27)エクササイズ−7(JDR NEWS 1991/10月)

注意:


タンギングと音の終始について


タンギングとは、リードの振動を一時的に舌によって止めたり(区切る)振動させたりする事で、舌をリードの先端の下側に当てたり離したりします。一般にタンギングは「舌突き」と訳されていますが、舌の動きは「舌離し」の方が的を得ています。
音の発生 タンギングは舌をリードに当てた状態から離す。
音の区切り リードから舌を離す。そして当てるを繰り返す。
音の終止 舌を当て振動を押さえ次の音の発生の準備をする。



発音とは舌の動き(タンギング)と息の使い方(発声)によって生み出される音のニュアンスを意味します。
発音の形は以下のように様々に変えることができます。
基本は、た行の「つ」や「と」に近い発音〜ツゥ(tu)やトゥー(too) 基本になる発音方法。
発声の緩やかな「ダ」や「ド」に近い発音〜ダー(da)やドー(doo)  柔らかい音を表現したいとき。
発声音の短い 「タ」や「ト」に近い発音 〜タッ(ta)やトッ(to)  はっきりとした音の表現に使用。
タンギングは息の使い方と密接な関係にあり、
舌はあくまで補助的な働きをします。


タンギングの方法

  1. 充分空気を吸って息を吐く瞬間にリードの先端に軽く舌を当てます。
  2. 息をリードに通過させる意思と共に舌をリードから離します。
  3. その時「ツゥ」「tu」と発音します。タンギングは息を自然に吐く瞬間に行います。
  4. 息の量とスピード(圧力)を目的に応じて安定させます。
  5. 音を止める直前に息の量を減らし、その代わりにおなかで息を支えるような気持ちで息のスピードを高めます。少しディミヌエンド(デクレッシェンド)になります。
  6. 完全な終止は、息を絞るように押さえながら舌をリードに当て終止の形を作ります。音が消えてから舌をリードに当てるような感じになります。
本橋注:
右図で、原文にはバスーンを吹いているイラストもありますが、本ページでは省略致しました。



注意
*舌で空気をダムのようにせきとめるような使い方は良くありません。
*呼吸を変えないで舌によってリードの振動を止めないことが重要です。



タンギングと音の終始の練習方法

基本のタンギングの練習

長い音も短い音も終始の形は同じで途中の音の長さが違うだけです。

出し始めをたいせつに         全音符の中間の2拍分を取り除いた形   


2分音符の中間の1拍分を取り除いた形  4分音符の中間の1/2拍分を取り除いた形 


8分音符の中間の1/4拍分を取り除いた形 16分音符の中間の1/8拍分を取り除いた形
本橋注:
原文には、上記内容に対応したバスーンでの音形も記載されていますが、本ページでは省略致しました。

特別な発音の練習

スタッカート
*ゴムボールが地面に当たる瞬間のような短く凝縮した音。
・乱暴な発音にならないように注意します。
・驚いた状態の「あっ」という感じに似ています。
ノンタンギング
*舌をリードに当てないで発音する方法。
・初めは出しやすい中音域から始めます。
・出し始めが「ずるずる」とリード音のみで音になっていない状態を作ります。
ダブルタンギング
*タンギングの間隔を短くする方法で「ツゥクツゥク」と発音します。
・「ク」の時はリードに舌が当たっていないため擬似的な発音となります。
・「ク」の発音だけを重点的に練習しますが、あくまで特別なタンギングです。

 









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