読者の皆様、
お元気お過ごしでしょうか?
今ドイツで旬な食べ物は何と言ってもアスパラガス(Spargel)です。
その日に収穫された新鮮な白アスパラガスをバタークリームソースをたっぷ
りかけて、適度に冷えた辛口の白ワインを飲みながらいただきます。ドイツ
のアスパラガスについては去年の今頃書いていますので、興味のある方はバ
ックナンバーをご覧下さい。そのアスパラガスの収穫ですが、政府の作った
外国人労働者規制の為に、1万人の労働者が足りないそうです。その為にせ
っかくのアスパラガスの収穫が30パーセント落ちているそうです。このま
まいくと、果物の収穫にも影響が出る、と問題視されています。今まで作業
を手伝っていた季節労働者は主にポーランド人でした。この労働力が1年中
自由に働け、仕事を自由に変えることが可能なオランダやイギリスに流れて
しまっている、という事です。天気の加減で素早く収穫しなければならない
農作物の収穫にとっては大変な問題です。そしてこの問題は消費者に価格と
していずれ跳ね返ってきます。
今ドイツで旬な食べ物にはアスパラガスの他に、いちご、ニシンがあります。
ドイツではG8開催の為に警察がテロ防止に動いています。5月25日にハ
ンブルクの警察が全ての郵便物の検査を行ったそうです。何に焦点を絞って
捜査したのかは報道されていませんが、物騒であることは間違いありません。
という訳で安部首相がドイツに、そして天皇陛下はバルト3国を訪問してい
ます。エストニアのロシア語サイトで歓迎の動画をご覧いただけます。日本
でも国旗を持ってこのような歓迎は受けないのでは、というくらい盛大いな
歓迎です。
http://rus.delfi.ee/daily/estonia/article.php?id=16017945%EF%BC%9E%EF%BC%9E
今、日本では「はしか」が猛威をふるっているようですね。私は小学校の時
に「はしか」にかかりました。はしかの熱には伊勢海老の甲羅を煎じた汁が
効く、という事で、私がはしかにかかるまで、台所に伊勢海老の甲羅がつる
されていました。はしかにまだかかっていらっしゃらない方、感染しないで
無事済みます様に!
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■ カペラ・ブレメンシス演奏会のお知らせ
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【ドイツで活躍中の日本人プロオーボエ奏者によるオーボエ三重奏の調べ】
日時 7月27日(金)19時開演
場所 東京OAGホール(ドイツ文化センター内)
演奏 <カペラ・ブレメンシス>
末政圭志 ブレーマーハーフェン市立歌劇場管弦楽団 首席ソロオーボエ奏者
福田雅夫 市立リューベック・フィルハーモニー管弦楽団 副首席オーボエ奏者
長岡大輔 ブレーメン・フィルハーモニー ソロイングリッシュホルン奏者
プログラム
ヨーゼフ・トリーベンゼー:
ハイドン作曲「交響曲第94番」の主題による変奏曲 ハ長調
ヨーゼフ・シュナルケ:イギリス民謡の主題による変奏曲 ニ長調
門田展弥:「黒田節ファンタジー」
フランティシェク・クラマー・クロンマー:
2本のオーボエとイングリッシュホルンの為の三重奏曲 ヘ長調
入場料 4000円(全席自由)
後援:ドイツ共和国大使館、日独協会、日本オーボエ協会、ドイツ学術交流
会(DAAD)、DAAD友の会
協賛:ヤマハ株式会社、日本ダブルリード株式会社、野中貿易株式会社、
株式会社石森管楽器
チケットお取り扱い:(株)インターミューズ・トウキョウ、
チケットぴあ(0570-02-9990)、ヤマハ(株)アトリエ東京、
日本ダブルリード株式会社、(株)アクタスセルマージャパン、
(株)石森管楽器
マネージメント:(株)インターミューズ・トウキョウ 03-3475-6870
「カペラ・ブレメンシス」は「ブレーメンの音楽隊」のラテン語です。以前
我々はドイツの各地から集り、あるブレーメンの居酒屋で飲んでおりました。
その店は潰れて今はないのですが、ブレーメンに集った音楽家が美味しい物
にありつき、店の主をおっぱらった、グリム童話どおりのストーリーが名前
の由来です。
チラシは私のホームページよりご覧下さい。
http://home.tiscali.de/oboeninfo/jpkonzert_99.htm
