読者の皆様、
お元気でお過ごしでしょうか?
ドイツは春を一気に通り越して夏の気候です。周りのドイツ人たちは口を揃え
て「今は夏だ!今のうちに謳歌せねば、いつまた冬になるか・・・・」
最近の最高気温は30度くらいです。30度では私は海水浴をする気にもなれ
ない温度ですが、彼らには非常に熱いのです。この最高気温は日中の温度です。
ドイツで日本の熱帯夜みたいなことになったら、ドイツ人、いったい何て言う
のだろう?
ドイツの夏は日中が暑くても朝晩は非常に涼しいです。朝、出かける時は軽い
コートを着て出ます。そして、日中は半袖や袖なしの格好です。お年寄りの方
は日中の暑いときでもしっかりコートを着込んでいるのを良く見かけます。彼
らとっては体が気温に対応しにくくなっているので、寒さよけと暑さよけの一
石二鳥のいでたちです。
この春と夏が一緒になったお蔭で、天気が良いのにアレルギーに悩まされてい
る人が例年より多いようです。薬局にはたくさんの方が、飲み薬とか目薬、鼻
のスプレーとかを買いに来ているそうです。
日本では報道されているピンポンの世界選手権大会はドイツのブレーメンで行
われているらしいです。地元の新聞のスポーツ欄でもテレビのニュースでもま
ったく報道されていないのは、きっとドイツ選手が弱くて試合に出ていないか
らかもしれません。どういう訳か相撲は幕下から放送され、モンゴル同士の優
勝決定戦も見ることができました。これって最近の出来事ですか?(まるで日
本音痴!)
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■ 演奏会のお知らせ
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今年の歌劇場の夏休みに日本に帰国し室内演奏会を開きます。
今回のコンサートは私が主催しておりますが、オーボエだけでなく、フルート、
ファゴット、コントラバス、またチェンバロにご興味をお持ちの方にも是非聞
いていただいコンサートです。
フルートの酒井秀明君のことは今更申し上げることもないくらい有名です。私
と彼はデトモルト音楽大学時代に一緒に勉強をした仲間です。演奏会では演奏
だけではなく、少しおしゃべりもする予定です。酒井先生!の当時の逸話をば
らします。(^^)
ファゴットの土山さんは、若手で非常にファイトのある、音楽的にも優秀な方
です。去年の夏に私のメールマガジンでご紹介いたしましたオーボエの演奏会
(山本啓太、本間郁子)でファゴットパートを担当されていらっしゃいました。
そのみごとな演奏をお聞きし、今回の演奏会に参加して頂きました。管楽器の
アンサンブルでファゴットが登場するのはバスとしての役割が普通です。とこ
ろが今回のプログラムのバスパートはコントラバスがおり、ファゴットにはソ
ロ楽器としてご活躍いただきます。音域が高くファゴットにとって非常に難し
いプログラムなのですが、きっと心に響く演奏をしてくれると期待しています。
コントラバスの森園さんとは今回が初顔合わせです。堀川高校の御出身です。
堀川高校の音楽コースは関西ではトップクラスの音楽高校で、ここからは森園
さん以外にも大変な逸材が出ています。今から彼と御一緒にアンサンブルをす
るのが楽しみです。
チェンバロに関しては最近までピアノの方が弾かれていました。もちろんピア
ニストでもチェンバロの演奏はできるのですが、ピアノとチェンバロは本来違
う楽器です。楽器が違うので表現方法が違います。古楽器が流行してきたので、
チェンバロにご興味をお持ちの方は増えてきていると思います。そんな方々に
も楽しんでいただける演奏会です。
皆様のご来聴をお待ち申し上げております!
演奏会の詳細はホームページをご覧下さい。
http://www.oboeinfo.de/
今回のメールマガジンは100号です。その記念も込めて、メールマガジンと
ホームページをご覧になってこの演奏会のチケットをお申し込みになる、先着
50名様に、今年発行のドイツか、オーストリアのモーツアルト記念切手を1
枚プレゼントいたします。(チケット1枚につき切手1枚)
どちらの切手がついてくるかは運ですね!
