バックナンバー:114 2007/2/1


読者の皆様、

 

お元気お過ごしでしょうか?

 

先週の一時期、急に冷え込んだドイツですが、また春に戻りつつあります。

私個人としては、0度以下の冷たい張り詰めた空気もスカッとして嫌いでは

ありません。ただ、風があると嫌ですね。オーボエ奏者にとっては適温が良

いです。楽器を急激な温度差にさらすことなく、また、仕事に行くのに、楽

器を暖める為の時間的余裕をみる必要もありませんから・・・・。

 

2月17日に読売日本交響楽団首席オーボエ奏者、辻功さんが演奏会を開か

れます。辻さんと奥様の大竹さんは私とデトモルトで御一緒に勉強した仲間

です。また、ファゴット奏者の水間さんは京都市立芸術大学の後輩で、卒業

後デトモルト音楽大学へ留学。その後ベルリンのカラヤン・アカデミーを経

てブレーマーハーフェン市立歌劇場管弦楽団に入団、つまり私の職場で御一

緒に演奏いたしました。現在はケルン放送局のソロ・ファゴット奏者として

ご活躍中です。楽しい演奏を聞かせて頂けると思います。

詳細は本文をご覧下さい。

 

 

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■ 大風吹けば桶屋が儲かる

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113号で書いた「フリッツ」が荒れ狂った後、1月18日は大嵐。名前を「

キュリル」。風速120キロから200キロ。午後から夜間にかけて吹き荒れ

ると言う事で、娘達も学校から早めに強制帰宅。ラジオ・テレビでは外に出な

いように、車は海岸、川から遠ざけ、また、木の下には停めないように、と呼

びかけるという周到さ。

 

午後雨が降り出し、時折り来る突風。車がアウトロバーンから飛ばされ畑に着

陸。イギリスの南では貨物船沈没。乗組員はフランスとイギリスの救助隊のお

かげで全員無事。事故に遭わなくても、かわいそうだったのはテレビの特派員。

特に風の強そうな北海の島にライブ実況しているアナウンサーは雨でずぶぬれ。

強風に向かって懸命に体を倒しながらマイクを持ち、そのマイクは風の雑音よ

けの為にふさふさのキャップがかけられ、お蔭で大声で叫ばないと音が入らず、

きっと翌日は高熱、のどはひりひり・・・・・ですね。(皆さんお若い方ばか

りでしたが)

 

私が末娘と、「ヴェーザー川に行って様子を見てこようか?」と相談していた

ところ、隣にいた女房殿に、「ニュースでは外へ出ない様に注意しているのに、

わざわざ川を見に行って風で吹き飛ばされ溺れ死に! は様にならない。」と

たしなめられ、見学中止。

 

ドイツ中の長距離電車が停められたのは、前代未聞だそうです。それなのに欠

航しないで飛んだ飛行機もあるようですが、どちらかと言うとこういう時には

飛びたくないですね。

 

翌日の株式市場は保険株が1パーセント落ち、建設株が5パーセント上昇。

ドイツの一流新聞「ディ・ヴェルト」にも天災は景気に良いと書いています。

でも、被害にあった方はたまらないですよね。

 

我が家ではライラックの木が傾いてしまいました。

 

1月24日は待ちに待った?冬がやってきました。南ドイツは一気に銀世界。

北ドイツは道路が凍結。事故が相次ぎました。

 

今週に入ってからはまた暖かになり、日中6度。先週の寒さで庭のクロッカス

などの花が今年はだめになるかと思われましたが、また元気を盛り返しました。

 

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■ ヴィンター・シュルス・フェルカウフ   

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今年の1月は去年の12月と比べると消費者が購入した額が著しく低下。何で

も1ヶ月の1980年以来の指数の低下だそうそうです。今年から物品税が上

がるのが分かっていたので、買う人は去年の間に先倒しして購入。そして、今

月からは物価が上がったので買い控え。両方合わせて今月の消費が大幅に低下

したわけです。ところでドイツには今頃冬物のセールが行われます。WSV(

Winter Schluss Verkauf)「ヴィンター・シュルス・

フェルカウフ」と呼ばれていますが、ショーウィンドーを見ると半額セール、

とか70パーセント引きとか表示されています。それでも買い控えるドイツ人。

シビアですね。

 

このヴィンター・シュルス・フェルカウフですが、私がドイツに来た頃はお店

が勝手に大幅な値引きをしてはいけない法律がありました。価格競争を制限す

る為ですが、その制限が年2回外される期間がありました。それが冬物を処分

する1月、と夏物を処分する8月(だったかな)。現在はその法律が緩和され、

お店はしょっちゅう日本のようにセールを行えるようになり、特にWSV、や

SSV(Sommer Schluss Verkauf)「ゾンマー・シュ

ルス・フェルカウフ」という文字が少なくなっています。

 

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■ ご質問 「モーツアルトの楽譜の無料サイトについて」   

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>いつもメールマガジン楽しみにしています。

>本年もよろしくお願いいたします。

>ちょっと教えていただきたいことがあるのですが-------

>モーツアルテウムのサイトからモーツアルトの楽譜が見られるときいたので

>すが、ドイツ語のサイトなので楽譜検索の場合、実際にどこから入っていく

>のか?

