バックナンバー:116 2007/3/1


読者の皆様、

 

お元気お過ごしでしょうか?

 

我が家の庭は雪割り草、クロッカスで花盛り。ミラベラという食べられる実

ができる木にも小さな白い花が咲き始めています。

 

先週、北ドイツにはるばる日本から尋ねてきてくれた知人をご案内して、ブ

レーマーハーフェン、ブレーメン、リューベック、ハンブルクと観光で回り

ました。普段、住んでいる町、仕事や買い物では行くけれど観光した事のな

かった都市をめぐり歩きました。今回からこの旅行で見た所を少しづつご紹

介してまいります。旅行ガイドにあることない事、私の主観を交えていろい

ろ書いて見たいと思います。

 

 

--------------------------------------------------------------------------

■ 北ドイツ旅行記1ー世界三大がっかり   

--------------------------------------------------------------------------

 

皆さんは世界三大がっかりをご存知ですか?

 

1.ブリュッセルにあるしょんべん小僧

2.コペンハーゲンにあるマーメイド像

3.ブレーメンにある音楽隊の像

 

誰が言い出したかしりませんが、(私の主観ではありません)実際そのとお

りで、ご覧になれば納得して頂けると思います。

 

このメールマガジン読者の方で、去年、フジテレビの「めざまし地球紀行〜

メルヘン街道を行く〜」をご覧になった方々はブレーメンの音楽隊の像を思

い出していただけますか? 「えっ! 忘れた?」

 

そうですか。

 

「やはり印象が薄い?」

 

実はこの音楽隊が立っている場所ですが、市庁舎や、商工会議所、ドーム、

聖母教会などが密集している歴史的景観地区です。この景観に見とれている

と、音楽隊の像は目に入りません。というよりどうしてもこの由緒在る、存

在感のあるりっぱな建造物に自然と目が釘ずけになるのです。我に返って、

音楽隊の像を探さないと、そのまま建造物に見とれていると、きっとその像

を見ることすら忘れて通り過ごしてしまいます。

 

世界三大がっかりに数えられるこのブレーメンの音楽隊の像は高さにすると

2メートル50くらいはあるかもしれません。が、台座が1メートル50く

らいあります。ですから動物の部分は1メートルくらいの小さな像です。

 

この像が目に入らない理由の一つに、この台座の高さがあると思います。も

しこの台座が無くて、地面に小さくても直接立っていたら、見つけやすいと

思います。その証拠に、ブレーメンの中央駅からこの市庁舎広場に向かって

一直線に歩いていくと歩行者天国が始まります。その入り口に、豚やいのし

しのブロンズの像が地べたに設置してあります。ここを通った人で、この像

が目に入らない人はいません。

 

台座の高さの関係で、我々の目に飛び込んでくるのは動物ではなくて、台座

です。水平から地面を見て歩けば見えるのは台座だけ、上を見上げていれば

聖母教会、という感じなのです。

 

ロバの足の部分がてかてかに光っています。そこにさわると、またブレーメ

ンを訪れる事ができる、という事で、皆さんがロバの足を触り、写真を撮り

ます。ブレーメンを始めて訪れる方、どうぞ、しっかり意識して音楽隊の像

をお探し下さい。

 

 

--------------------------------------------------------------------------

■ 裸電球の危機

--------------------------------------------------------------------------

 

オーストラリアが法律で普通の裸電球の生産をストップし、蛍光灯、或いは省

エネの電球に切り替えることを発表しました。ドイツ政府もそれに習う方向で

検討に入りました。

 

確かに新らしい技術で作られた電球はエネルギーが少なくて済むのですが、私

は今までの裸電球の方が良い部分もあると思うのです。省エネ電球で私が気に

入らないのは、つけた瞬間、ぼ〜〜としている事です。階段などで登り下りす

る時だけに使用する場所で、すぐに明るくならないで、また消してしまうなら、

ぱっ!と照らしてくれる裸電球の方が威力があります。まあ、省エネ電球で階

段が見えないことはありませんがね!

 

私の小さい頃に「ぼんくら」の事を「蛍光灯」と言って悪口を叩いていました。

これからの世代は裸電球と蛍光灯の差が分からなくなり、この悪口も通用しな

くなるかもしれませんね!

 

2月にこのニュースでAixtronという会社の株価はあれよあれよという

間に2倍になってしまいました。あとで、この会社は省エネの電球も生産して

いたのだと気がつきましたが後の祭り!

 

 

--------------------------------------------------------------------------

■ 新譜紹介 ドゥルシェツキー    オーボエ四重奏

--------------------------------------------------------------------------

 

ゲオルク・ドゥルシェツキー作曲、(Georg Druschetzky)

オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの為の四重奏 ト短調

(編集 クリスチャン・シュナイダー)

Zimmermann・Frankfurt

ZM35350

 

ドゥルシェツキーは1745年4月7日、ボヘミヤ生まれのオーボエ奏者、テ

ィンパニー奏者兼作曲家です。オーボエはドレスデンでアントニオ・ベゾッチ

に師事しています。エガー、ヴィーン、リンツ、ブラウナウ、ブダで活躍。

 

彼の作品は宗教曲、オペラ、劇の音楽、交響曲、協奏曲、室内楽と多彩です。

管楽器の為の室内楽曲は約150曲も残されているそうです。最後の就職口で

あったブダでハプスブルク家に仕えていた時に、バッハの弟子のキルンベルガ

ーに音楽理論を学んでいます。この四重奏の2楽章では、BCAHのテーマの

バリエーションが書かれているのは、その影響からだと推察されます。

 

1783年からヴィーンに移ったドゥルシェツキーですが、そこで音楽家協会

に所属しています。このヴィーンの音楽家協会の催し物で、1793年にヴェ

ントがオーボエ三重奏を発表した時に、著名な作曲家が参列していたようで、

ベートーヴェン、ブラニツキー、クロンマー(今年の夏に演奏します)、トゥ

リーベンゼー(今年の夏に演奏会します)などが影響を受け、オーボエ三重奏

を書いています。

 

編集者のシュナイダー教授はケルン音楽大学のオーボエの先生です。元デュッ

セルドルフ・シンフォニカーのソロ・オーボエ奏者で、彼の家にはオーボエの

古楽器が博物館並にたくさんあるそうです。

 

 


次のバックナンバーを読む


[バックナンバー目次]
[末政さんのメールマガジン] [本橋家トップページ]