バックナンバー:105 2006/9/15


読者の皆様、

 

お元気でお過ごしでしょうか?

 

本日はやっと15日以内に間に合うぎりぎりセーフの配信となりました。昨日

はブレーメン音楽祭の催し物の内、シンフォニーコンサートに行って帰りが遅

くなり、本日は朝から歌劇「カルメン」の練習でした。

 

ブレーマーハーフェンの歌劇場の本番の仕事始めは明後日の日曜日、ガラコン

サートで始まります。1曲目は歌劇「売られた花嫁」序曲。先シーズンのよう

に「絹のはしご」序曲よりはましですね。ご存知の方も多いと思いますが、ス

メタナ作曲歌劇「売られた花嫁」序曲は弦楽器、木管楽器の入団試験に出る課

題の1つです。タンギングの速さと指の動きの正確さが要求される、いや〜な

曲ですね。

 

9月23日には歌劇「カルメン」のプレミエ。その後、シンフォニーコンサー

ト、バレー曲で「アンナ・カレーニナ」、ミュージカル「マイフェア・レディ

ー」と続きます。

 

現在のドイツの天気は快晴続き。スカッと晴れて、気温は23度前後。昨日は

28度くらいあたようです。ドイツ人たちは秋の庭仕事に励んでいますが、私

は24日に企画した歌劇場管弦楽団勤続25周年記念室内楽演奏会のコンディ

ション作りの為、庭仕事はおあずけです。24日以降もしっかり天気が続いて

くれると庭仕事も楽しいのですが・・・・・。

 

 

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国際コンクール パリ 2007年3月

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パリの国際オーボエコンクールが2007年3月に開かれます。

詳しいことは下記のホームページをご覧下さい。

http://int.comp.paris.va.free.fr/cello-francais.html

 

1rst round :

Giovanni Benedetto PLATTI :

   Sonate en do mineur (Editions H.Hofen-Amsterdam)

François DEVIENNE :

   Sonate (Editions Egge Verlag-D.56072 Koblenz)

Maurice OHANA :

   Sarc (Editions Billaudot)

Gilbert AMY :

   Jeux (oboe solo, maximum 4) (Editions Universal UE14988)

 

 

finals:

Jean-Louis PETIT :

   Sonatine pour hautbois (Editions Armiane)

PROVER :

   3ème Sonate (Editions  IMD-Arpège)

Richard STRAUSS:

   Concerto (1er mouvement) (Editions  Boosey)

   

Jury:

Jacques VANDEVILLE, David WALTER, Laszlo HADADY,

Jean-Marie COTTET, Jean-Louis PETIT

 

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■ 今が旬 Pilz(きのこ)

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日本でも秋は松茸のシーズンですね。ドイツには松茸はありませんが、今の時

期ですと森に行くと沢山のきのこの種類があります。ドイツ人はかごと本を片

手に森に行ききのこ狩りをします。そんなのはおっかない、「笑いタケ」や

「毒キノコ」を食べたくない、とおっしゃる方はスーパーマーケットか朝市で

お買い下さい。

 

現在おいしいキノコは、SteinpilzPfefferlingeという種類のキノコです。

 

Steinpilz(シュタインピルツ)は松茸くらいの大きさで割合香りも良いです。

スパゲッティのソースに加えておいしく頂けます。

 

Pfefferlinge(フェッファーリンゲ)はクリームスープにしたり、魚料理のソ

ースによく見かけます。

 

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■ 交通規則 自転車      

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自転車はドイツでも免許が要りません。しかし規則があり、それに反すると罰

金があります。地方によって多少ルールが違います。例えば私の住んでいるブ

レーマーハーフェンでは、自転車は右側通行です。ところが北のお隣の町、ニ

ーダーザクセン州のランゲンでは左側通行も許されます。ですから、これから

ご紹介する例はドイツのどの州でも通用するとは限りませんが、だいたい同じ

ような規則は存在します。

 

