器の為にそれぞれゼクエンツァを作曲

しています。オーボエの曲はバックに始めから終わりまでテープで一つの音

が鳴り続きます。その音を基準にして、ピアニッシモからフォルティッシモ

まで、最高音から最低音まで、素早い音の動き、標準の音階だけでなく、多

少音程がずれた音、同じ音でも音色が違う音、重音、早いスタッカート、な

ど、超絶技巧を駆使した難曲です。ルトスラフスキーのチェロ協奏曲もソリ

ストであるチェロの超絶技巧を要求しています。練習2回で本番3回の演奏

でしたが、ソロパートにはゲリンガース(以前メールマガジンでご紹介した

チェロの先生)の弟子、ヨハネス・モーザーという若い奏者でした。練習2

回、本番3回の演奏でしたが、いつも百発百中というテクシャン。すごく早

いフォルテの動きからいきなりピアニッシモに完璧に移る的確さには舌をま

きます。上には上がいるものだと感じ入りました。

 

 

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■ CDご紹介 ファっシュ オーボエソナタ集

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本日ご紹介いたしますのは2本のオーボエ、ファゴットと通奏低音の為のソ

ナタが集められたCDです。中には2本のオーボエと2本のファゴットの曲

も含まれております。視聴ができるサイトは

http://www.amazon.com/Johann-Friedrich-Fasch-Lutz-Klepel/dp/B0000035M0/ref=sr_1_16/104-4991354

 

-4087939?ie=UTF8&s=music&qid=1181828517&sr=1-16

 

オーボエの録音収集を掲載していらっしゃる「オーボエ視聴室」にもご感想

が出ておりますのでどうぞ訪問してみてください。

http://yy0043.cocolog-nifty.com/blog/cat6579203/index.html

 

インターネットで検索した所、日本でこのCDを注文できそうなサイトは下

記ですが、私はここで購入した事がありませんので、信用度は??です。

http://www.wakuwakudo.net/review_shinpu/new_5chan.html

http://www.aria-cd.com/arianew/shopping.php?pg=36/36newnew7

 

2本のオーボエ、ファゴットと通奏低音の曲と言いますとすぐ思い浮かぶの

がツェレンカです。ツェレンカの場合はテクニックが非常に難しい事と、フ

レーズが長く息継ぎが難しく、曲も大きいので難易度は最大級といえます。

それに対してファッシュは音域も適当でフレーズが心地よく、楽しく演奏が

できます。他にはヘンデルが思い浮かびます。

 

録音は1987年です。ですから新譜ということではありません。解説にオ

ーボエのゴリツキがシュトゥットガルト音楽大学に移る前のハノーファー音

楽大学教授と紹介されています。

 

今の技術の録音であれば、録音された教会の臨場感がもっと出ていて、この

CDよりも数段心地よい響きがするのでは、と思います。ドイツで、あるい

はヨーロッパでの教会の演奏会を聞かれた事のある方であれば、その音の響

きの柔らかさ、残響の長い溶け合った響きの印象をすぐイメージできる事と

思います。演奏はすばらしいのですが、この臨場感を想像しながら、頭の中

で教会での響きを作り上げながら私は楽しんで聞きほれました。

 

聴いているうちに、この編成で演奏会を開きたくなってきました。

 


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