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。
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■ アンサンブル リンコントロ 演奏会のお知らせ
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ケルン歌劇場で活躍していらっしゃるオーボエ奏者本間郁子さん、ドルトム
ント歌劇場でご活躍中のファゴット奏者土山美紀さんらが日本の仲間達と開
く室内楽演奏会です。きっと楽しい演奏会になると思います。(末政)
【管弦9重奏の調べ】
日時 7月28日(土) 14時開演
場所 京都コンサートホール(ムラタホール)
プログラム
マルティヌー9重奏 ヴィラーオボス 4重奏 シュポーア9重奏
出演 Ensemble L'incontro アンサンブル リンコントロ
Vn.戸沢哲夫 Va.高村明代 Vc.山本彩子 Kb.石川浩之 Fl.中川佳子
Ob.本間郁子 Kl.小谷口直子 Fg.土山美紀 Hn.垣本昌芳
チケットお問合せ先 075(711)3090
前売り3500円当日4000円(学生2500円)
9重奏という珍しい編成を中心としたプログラムで、今回のメインにもな
っているシュポーアの大9重奏を代表に、メジャーではありませんでしたが
ヨーロッパでは時代を問わず様々な作曲家が採用した編成です。1番小さな
形での管弦楽曲と解釈できるかもしれません。今回は9重奏で1番代表的な
シュポーア、マルティヌーの2大名作に加え少し異色なヴィラ=ロボスの木
管4重奏曲でアクセントをきかせたプログラムをお楽しみ頂きたいと思いま
す。
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■ ドイツ経済堅調
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今年消費税を3パーセント値上げし19パーセントにしたドイツですが、失
業率も縮小傾向、輸出入も拡大し、企業の売り上げはユーロ高にもかかわら
ず上昇修正が続く会社が多く、税収入も拡大してきています。EU27カ国
の今年の予想成長率は2,9パーセントと発表されています。この傾向は20
08年にも維持される見込みのようで、ドイツの株価指数はアメリカと平行
して順調です。
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■ フランスとトルコ
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サルゴジがフランス大統領に選出され、トルコはヨーロッパではないので、
EUへ加入するべきではない、との姿勢を選挙前から示していました。サル
ゴジ大統領は地中海連合を提唱しており、北アフリカ諸国などを含めたイス
ラム圏を中心と知った経済・文化連合を推し進める事を提案しています。E
Uのトルコ加盟に関してはEUが成立した時からテーマとなっており、各国
の意見がまとまらず、トルコへ条件を出して、その条件が整ったら加盟の審
査を再会する事になっています。
そのサルゴジが指名したベルナール・クシュネル外務大臣ですが、彼は親ト
ルコ派で、外務大臣就任前にサルゴジ大統領に氏のトルコへの考えを伝えて
了解済み、との事ですから、フランスとしてはEU−トルコ問題に関してど
っちにも転べる政治姿勢を採っていることになります。
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■ パリーフランクフルト 時速320キロ
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ドイツとフランスの鉄道会社が協力してフランクフルト、あるいはシュトゥ
ットガルトからパリ間をスピードアップすることになりました。6月20日
から開始する超特急はフランス側に新しく作られたレールの上を時速320
キロで走ります。走行時間は今までより約2時間短縮され、フランクフルト
ーパリ間は4時間11分。
予定されているルートは、最初はフランクフルトーパリ間だけのようです。
フランクフルトーマンハイムーカイザースラウテンーザールブリュッケンー