罰金5ユーロ

●歩道を走る(降りて押すのであればOK)

●手放し運転

●自動車、バイクに掴まって走る

 

罰金10ユーロ

●歩道を走り他の人に迷惑をかける

●他人の所有地を勝手に走る

●歩行者天国での走行

●ウォークマンなどで聞きながら走る

●反射板、ベルをつけていない。(反射板とはタイヤ、ペダル、後尾につける

べきであるプラスチックでライトが当たると反射する物=Reflektor)

 

罰金15ユーロ

●一方通行を反対向きに走る

●他人の所有地、歩行者天国を走り他人に迷惑をかける

●進入禁止を無視

●自転車道路があるにもかかわらず別の場所を走る

 

罰金20ユーロ

●歩道を走り他人を危険にさらした

●他人の所有地、歩行者天国を走り他人を危険にさらした

●進入禁止を無視し他人を危険にさらした

●自転車道路を反対向きに走り他人を危険にさらした

 

罰金25ユーロ

●赤信号無視

●走行中、携帯を使用

 

罰金30ユーロ

●進入禁止を無視し、事故を誘発

●自転車道路は反対方向にはしり事故を誘発

 

罰金62,50ユーロ以上+1ポイント

●赤信号を無視し、他人を危険にさらす

 

最後のポイントですが、交通規則反則者を集計している場所があります。そこ

へ登録される、ということです。

 

このほかに酔っ払い運転すると車の免許が吹っ飛ぶ、という話も聞いたことが

ありますが、これはこのリストにはありませんでした。リストには載っていま

せんが、暗くなってライトをつけていないとやはり罰金が科せられます。但し

ライトを装備している必要はありません。子供が日中しか自転車に乗らない、

という場合、ライトを装備していなくても規則違反にはなりません。

 

昔デトモルトの音楽大学に勉強に来た学生で、16歳の女の子がいました。現

地の普通の学校に通いながら音楽の勉強をフルートのマイゼン教授の元で学ん

でいらしたのですが、歩行者天国で自転車に乗っているところをおまわりさん

に捕まり罰金。ところがこの少女をあずかっていた大家さんが(デトモルトの

名士)警察に乗り込んで、「内で預かっている大事な日本人の少女から罰金を

取るとは、」と文句をつけ、見事罰金を取り返してきた、という事がありまし

た。

 

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質問コーナー リードの厚さ(重さ)は?

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>先生が夏に浜松でのクリニックで受講生のためにかなり軽くしてくださった

>リードことなのですが、教えていただきたいことがあります。

 

>先生の自由度が高く、かつあの甘い音色は、あのくらいのリードでも可能な

>のでしょうか? 

 

>私の自作リードもあのリードと同じくらい軽いのですが、薄い音にはなりま

>せん。受講生のために軽くされたということですので、本当は(自由度を失

>わない範囲で)もう少し厚いリードの方がよいのでしょうか?

 

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まず、オーボエのリードの重い軽いは実際の厚みとは違い、吹奏感が重いか、

軽いかという表現です。吹奏感には個人差があり、私には重いリードでも別の

奏者にとっては軽い、という事も、またその逆も起こり得ます。

 

結論ですが、本当はもっと軽い方が良いと思っております。

 

生徒さんにお分けしたリードは私自身にはひょっとするとご指摘のように軽す

ぎるかもしれません。人それぞれですから、お渡ししたリードもそれぞれ重さ

が違います。ご用意したリードを吹いて頂き、その方に合わせながら徐徐に軽

くしていきました。ほとんどそのままで良かった方、少し軽くした方、かなり

軽くした方、いろいろでした。ご用意したリードで軽々と演奏なさった方はい

らっしゃらなかったですね。

 

もっと時間があって、その方のお持ちのリードと重さを比較しながら調整すれ

ばもっと違った感じになると思います。

 

