バックナンバー:110 2006/12/1


読者の皆様、

 

お元気でお過ごしでしょうか?

 

ドイツは相変わらず温暖な初冬が続いております。今度の週末からアドヴェ

ント。クリスマス前の4回目の週末が第1アドヴェント、クリスマス前3回

目の週末が第2アドヴェント、・・・・。クリスマス前の最後の週末が第4

アドヴェントを経てクリスマスを迎えます。今週はどこの街角でも、家庭で

もクリスマスの飾り付けが行われ、街は一気にクリスマス気分へと突入して

まいります。ただ、今年は全然寒くないので、今の所、景色だけクリスマス、

と感じている方が多いようです。(日中気温10度くらいです)

 

先日映画を見ました。「007 カジノ・ロワイヤル」

新しいボンドは懸命に走る、飛ぶ・・・・。兎に角動きが活発で若返ったボ

ンドの大活躍。最後の方にはイタリアのコモ湖が出てきました。ここはロッ

クフェラーの別荘があったりする世界の大金持ちが集る避暑地です。この映

画を見ていても分かるのですが、色が独特で美しい場所です。湖畔にある大

別荘のほとんどは、ふだん窓が閉ざされています。

 

最近、ロシアの元諜報員がイギリスの回転寿司屋で毒をもられて病院に担ぎ

込まれ死亡するという事件がありました。プーチン大統領の周りを探ってい

て殺されたロシア人女性ジャーナリストについて、この諜報員が調べていた

そうです。北朝鮮も日本にスパイを潜入させ大問題になっていますが、日本

のスパイ、という話は聴いた事がありませんね。

 

 

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■ フジテレビ あとがき と 裏話

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先週の23日、テレビをご覧頂いた方々、朝早くからありがとうございました。

また、多くの方々からご感想をメールで頂き、まだ見ぬ番組を想像することが

できました。

 

前々から書いておりますが、ディレクターが長時間撮影された録画テープをあ

の8分間くらいの番組に収める事は、オーボエ奏者がリードを削っている作業

のようなものです。いや、確率にするとディレクターのお仕事はオーボエ奏者

より能率が悪いかもしれませんね。カメラマンのお仕事も同様ですが、1枚の

写真を得る為に使うフィルムは3本、4本?

 

その録画テープを自由自在に駆使してディレクターがご自分のコンセプトに会

うように放送番組を作り上げるので、私としてはどのような出来になっている

のか少し心配でした。ディレクターの方が、あらかじめ永年海外でご活躍中の

日本人を尋ね、その方から元気を頂こう、というテーマで放送したい、という

趣旨が伝えられておりました。

 

皆様方のメールによりますと、そのディレクターのねらい通りの番組に仕上が

った様で非常に安心しております。

 

「ブレーメンの音楽隊、の動物の取り合わせ」

 

番組には全面カットとなりましたが農家の場面がありました。実は、事前にブ

レーメンの音楽隊の組み合わせで動物を実際に飼っている農家を探す予定にな

っておりました。知人にもお手伝い頂き探しましたが見つかりません。苦肉の

策で、犬、猫、ロバを飼っている農家へ鶏を持ってきて撮影して頂く事にいた

しました。一昔前までは、この4つの動物の取り合わせは結構あったようです。

鶏インフルエンザが発生してから、鶏を外で放し飼いをする事が法律でできな

くなり、かなりの農家が鶏を飼うのをやめてしまいました。撮影にご用意した

雄鶏は素晴らしい鶏で、りっぱなとさか、絵に描いたような美しい色をしてい

たのです。これがカットで残念でした。

 

撮影前にハノーヴァーのプロ・オーボエ奏者の松原清氏と電話でこの動物の組

み合わせについて話したのですが、彼曰く、「普通は絶対いにありえない。そ

れはブレーメン近辺の特有のお事で、だから童話にもなるのでしょう。だいた

い人間を見ていても犬を飼っている人と猫を飼っている人はタイプが違って相

容れないのが普通。」とおっしゃられ、2人で大笑いしておりました。でも、

本当にブレーメン近辺の農家では犬と猫は普通です。ドイツでも田舎では結構

この取り合わせはお目にかかります。松原氏がおっしゃるようにドイツではそ

んなに特別な事ではないのです。

 

「撮影の時の演目」

 

番組中の歌劇場でのゲネラルプローべの曲目は、バレエ「アンナ・カレーニナ」

音楽はロシア人の作曲家ロディオン・シチェドリンでした。 

 

実に残念だったのは、このフジテレビが録画した翌日のプレミエに作曲家が本

来であればブレーマーハーフェンへ来る予定だったらしいのです。その代わり

に11月26日に作曲家が奥様を連れていらっしゃいました。どちらかと言う

と奥様の方が有名なのです。バレエがお好きな方なら「えっ」と驚かれると思

います。ボリショイ・バレエの元プリマ・バレリーナのマヤ・プリセツカヤで、

どうして彼らがプレミエに来られなかったか、と申しますと、実は奥様が日本

で第18回高松宮殿下記念世界文化賞、受賞の為にご夫婦ともども日本にいら

したからでした。カメラチームがゲネプロだけでなく、プレミエの様子も撮影

したいというご意向もあったのです。もし、このプレミエにこのお2人がいら

していて、更に日本のカメラチームが入ったとなれば、ドイツの地方歌劇場と

しては、それこそおとぎ話のような話だったのですが・・・・・。

 

 

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どうして私がドイツに留学したか?

