読者の皆様、
新年明けましておめでとうございます
今年も皆様方にとりまして素晴らしい年でありますように!
今年からドイツでは消費税が上がりました。16パーセントから19パーセ
ントに引き上げられ、ドイツにお住まいの方で、去年の内に買い物をされた
方もいらっしゃると思います。
今年のドイツの景気は去年ほどではないにしても悪くない、というのが大方
の経済学者の見方です。しかし車のガソリンスタンドの表示で、値段の上昇
がはっきり数字で見えますから支払う方としては財布の紐がきつくなりそう
な感じがします。
日本からヨーロッパにお見えになる方々、或いは日本から留学して学費を円
で送金して頂いている方々にとってはユーロが強く目減りが激しいようです。
去年の日銀の外貨保有でのユーロの割合が30パーセントになっていた、と
いう事で関係者を驚かせているようです。今まで20パーセントを越えたこ
とは無かったようで、円がユーロに対して弱くなったのは、日銀のドルから
ユーロへのシフトの影響もあるのでは・・・。
今年もメールマガジン「オーボエ・フレンド」をどうぞ宜しくお願いいたし
ます。
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■ ブルガリアとルーマニアがEU加盟国に
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1月1日からブルガリアとルーマニアがEU加盟国になりました。
その他に新しい動きとしてはスロヴァニアでユーロ導入されます。ユーロは発
足5周年。政治家が当時宣伝していた、EU加盟国内での流通が関税と通過の
レートが無くなることで活発になる、というのは達成されたようです。
EU加盟国に加えるかどうかで昔からもめているのがトルコです。年末でもト
ルコの加盟について討論され、キプロス島の独立承認をしていないトルコ政府
に条件として提出されました。キプロス島の半分はトルコ領で、飛行場がそこ
にあるようです。トルコはそのEUの条件に対して飛行場を開放するという処
置を昂じています。トルコはイスラム教の国です。ヨーロッパのキリスト教に
会いなじまない、地理的にもヨーロッパではないのでEUを拡大すべきではな
い、というのが反対派の意見です。
話はEUから脱線しますが、今年はイスラム圏にとっては大変重要な年になり
そうです。現在政情不安なイスラム圏といいますとパキスタンあたりから中東
、そしてアフリカまで入ります。中東問題は現在世界政治の中核をなしていま
す。ユダヤ人の国イスラエルがイスラム圏の中で孤立している中で、ユダヤの
力が強いアメリカの政治バランスに注目が集っています。イラクではサダム・
フセインが12月30日に処刑されました。どこかで戦火があがると、周囲の
国々がそこに巻き込まれ、アメリカ・イギリスを加えて第3次世界大戦、とい
うシナリオも出ています。
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■ モーツアルトの楽譜、無料ダウンロードサービス
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ザルツブルク・モーツアルテウムにあるモーツアルトの楽譜25734ページ、
と8441ページの解説を無料でダウンロードできるようになりました。
ザルツブルクのモーツアルト協会では、アフリカなどの楽譜入手不可能な所に
もインターネットで楽譜をダウンロードしてもらい親しんでもらう為の措置、
と発表しています。
モーツアルト協会は1954年以来新しい改訂版の編纂に力を注いでいました。
127巻中、既に122巻が出版されています。今回ダウンロードに公開され
た楽譜はこの新モーツアルト全集です。オーケストラの作品や室内楽はスコア
として編纂されていますのでパート譜は無いようです。
http://www.mozarteum.at.
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■ モーツアルトのピアノ作品が発見されました
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ザルツブルクの司教の図書館はモーツアルトの楽譜の宝庫だそうです。そこへ
ある人から昔の楽譜集の寄付があったそうです。ピアノの作品を集めた曲集の
中に、10歳ころのモーツアルトの作品があったそうです。ずいぶん古い楽譜
を持っている方がいらっしゃるのですねえ!
12月30日にラジオ放送でその曲を流しているのを聴きましたが、確かにモ
ーツアルトの作品としての発見は価値があると思いますが、この曲をあえて演
奏会のプログラムに加えるか、と考えると・・・・・・・?
今年のモーツアルト生誕250周年に大きなおまけがついたようです。
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■ オブセッションーNo.2
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読売日本交響楽団首席オーボエ奏者、辻功様よりお便りを頂きました。実は去
年のケルンでの記念演奏会の最後の曲、NHK収録のCORPORETION
(8本の日本の楽器と8本の西洋楽器)では、お若い時の辻さんがオーボエ、
オーボエダモーレ、イングリッシュホルンの3本持ち替えで素敵な演奏をして
おられました。
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オーボエ・フレンド111号、楽しく読ませていただきました。
オブセッションについてですが、私も少し知っている事があるので、メールし
ました。
オブセッションは、強迫観念、といったような意味で作曲したようです。篠原
さんの日本での個展で、私が演奏した時には、邦題は、『執念』というように
篠原さんご自身でつけていました。また、出版社Leducに持っていった時
に、出版社のおやじに、十六分音符は、スラーだけではなく、切った方がよい、
といわれ、作曲した時点ではスラーだけだった十六分音符を、スラーと切る形
をまぜて出版する事になったそうです。
また、Reflekionに関しては、これを第二楽章にして、一、三楽章を
新たに作曲し、三楽章形式の曲にする事も考えている、というような事もおっ
しゃっていました。これは、ぜひ私のリサイタルで実現させたいと思っていま
す。
また、今年は平尾貴四男の生誕100年記念にあたります。
記念演奏会を2007年7月22日(日)14時から東京文化会館で開催予定です。
オーボエソナタ、木管五重奏、ヴァイオリンソナタ、フルート三重奏あたりを
演奏すると思います。
読売日本交響楽団首席オーボエ奏者 辻 功