日時 7月14日 19時開演
場所 かなっくホール(東神奈川駅より徒歩3分)
http://kanack-hall.jp/
出演 末政圭志(オーボエ)、酒井秀明(フルート)土山美紀(ファゴット)
森園康一(コントラバス)、末政由美子(チェンバロ)
プログラム ビバルディ、スカルラッティ、テレマン、レクレア、門田、ヤニ
チの室内楽曲
入場料 4000円
お問い合わせ 増本博子
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■ メルケル首相2回目のアメリカ訪問
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イタリアの首相が交代。イギリスのブレア首相も国内選挙で党が敗退し、与党
継続が弱まっている中、新ドイツ女性首相メルケルが今の所EUの安定したパ
ートナーという立場でアメリカのブッシュ大統領との2回目の訪問を行いまし
た。訪問はイラン問題を主流にドイツ製品の売り込み。ドイツの経団連のお偉
方を引き連れてアメリカとの企業間の提携をうながすものです。
既にアメリカ資本がドイツ・テレコム社に参加することが決まっていましたが、
同じようにこれから強くなると予想されているユーロ圏への投資をドイツへも
ってきて頂こうという宣伝です。
イラン問題は政治的解決を強く主張し、戦争を回避しようというメルケル首相
の提案に対し、信用できるかどうかは別として、一応ブッシュ大統領もそれに
同調した形で、アメリカの単独行動は避ける、と述べていました。世界中の石
油に対する利権が絡み合い、アメリカの単独行動を牽制できれば、原油の値段
も下がってくるものと予想されます。
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■ バイエルン・ミュンヘン優勝
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ドイツの国技?サッカー・リーグはバイエルン・ミュンヘンが今年も優勝しま
した。13日の2位決定戦はヴェアダー・ブレーメン対ハンブルクFVで行わ
れ接戦の末ベレーメンが2対1で勝ち、来シーズンのチャンピオンリーグの権
利を獲得しました。
バイエルン・ミュンヘンのミヒャエル・バラーク選手はチェルシー・ロンドン
への移籍が決まりました。ムードメーカーのバラーク選手が抜け、バイエルン
チームが少し弱くなればドイツサッカーのリーグ戦が面白くなるかも・・・?
5月17日にはヨーロッパの最優秀サッカーチームを決定する試合が行われま
す。対戦するのはFCバルセロナ対アーセナル・ロンドンです。これは面白い
試合になると思います。
あ〜あ、仕事があるな〜! ヨハン・シュトラウスのオペレッタ「こうもり」
の最終日。きっと歌劇場は空っぽです。
6月4日にデュッセルドルフで日本対マルタの親善試合が行われるそうです。
領事館を通じて、日本語補習校に通っている生徒は無料のチケットをいただけ
るそうです。交通費は自分持ち。丁度、娘達はフィングステンの連休の為、学
校は休み。日本チームの応援に出かける、と言って張り切っています。
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■ スキー旅行 グリンデルワルト その2
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4月1日から家族でスキー旅行に出かけました。目的地はグリンデルワルトで
す。グリンデルワルトはスイス中部、ウェルナーオーバーランド地方にある登
山で有名なアイガー北壁のふもとの村です。
「もうすぐ夏なのに、スキー旅行記とは!」
なんておっしゃらないでお付き合いください。今年の夏休みにスイスに行くあ
なたのお役に立てるかもしれませんから。
グリンデルワルト・パート2、をホームページにアップしました。写真を掲載
しているので、ご興味のある方はご覧下さい。(まだ最初の部分だけですが徐
徐にアップしてゆきます)
なぜまたグリンデルワルトなのか?