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先日、フジテレビをご覧になられた方は、テロップで流された、「どうしてド

イツに留学されたのですか?」という問いと答えをお読みになられたと思いま

す。テレビをご覧になられた方には重複いたしますが、前のメールマガジン、

「デトレフ・ヨーナス先生に思う事」で、お若い勉強途中の方々が、ご自分で

ずいぶん勉強になりそうな音楽会、講習会などを自己放棄して、チャンスを潰

しているような気がします、と書きました。テロップの原稿を書いていて、も

し、私が高校生の時に岩崎先生の演奏会を東京で聞いていなければ、ドイツも

今の自分もなかったかも、と思いました。もし、その演奏会を聞いていなくて

も、遅かれ早かれ、岩崎先生との出会いはあったと思いますが、このような留

学へのスムーズな展開にはならなかったはずです。

 

テロップ原稿(このように流れたかは不明ですが) :

 

> プロフィールを拝見したところ、末政さんは23歳の時にドイツに留学さ

> れたとのことですが、拠点は最初からブレーメンだったのでしょうか?

> 大体の年代と場所の経緯を教えていただきたいです。

 

1976年秋からドイツのデトモルトにある北西ドイツ音楽大学に留学。

1981年8月にブレーマーハーフェン歌劇場管弦楽団と契約を交わしました。

 

> ちなみになぜドイツを選ばれたのですか?

> 「オーボエの発祥」みたいな、オーボエとドイツの関係が何かあったら教え

> ていただきたいです。

 

私が音楽を勉強するのに反対であった(音楽家として生計が立てられるかどう

か心配した)父から、音楽大学に進むのに条件が出されました。それは公立の

音楽大学に進む事でした。公立で当時オーボエ科があったのは、東京藝術大学

と京都市立芸術大学の2つです。偶然にも、私が高校生の時に、東京で京都市

立芸術大学の岩崎勇先生がリサイタルをされたのです。その素晴らしい演奏会

を聞いて、この先生に就いて勉強を続けたいと思うようになりました。実際に

は両方の大学を受験し、結果的に東京がダメ(^^)で、京都が合格!

 

さて、その岩崎先生がどういう方かと申しますと、武蔵野音楽大学を卒業後京

都市交響楽団に入団。在団中に一年間休団されて、ドイツのデトモルトに留学

されたのです。当時、ドイツでオーボエを勉強するならデトモルト! と言わ

れており、教授のヘルムート・ヴィンシャーマンはオーボエ奏者、指揮者(ド

イツ・バッハゾリステンという室内楽オーケストラを指揮していました)兼、

名教師で、教えを受けてプロになった学生はたくさんおります。帰国された岩

崎先生は京都市交響楽団に戻られ、後に京都私立芸術大学の先生になられまし

た。

 

私が薫陶を受けたその岩崎先生のご推薦を受け、卒業後すぐにデトモルトにあ

る、有名なヴィンシャーマン先生がいる北西ドイツ音楽大学に入れる事になり

ました。

 

当時留学するにはドイツ(ヴィンシャーマン先生のほかには、ローター・コッ

ホ先生、ハインツ・ホリガー先生)、フランス(ピエール、ピエルロ先生、モ

ーリス。ブールグ先生)かアメリカ(ラルフ・ゴンバーク先生)あたりが主な

候補だったと思います。ただ、京都市立芸術大学に入学した時点で、すでにデ

トモルトのヴィンシャーマン先生に直結しており、他の音楽大学を検討する事

など考えてもおりませんでした。

 

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2006年 日本で見つけたオーボエ用新製品4

 「メトロノーム・チューナー」SEIKO STMX1

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帰国するといつもオーボエの専門店にご挨拶がてら新製品を探しに伺います。

 

ここ数年、帰国の度に新しいチューナーやメトロノームが出ております。1つ

の機械で両方いっぺんに測定できる機械が現在出ております。

 

前にご紹介しましたKORG社のTM−40という機種は音程を測定しながら

メトロノームをかけられる万能型でした。今回ご紹介するのは機械にはチュー

ナーとメトロノームの機能がありますが、両方いっぺんに使用する事はできま

せん。しかしクリップがついており直接楽器に付けて周りがうるさい状況でも

音程を測定する事ができます。また、練習の時に譜面台にクリップしておけば

場所も節約でき常時チューナーとメトロノームを待機させる事ができます。私

の譜面台には現在この機械がへばりついております。合奏の時にも使いたい方

向きです。合奏の時に使う必要が無い場合は先回のKorg社のメトロノーム

チューナーが断然お得ですが、置く場所の機能性としてはこの機種が勝ります。

 

この機械で一つだけ不便なのはメトロノームの設定です。ボタンを押してだん

だん早くすることができるのですが、ちょっと遅くしたい時にほぼ1周させな

いといけません。これはちょっと面倒で練習する気持ちをそがれます。

 

もし、この読者の中にフルートの方がいらっしゃいましたら、この機種はフル

ートには不向きです。クリップで楽器に取り付けてもあまりにも近すぎ、目が

寄ってしまいます。

 

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