>どうやればよいのかなかなかわかりません。お手数かけますが、教えていた

>だけないでしょうか。よろしくお願いいたします。

 

http://www.nma.at/default-english.htm

 

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サイトの左側からNMA online (Newと書いてあります)へ、それから新し

いページに飛ばされ、そのページの「Ja」とか「Yes」(あなたは個人的

にこの楽譜をお使いになりますか?という質問内容です)をクリックすればす

ぐに閲覧表が出てまいります。後はお好きなところをご覧下さい。

 

軽い画像のサイトで、表示にもそんなに時間がかからないはずです。

印刷されるのであればPDFに切り替えた方がきれいです。

 

分からなければ何度もお尋ね下さい。

 

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>早速教えていただきありがとうございました。

>おかげさまで、目的の楽譜にたどり着けました・

>モーツアルト以外にもこのようなサービスがあると良いのですが

 

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楽譜ではありませんが、YouTubeで結構クラシック音楽を楽しむ事がで

きます。残念ながらオーボエは非常に少ないですが・・・・・。

 

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■ オーボエCD情報 プラ

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今年の夏に東京でまた「カペラ・ブレメンシス」の演奏会を企画しています。

そのプログラムを検討するのに買ったCDです。

 

カタログには

Johann Baptista & Josep Pla

Trios per a oboes

Rossi Piceno

 

とあっただけで、てっきりオーボエ三重奏かと思って買いました。

 

内容は、2本のオーボエと通奏低音の為の三重奏。残念ながらオーボエ三重奏

では無かったわけですが、こういう偶然が無ければ今は買わなかったCDです。

 

プラは3人の男兄弟全員が音楽家です。3人とも素晴らしいオーボエ奏者とし

て活躍。マヌエル・プラはヴァイオリン奏者兼チェンバロ奏者としてもマドリ

ッドで名声を博していました。ヨーゼフ・プラとジョアン・バプティスタ・プ

ラはドイツのヴュルテンブルク宮廷楽師として仕事をする他に、ヨーロッパ演

奏旅行をし、各地で絶賛されたようです。当時のパリの新聞は「最高のセンス

と繊細な演奏」「ムッシュ・プラはヨーロッパ最高のオーボエ奏者と言われる

にふさわしい」と書いています。

 

曲はプロフェッショナル・オーボエ奏者自身の自作自演ですから、高度なテク

ニックが要求されます。

 

CDの録音はRossi Piceno(ロッシ・ピチェーノ)というグルー

プの演奏です。このバロック・アンサンブルは2000年に結成され、200

3年のベルギーのブルージュ、2004年にイタリアのロヴェレトでのコンク

ール入賞。コンチェルト・イタリアーノ、へスペリオン21、ラ・ペッティ・

バンデ、バッハ・コレギウム・ジャパン、アンサンブル・チフィロなどの有名

なプロのバロック・アンサンブルと共演しています。

 

メンバーは、エミリアーノ・ロドルフィ、アンドレアス・ヘルム:オーボエ、

マリアン・ミーネン:チェロ、ラウル・モンカーダ:ハープシコード、そして

このCD録音の為に、松永綾子:ヴァイオリン、ヴィム・メッセーレ:テオル

ボとギター、が参加。

 

日本でも購入可能のようですが、このショップ、会員制で会員になるのに有料

です。http://www.aria-cd.com/arianew/shopping.php?pg=35/35newdom

 

ドイツのアマゾンでは日本までの郵送料は14ユーロ。このホームページでは

CDを視聴できます。

http://www.amazon.de/Trios-Per-Oboes-Rossi-Piceno/dp/B000I2IP0W

 

Rossi Piceno(ロッシ・ピチェーノ)のホームページ

http://www.earlymusic.org.uk/Performer's%20Directory/Ric-Ste/rossipicenobaroq.html

 

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■ オーボエ演奏会のお知らせ

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「辻功、水間博明、大竹淳子 トリオリサイタル」

 

ドイツで同時期に学んだ仲間が、楽しいフランス音楽のトリオを演奏!!

 

2月17日19時開演 東京のドルチェアーティストサロン

http://www.dolce.co.jp/concert_tokyo.html#trio

 

入場料:\3,500 学生\3,000

(読者特別割引 500円引き 2月10日までにメールでご連絡下さい)

contact@oboeinfo.de

 

ご予約・お問い合わせ:ドルチェ楽器 管楽器アヴェニュー東京

TEL 03-5909-1771 / e-mail tokyo@dolce.co.jp

 

 

2月19日19時開演 大阪のドルチェアーティストサロン

http://www.dolce.co.jp/concert_osaka.html#mizu

 

入場料:一般 \3,500(学生 \3,000

(読者特別割引 500円引き 2月10日までにメールでご連絡下さい)

contact@oboeinfo.de

 

ご予約・お問い合わせ:株式会社ドルチェ楽器 大阪店

TEL 06-6377-1117 / e-mail infod@dolce.co.jp

 

プログラム:

モーツァルト ディヴェルティメントKV252

マックス レーガー ロマンス

フランセ トリオ

高橋丈人 ファンタジー

ラフマニノフ プレリュード

プーランク トリオ

 

 


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