バックナンバー:121 2007/5/15


読者の皆様、

 

お元気お過ごしでしょうか?

 

夏の演奏会の詳細が決定いたしました。内容は本文のお知らせをご覧下さい。

皆様のご来場を心よりお待ちしております。

 

このところ19日に歌劇場で行われるアルバンベルク作曲、歌劇「ルル」の

練習が続いております。変拍子の曲は、演奏していない時に、常に勘定して

いないと、現在どこを演奏しているのかすぐわからなくなります。12音音

楽で、これといってオリエンテーションになる箇所が少ないので尚更です。

ですからこの曲は演奏するより勘定に疲れます。っと言うことで、朝晩練習

があり、何もほかの事をやる気が出ない日々が続いている為に今回のメール

マガジン、テーマが少ないです。悪しからず!

 

ドイツではやっと雨が降りました。雨が降ると芝生が伸びます。雑草も生え

て参ります。水やりをしなくて済む分、別の仕事がやってきます。

 

仏新大統領にサルコジ氏が、決選投票で選ばれました。サルコジはどうもE

Uには積極的ではないようです。それからトルコのEU参加に反対を唱えて

います。今までドイツ・フランスが中心に推し進めてきたEUですが、これ

から舵取りが難しくなりそうです。6月末にはイギリスの首相ブレアーも引

退で選挙です。政治家の交代で、世界情勢がどんどん変わっていきます。

  

 

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■ カペラ・ブレメンシス演奏会のお知らせ                         

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【ドイツで活躍中の日本人プロオーボエ奏者によるオーボエ三重奏の調べ】

 

日時 7月27日(金)19時開演

場所 東京OAGホール(ドイツ文化センター内)

 

演奏 <カペラ・ブレメンシス>

末政圭志 ブレーマーハーフェン市立歌劇場管弦楽団 首席ソロオーボエ奏者

福田雅夫 市立リューベック・フィルハーモニー管弦楽団 副首席オーボエ奏者

長岡大輔 ブレーメン・フィルハーモニー ソロイングリッシュホルン奏者

 

 

プログラム

ヨーゼフ・トリーベンゼー:

 ハイドン作曲「交響曲第94番」の主題による変奏曲 ハ長調

ヨーゼフ・シュナルケ:イギリス民謡の主題による変奏曲 ニ長調

門田展弥:「黒田節ファンタジー」

フランティシェク・クラマー・クロンマー:

 2本のオーボエとイングリッシュホルンの為の三重奏曲 ヘ長調

 

入場料 4000円(全席自由)

 

後援:ドイツ共和国大使館、日独協会、日本オーボエ協会、ドイツ学術交流

会(DAAD)、DAAD友の会

協賛:ヤマハ株式会社、日本ダブルリード株式会社、野中貿易株式会社、

株式会社石森管楽器

 

チケットお取り扱い:(株)インターミューズ・トウキョウ、

チケットぴあ(0570-02-9990)、ヤマハ(株)アトリエ東京、

日本ダブルリード株式会社、(株)アクタスセルマージャパン、

(株)石森管楽器

 

マネージメント:(株)インターミューズ・トウキョウ 03-3475-6870

 

「カペラ・ブレメンシス」は「ブレーメンの音楽隊」のラテン語です。以前

我々はドイツの各地から集り、あるブレーメンの居酒屋で飲んでおりました。

その店は潰れて今はないのですが、ブレーメンに集った音楽家が美味しい物

にありつき、店の主をおっぱらった、グリム童話どおりのストーリーが名前

の由来です。

 

チラシは私のホームページよりご覧下さい。

http://home.tiscali.de/oboeninfo/jpkonzert_99.htm

 

 

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■ グリーンライン・オーボエは

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4月19日19時30分よりハンブルクのライスハレ(旧ムジークハレ)で

ベルリン・フィル・ソロ・オーボエ奏者アルブレヒト・マイヤーがモーツア

ルトのオーボエ協奏曲を演奏しました。

 