ヨーロッパでスキーをするのにはやはり中部アルプスに行きたいです。スイス、
オーストリア、フランス、イタリアが候補の国に上がります。ノルウェーとい
う選択もありますが、ドイツからですと飛行機で飛ぶことになりますので不便
です。南ドイツ、スロバキアなどでもスキーが出来ますがスキー場の規模が違
います。前回に家族がこのスキー場のことを大変気に入ったのも、またグリン
デルワルトを選んだ理由ですが、スイスの代表的なスキー場の中でこの時期に
比較的安く過ごせるのがここです。
今回検討したスキー場は、クロスタース(ここにもし行っていればチャールズ
に会えた)、ツェルマット、グスタード。
家族で安くスキー旅行をしようと思うと、まず、宿泊施設から探します。ユー
スホステル、も候補に上がりましたが、風呂がなくシャワーです。スポーツを
した後には、湯船にお湯を張って浸かりたい、と思うのは日本人特有の志向で
す。ホテルならサウナの施設があるホテルを絶対に選びますが、やはりホテル
はお値段が・・・・・。というわけで我々の選択はいつものように貸しアパー
ト。ドイツ語ではFerienwohnung「フェーリエン・ヴォーヌンク」
と言います。(貸しアパート、という訳が悪ければ貸し別荘でもかまいません
が、別荘というと一軒家というイメージがします。我々が借りるのは一軒の中
に4つくらいのアパートが入っている、その1つ、ということです。)
我々が借りたフェーリエン・ヴォーヌンクは居間、寝室2つ、風呂件トイレ、
台所(食器洗い機付き)、コインの洗濯機と乾燥機付き、共同乾燥室、ガレー
ジという施設内容でした。サンスターホテルのすぐ南隣にあり、町には徒歩で
行け便利は良かったです。台所には冷蔵庫、鍋、フライパン、チーズホンリュ
ウのセット、調理用具、ナイフ、フォーク、スプーン、食器は一応揃っていま
す。もし、ドイツから車でスイスへ旅行されるのであれば、調味料や野菜、飲
み物はドイツから持参した方が安く済みます。
フェーリエン・ヴォーヌンクについては前回のグリンデルワルト旅行にも書き
ましたので、私のホームページをご覧下さい。
http://home.tiscali.de/oboeninfo/jpgrindelwald.htm
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■ 12345678
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別にどうでも良いことなのですが、イギリスのバーミンガムで生まれた赤ん坊
の事です。
誕生時間1時2分、分娩時間3分(帝王切開)誕生日は4.5.06で体重が
イギリスの単位で分けが分かりませんが、7Ibと8oz=3538グラム。
9人の人が分娩室にいたかどうかは分からないそうです・・・・・。
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■ 今が旬(今年もアスパラガス)
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去年の今頃、ドイツのアスパラガスについて書きました。今年もまたアスパラ
ガスの季節です。我が家では、6月24日までの間は機会あるごとに買ってき
ては食することになります。(去年のアスパラガス談義のバックナンバー80
号と81号。丁度同じく5月15日発行のメールマガジンに書いています。)
http://homepage3.nifty.com/~motohasi/oboe/magazine/backNr07/backnr80.htm
http://homepage3.nifty.com/~motohasi/oboe/magazine/backnr08/backnr81.htm
新鮮なアスパラガスの見分け方:
1.軸の尻尾をぎゅうっと押しつぶすと汁が出てくる。汁が飛び出すようなら
非常に新鮮です。
2.アスパラガス同士をこする。キュ、キュっと音がするなら新鮮だそうです。
今度試してみます。
ゆでる時のお話ですが、実はアスパラガス専用の縦長の鍋があります。頭を上
にして縦にアスパラガスを入れます。下から加熱されますから茎の部分が頭よ
り柔らかくゆでることができます。我が家は普通の鍋でゆでておりますが、買
って試してみようかな!