今回の調整は、音を出すのに重過ぎないように、無理しない様に、という事を

基準にリードを少しづつ軽くしていきました。ひょっとするともっと軽い方が

その生徒さんに合っている可能性は充分あります。というより、きっともっと

軽い方が楽々演奏できると思います。(今回の調整は重過ぎない方向性への限

界点で調整しました)

 

 

 

私の理想はどちらかというと「音」ではありません。「響き」です。響きを出

すには重いリードでは絶対に出せません。軽ければ軽いほど良いわけで、音色

が明るすぎず、薄くなりすぎないぎりぎりの程度まで軽くしたいです。(軽い

方向への限界点を探る)

 

本当はすこし軽くしすぎたリードを元に戻す事が可能であれば、良いリードを

たくさん作ることができます。でもそれができないところに難しさがあります。

ちょっと削りすぎて、「ああ、やめておけば良かった」と言うことはしばしば

あります。

 

負担が大きいリードではソロ・リサイタルやアンサンブルの演奏会で吹き続け

ることは私には不可能です。1曲も吹ききれないほど重いリードをお使いの方

は自分に合ったリードの重さ、というものを考え直された方が良いと思います。

 

ご質問の意味ですが、ひょっとして軽すぎるのでは、と思われた原因が推察さ

れます。リードを水に浸し、適度に湿らせた後、リードの開きを押さえる為に

指で軽く先端をはさみます。その時に強くはさみすぎて開きが無くなったか、

腰までつぶされてリードがぺしゃんこになってしまえば軽すぎる、という状況

になるかもしれません。そういう場合は円やかな音、というよりは浅い音にな

ってしまいます。

 

一度つぶされたリードの開きを元に戻すのは難しいのですが、ライターの火で

リードの元の部分(パイプに近い方)半分くらいまでを軽くあぶり、指でもう

一度張りを与えてみてください。或いは針金を巻く、という方法もございます。

 

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>ありがとうございます。正に、その点を知りたかったのです。

>ご指摘いただき、振り返ってみれば、私のリードは開きが狭いので、何も考

>えずに当然のごとく同じ開きにしていたことに思い当たりました。

 

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先の開きは奏者の好みで広かったり狭かったりしても良いと思います。その先

端の開きの調整において先端だけでなく中央まで開きが狭くなると吹きやすく

はなるかもしれませんが音色に物足りなさを感じますので注意が必要です。

 

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2006年 日本で見つけたオーボエ用新製品2 楽器サポート

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帰国するといつもオーボエの専門店にご挨拶がてら新製品を探しに伺います。

 

オーボエを長時間演奏していると親指がつらくなることがよくあります。ひど

い時には右手腱鞘炎を引き起こします。

 

楽器の重量を軽減するのに今までですとオーボエをストラップでつる方法があ

りました。別の方法として、楽器の指支えの部分を改良し、支えを親指だけの

負担にしないで、右手に分散していらっしゃる方もいます。

 

今回ご紹介するのは座って演奏する時に使える楽器サポートです。

 

この支えの棒の先を楽器の親指の支えのリングにはめ込みます。支えにリンク

の無い楽器はストラップ同様使用できません。支えの棒は下の先端を椅子の座

る部分両脚の間に立てます。後は長さを調整して楽器のバランスを取るだけで

す。この支えの棒を着けっ放しで楽器立てにオーボエを立てることも可能です。

 

ストラップですと楽器の角度でリードが唇に当たり方が変わり、ある程度慣れ

が必要なのに対し、この支えの棒は案外簡単になじむことができます。

 

少々お値段が張りますが、腱鞘炎を抱えて演奏することを考えると、対策にな

ると思います。

 

写真は私のホームページをご覧下さい。

http://home.tiscali.de/oboeninfo/komonojp.htm

 

この楽器サポートはJDRで取り扱っております。実際にお試しになりたい方

はお店に在庫があるかどうかご確認後来店されることをお勧めいたします。

http://www.jdri.jp/index.html

 

 


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