オーケストラはハイドン・フィルハーモニー・ヴィーン、指揮はアダム・フ

ィッシャー。プログラムはハイドン作曲、交響曲「時計」モーツアルトのオ

ーボエ協奏曲、休憩、モーツアルトのオーボエとオーケストラの為のアンダ

ンテ、最後にベートーヴェンの交響曲第7番でした。

 

私がマイヤーを聞くのは今回が2回目です。最初はザビーネ・マイヤー木管

8重奏団でファーストオーボエの演奏を聴きました。この時のセカンドは先

日ブレーマーハーフェンでモーツアルトのオーボエ協奏曲のソリストだった

ヤマハプレイヤー、ヨーナスでした。

 

この日マイヤーは頭の部分が白いグリーンラインのオーボエを使用。隅々ま

でよく表現が伝わってくるハンブルクのライスハレにぴったりの細かい表現

が見事でした。モーツアルトの協奏曲はゴリツキー版の楽譜が発売されてか

ら色々なタイプの解釈が存在します。彼のCDで、かなりゴリツキー版に近

かったのに対して、この日の演奏はどちらかと言うとザルツブルクに残って

いる(昔からのバージョン)楽譜に近い演奏でした。ただ、カデンツでは最

高音Aが頻繁に響いておりました。

 

マイヤーの音色は非常に不思議です。バックのオーケストラのオーボエ奏者

はヴィンナ・オーボエを使用していました。そのヴィンナ・オーボエは従来

の響きよりふっくらしており、線の細さは感じられませんでした。マイヤー

の音色はそのヴィンナ・オーボエに似ているのです。決して太い音ではあり

ません。どちらかというと細いかな、と思う部分もあったくらいです。ただ、

響きはものすごく太い。普通、オーボエがよく響く時はブリリアントで柔ら

かく明るい場合が多いのです。彼の響きはフォルテでもピアノでも常に太く

暗めです。私が感じる彼のイメージの音は、もちろん音色は違いますが、音

の響きの感じがサックスに似ていいるような気がします。ついでにパッシン

のオーボエは、オーボエダモーレの響きそっくりだと思います。

 

先日、電話でキールの日本人オーボエ奏者、西浦さんとお話しすることがあ

りました。その時にクランポンの楽器の話が出たのですが、彼曰く、「音程

感覚、響きのツボがマリゴとは全然違い、だから吹奏感が全然違う。」とお

っしゃっておられました。私はまだクランポンの楽器を試奏したことがない

ので個人的に意見を申し上げられません。きっとこれが楽器の特徴であり、

マイヤーはこの楽器の性能を12分に引き出しているのかもしれません。日

本でもグリーンライン・オーボエの愛好者はたくさんいらっしゃると思いま

す。響きは暗く、太く、柔らかですか?

 

 

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■ ダイムラー・クライスラー                    

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ダイムラー・クライスラー社が14日、ドイツ時間で午後2時に記者会見を

行いました。内容は数ヶ月前から赤字続きのクライスラー部門の見直しを検

討すると発表されていたので、クライスラー部門売却に関する事であること

は噂されていました。その記者会見を興味があったのでテレビをつけて見て

おりました。ドイツの会社が普通報道関係に発表する時はドイツ語を使いま

す。この日の発表は全て英語で行われていました。テレビではドイツ語の同

時通訳がついておりました。この会社、役員会も英語で行われるそうです。

 

三菱自動車も手放し、クライスラーも売却し、世界の自動車会社の夢は失敗

に終わりました。こんなに国際的に対応している会社でも国際間の文化の差

は大きかったようです。

 

日本にも5月から外国からの資本が入る可能性が三角合併解禁により高くな

っています。言語だけでなく、お互いの国の文化、国民性、体質など、克服

しないといけない問題が企業間の結婚ではいたるところに出てくると思いま

す。資本が大きくなれば企業体質が強くなる、というわけには行かない良い

例だったと思います。

 



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