家内の声:「また物が増えるのね」
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■ オーボエの中音Fがひっくり返る その6(最終回)
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読者の方から「オーボエの中音Fがひっくり返るのですが、どうしてでしょう
か? また対処法を教えて頂きたいのです。」という御質問を頂きました。
私自身、ヤマハを愛用しておりますが、Fにはリゾナンツ・キーが付いており、
弟子に買って頂いているオーボエもリゾナンツ・キーが付いている楽器を選択
している関係でしょうか、今までそのような状況に陥った事が無いので、日本
の知人・友人達、更にはメーカーの方にもお尋ねして状況と御意見を頂きまし
たので、ご紹介いたします。
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「オーボエの中音F」について色々な方々からご意見を頂戴し、皆様にご紹介
申し上げました。ご意見を頂きました方々には心より感謝いたします。
問題に実際に遭遇されている方々が、少しでもこの問題に関して解決の糸口が
つかめれば幸いです。
私が皆様のご意見を頂き、このコーナーを編集しながら感じたことを少し付け
足して「中音F」の問題の最終回にさせていただきたいと思います。
オーケストラでも仕事ばかりしていて、自分自身のコントロールを怠ると音程
の収集がつかなくなることがあります。仕事だけしていると気がつかないので
すが、そのうちに非常に吹き辛くなってきて、おかしいな、と思って家で自分
ひとりで吹いてみると、とんでもない音程で演奏していた自分に唖然、となる
ことがあります。こういう場合、コンディションを取り戻すが大変なのですが、
きっとアマチュアのバンドで演奏していて、自分のコントロール内で演奏がで
きなかった状態が続いた場合に、私と同じような症状が出てくる事は容易に想
像できます。そして決定的にコントロールしにくいのが今回のテーマとなった
「中音F」ではないでしょうか。
ブラスバンドでオーボエを演奏するのはある面で難しい部分があります。
オーケストラでは、ファースト・オーボエは木管楽器の要となり、一応、楽団
への音程に関する影響力を充分保っております。それに反してブラスバンドの
場合は、一番数が多いのがフルート、クラリネット。音量が大きいのは金管楽
器。そんな楽団の中でオーボエは少数派です。従って音量も小さく、他の楽器
に与える音程の影響力は薄いです。
楽団の音程基準というのは多数決みたいなところがありますから、影響力の大
きいパートの音程が上がったりすると、音程調整の幅の少ないオーボエ奏者は
唇を閉めつけることにより、無理に音程を上げる事を強いられる事になります。
これが、「中音Fがひっくり返る」最大の理由だと思います。
私が皆様にご提案できる解決方法は2つ。
1.全体の音程を無視し、わが道を行く。
2.想定できる高い音程についていけるリードを使用する。
提案1、は実践するのは非常に難しいです。が、私がオーケストラで普段取っ
ている方法です。以前、「チューニング」についてオーケストラでの問題点を
取り上げた事がありました。ずっと前からお読み頂いている読者の方々は、あ
あ、あれか!と思い起こしていただけるかもしれませんが、この方法が一番自
分にとっても、楽団にとっても良い方法だと思います。
確かに他のパートの音程が高く、それに合わさないのは、アンサンブルとして
困る、というご意見があると思います。しかし、音程を上げているのは他のパ
ートで、迷惑しているのはこちらです。問題点をすり返られて対処に応じない
から、と言って責められては困ります。そういう訳で、この解決法を押し通す
には、回りの理解と協力が必要条件となります。そして、何よりも指導者が徹
底的にこの楽団のピッチが上がるという状態を阻止する事に力を注いでいただ
かないと、あなたは低い音程で取り残されてしまします。経験の少ない初心者
のオーボエの方には、ご自身の音程の調整がきちんとできていないでしょうか
ら、次の方法、提案2をお勧めいたします。(ピッチとチューニングの問題に
関してはバックナンバー51号と52号をご参照ください)
http://homepage3.nifty.com/~motohasi/oboe/magazine/backNr05/backnr51.htm
http://homepage3.nifty.com/~motohasi/oboe/magazine/backNr05/backnr52.htm
提案2、は不本意ながら、妥協策です。この方法で困ることもあります。この
方法は楽団のピッチが上がる、という想定ですから、想定が崩れると自分だけ
高いピッチで取り残されます。オーケストラではピッチが下がることは時々あ
りますが、ブラスバンドでは吹けば吹くほどピッチが下がってくる、という事
は考えにくいです。ですから、皆さんに合わせながら、「中音Fがひっくり返
る」のを防ぐ処方箋にはなります。ご健闘をお祈り申し上げます(終わり)
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