フォアバッハーロレーン(Lorraine)ーパリ間はドイツのICE。
シュトゥットガルトーカールスルーエーストラスブールグーロレーンーパリ
間はフランスのTGVが走ります。
ヨーロッパ全体で時刻表が改正される12月9日からは、フランクフルトー
パリ間は3時間39分に短縮されるそうです。TGVの方は年末には運転区
間をミュンヘンまで延長する計画だそうです。
料金はフランクフルトーパリ間が99ユーロ。シュトゥットガルトーパリ間
が95ユーロ。ドイツの特別割引カード(BahnCard)の使用も可能。
8月31日までは特別価格でフランクフルト、マンハイム、シュトゥットガ
ルトからは片道29ユーロ。カイザースラウテン、ザールブリュッケンから
は19ユーロ。この値段はインターネット或いは機械で購入した場合のみで、
窓口で購入すると5ユーロの手数料が加算されるということです。
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■ カンヌ映画祭60周年
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母の日、今年が100周年だったそうです。お花屋さんの売り上げが平日の
4倍にも5倍にもなり、お花屋さんに花がなくなってしまう日でもあります。
ルノーというフランスの自動車会社があります。日本でトップ経営者として
手腕を発揮したゴーン会長はこのルノー社から来ました。このルノー社がド
イツに進出して100周年だそうです。
カンヌ映画祭は今年が60周年。南フランス、コートダジュールのカンヌに
は、久しぶりにアロン・ドロンが現れたり、世界のトップ映画スター達が着
飾って美貌を競いました。
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■ アルペン交響曲
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6月3日、4日にブレーマーハーフェンでは定期演奏会でR.シュトラウス作曲
「アルペン交響曲」を演奏します。昔の話ですが、私がいたずらをした事があ
る曲です。
実は、オーケストラの練習の時に、スイスで買い入れたカウベル(放し飼いの
牛の首につるしている鐘)3つを棒ににつるし、その棒にひもをつけて脚で鳴
らせるように仕掛けを作りました。打楽器奏者が牧歌的な鈴(羊の鈴の音)を
がらがらやっている時に、私も一緒に脚で用意した鐘を鳴らせるわけです。丁
度、オーボエはフラッターでひつじの声を演奏する場面で、上半身ではオーボ
エを演奏しているのですが、脚ではそのカウベルのひもをがらがらやっていま
した。ですからすぐ近くにいる仲間以外には何が起こっているのか分からない
のです。でも正確に打楽器と同じ長さで鳴らしていた分けではありません。私
は打楽器よりもずうっと長くがらがらやっていたのです。その為に練習を5回
くらい指揮者が止めました。打楽器奏者に向かって、「長すぎる、もう一回」
ってな調子です。打楽器奏者は赤くなり、青くなり、「俺じゃあないぞ!」下
のほうを指差して「あの辺で鳴っている」と犯人探しをしています。私の周り
では、皆で大笑い。後で、打楽器奏者に謝ってビールをおごりましたが・・・。
皆その時の事をよく覚えていて、今回も「ケイジ、またあれやらないのか?」
と聞かれました。でも、打楽器セクション、その時から人が変わっていません。
指揮者は違いますが、・・・・・・???
このアルペン交響曲をブラスバンドで演奏する事があるそうなので、一言オー
ボエのソロに触れておきたいと思います。オーボエのソロがあるのは頂上の場
面です。ですが、これは非常に難しい。つかみ所がないのです。大事なのはど
れくらい状況を説明できるか、だと思います。音楽ではなくて、ほぼ語りです。
頂上に向かって登っていき、息が切れ切れになって、アップアップしている状
況です。どちらかというと、音より休符のイメージの方が重要かもしれません。
息切れしながらも頂上にたどり着き、はあはあした荒い息から少し普通に戻り
つつある場面が、楽譜上で音がぶつ切れになっている所です。長い音は、その
息切れがやっと収まり絶景に浸りながら大きく息を吸い込んでいる場面。
絶景を眺めながら、息切れが戻っていく様を語る事ができれば上出来だと思い
ます。