バックナンバー:117 2007/3/15


読者の皆様、

 

お元気お過ごしでしょうか?

 

東ドイツでは日中20度を記録したようです。北海に近い北ドイツ地方はま

だ日中14度くらいですが、太陽のひざしが暖かで気持ちがいい日々が続い

ております。

 

来週の月曜日、火曜日とオーケストラの定期演奏会があり、未完成交響曲が

プログラムに組まれております。2楽章の長い長いソロで、息継ぎをするか

しないか、迷う所ですが、今回は息継ぎ無しで挑戦してみようと思っていま

す。メインの曲はチャイコフスキーの「悲愴」です。この曲はオーボエにと

っては取り立てて難しい部分もなく、音楽を楽しんでいれば良いのですが、

ファゴットはいきなりソロがあり、また消えるようなクラリネットのソロを

受け継ぐ部分があり、「大変そうだな〜、オーボエにこんなパッセージがな

くて良かった」と内心にやり!としております。

 

来シーズンのプログラムがそろそろ発表される時期なのですが、最初の定期

にはブラームスのヴァイオリン協奏曲がありました。2008年がブラーム

スの年なのに、なにも夏休み明けに組まなくても・・・・・。

 

 

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■ CDご紹介 Diana Doherty          

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以前のメールマガジンで、ドラティ作曲のオーボエとピアノの為のディオ・

コンチェルタンテを聞いた事を書きました。この曲はホリガーの為に書かれ

た曲です。従ってホリガーの昔のレコード録音があるのですが、どうもCD

になっていないようで発見できませんでした。

 

今日ご紹介するのは、オーストラリアの女性オーボエ奏者、ダイアナ・ドハ

ーティ(と発音するのでしょうか?)です。彼女はシドニー・シンフォニー

・オーケストラの主席ソロオーボエ奏者です。

 

積極的な音楽表現と素晴らしいテクニックで音楽を楽しませてくれます。

 

BLUES FOR D.D.

Blues for D.D. - Jeffrey AGRELL

Sonata - Daniel SCHNYDER

Serenade - Andre JOLIVET

Yananda/Ulpirra - Ross EDWARDS

Five pieces for oboe/Duo concertante - Antal DORATI

 Diana Doherty (oboe)

David Korevaar (piano)

Recorded 1999

 ABC CLASSICS 465 782 - 2 [74.18]

 

http://www.musicweb-international.com/classrev/2001/Nov01/Blues_for_DD.htm

http://www.buywell.com/cgi-bin/buywellic2/00774

 

 

このCDをインターネットで探していたらちょっと面白いサイトがありまし

た。有名・無名のオーボエ奏者が録音付きでリストアップされています。

http://www.oboistgallery.8m.net/

 

 

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■ CO2

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今年に入ってからのドイツとヨーロッパの政治の動きですが、積極的に環境問

題について取り組んでいる姿勢が見受けられます。排気ガス規制を強化して、

規定値に達していない車を市内に乗り入れ禁止にするとか、フィルターの着い

ていない排気管には税金を高くするとか、また逆にフィルターが着いている車

に関しては税金の控除をするなどが消費者に対するテーマです。また、自動車

産業に対しては燃費をよくする努力を促しています。現在行われているジュネ

ーブでのモーターショー「アオトー・サロン・ジュネーブ」では、ダイムラー

ベンツ、フォルクスワーゲンなどが次々に2009年までにハイブリットエン

ジン搭載車を生産することを発表しています。

http://www.salon-auto.ch/de/

http://www.automobilsport.com/auto-salon-genf--358.html

 

またエネルギー関係では、ソラー発電、風力発電をさらに促進させる事を政治

的に進める事で一致しています。

 

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■ 北ドイツ旅行記2ーハンブルク概略      

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北ドイツに尋ねてきて頂いた知人を案内して、ブレーマーハーフェン、ブレー

メン、リューベック、ハンブルクと観光で回りました。普段、住んでいる町、

仕事や買い物では行くけれど観光した事のなかった都市をめぐり歩きました。

今回からこの旅行で見た所を少しづつご紹介してまいります。旅行ガイドにあ

ることない事、私の主観を交えていろいろ書いて見たいと思います。

 

http://www.google.com/search?hl=en&q=%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%AF

 

http://www.hamburg.de/

 

ハンブルクでの観光は残念ながら見るところが多くありません。第二次世界大

戦で徹底的に連合軍に爆撃され、ほぼ跡形も無く焼け野原と化してしまいまし

た。そういう訳で名所旧跡という物が少ないです。戦後建てなおされた市庁舎、

教会が観光スポットになっています。

 

ハンブルクはブレーマーハーフェンと並んでドイツ1,2を争う大きな港を持

っており、海運の重要な拠点です。港が在るところ女あり。船の名前は女性の

名前を付けることが多いのです。そして観光スポットといえば、オランダのア

ムステルダムの飾り窓に匹敵する歓楽地帯があります。この地帯をレーパーバ

ーンといいますが、実はこの場所は庶民芸術の発祥の地でもあります。ストリ

ップ劇場だけでなく、現在でも小さな劇場が散在しています。

http://www.reeperbahn-hamburg.com/

http://www.reeperbahn-hamburg.de/

 

市の中心部にアルツター湖という湖があります。鉄道を挟んで大きな湖と小さ

な湖に分かれています。大きい方が外アルツター湖、小さい方が内アルツター

湖と名づけられています。市庁舎に近い方が内アルツター湖で、買い物客が賑

わう場所に湖があり、独特の雰囲気があります。湖畔にアルツター・パビリオ

ンというカフェーがあり、そこで疲れた脚を休めながら、コーヒーでも飲んで

みてください。

 

ハンブルクのオペラ座は市民の為のオペラ座としてはドイツで一番最初にでき

た、ということです。ゲンゼマルクトにあったその建物は現在はありません。

歴代の指揮者はマーラー、ハンス・ヴォン・ビューローなど、著名な人が活躍

した歌劇場です。

http://www.hamburgische-staatsoper.de/

 

ハンブルク出身のブラームスにちなむ博物館がありますが、閉まっている時間

の方が長く、ツーリストとしてハンブルクを訪れた人がこの博物館に入館でき

たら相当運が強い、といえます。この博物館ですが、建物にブラームスが住ん

でいた、という事ではないのです。また生家ということでもありません。ハン

ブルク出身のブラームスを記念して少し文献を展示している、に過ぎない、が

っかり博物館、と言われています。

 

ハンブルクのコンサートホールとしては旧ムジーク・ハレ、現在は名前を変え

てレイツ・ハレ(Laeiszhalle)が有名です。北ドイツ放送交響楽団の本拠地で

もあります。大・小2つのホールがあり、両方とも良い響きです。

http://www.laeiszhalle.de/data/home/index.php

 

このハンブルクにもう一つコンサートホールを建てようという計画が進んでい

ます。ミュンヘンにもケルンにもフィルハーモニーが建てられ、同じような感

じのコンサートホールを建設する準備が進められております。場所はエルベ川

に沿った場所で、支流の川に挟まれた島です。現在同じ感じのビルが何軒か建

っています。ホールはこのビルを壊さずにその上にすっぽり載せるようにして

建てられます。名づけてエルベ・フィルハーモニーといいます。船のような外

見は非常に面白いです。

http://www.elbphilharmonie.de/

 

 

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■ 世界中で一番歌われている曲は?          

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「血しおしたたる主のみかしら」(O Haupt voll Blut und Liedern)という

賛美歌があります。作曲はハンス・レオ・へスラーという人です。この詩を書

いたパウル・ゲルハルト(Paul Gerhardt)は今から400年目の3月12日

に生まれました。バロック時代の詩人であり宗教家であった彼は非常に沢山の

作品を残しているそうです。その彼を記念して切手が3月1日に発売されまし

た。

http://philatelie.deutschepost.de/philatelie/art/informationen/jahrgaenge/07/ph070305_max.jpg

 

オーボエ四重奏でこの「血しおしたたる主のみかしら」をテーマにし、対位法

で書かれた曲があります。バロック時代の作曲家ヤニチの作品です。なかなか

美しい曲ですよ!

 

 


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