30)エクササイズ−10(JDR NEWS 1992/01月)

注意:


デイリーエクササイズ(毎日の練習 No.2)


音は基本的に音程、音量、音色の3つからなります。音を出す要素は吹き手(演奏者)、リード(チューブを含む)、楽器に分類でき、各要素の状態や性能、そして3つの組み合わせによって音色や音程が決まります。
音程 吹き手、リード、楽器が音程に関係します。
吹き手:
音程を良くするには、音を出す前に頭の中でその音程をイメージすることが大切です。なにも考えないで吹いた音はけっして良い音程にはなりません。
リード:
リードのピッチはケーンの内側の体積で決まります。(ケーンの全長、幅、先端の開きがピッチに影響します。)
リードのピッチは、楽器のピッチと同じであることが基本です。
楽器:
メーカーによって設計の基本ピッチや基本気温が違います。
音色
音色は倍音の構造で決まるといっても過言ではありません。倍音が多いほど音色は明るく柔らかくなり、アンサンブルに適しています。音はお互いの倍音の内、一つが合えば共鳴します。
吹き手:
音色は楽器やリードよりも吹き手の体格や体得した技術、そして吹き手の音色に対するイメージが大切です。
リード:
倍音の割合が音色に大きく影響しますのでクローイングで倍音の出方をチェックしてみましょう。
「ビー」=倍音は少なく暗めでおとなしい。
「ビャー」=倍音を多く発生させるので明るく華やか。
楽器:
楽器の持つ音色はベルの部分が主導権をもっています。主にベルの内径の形状が音色に大きく作用します。ベルの形状はメーカーより国民性(民族性)の方が強く反映されています。
ロングトーン
ロングトーンとはある程度長めの音で、音のバランスを整える練習方法。個々の音作りを含め、主に音色の均一、音の安定、音程の正確さ等を高めるのがロングトーンの目的です。

練習方法


基音となるA又はB♭から始めます。
4小節間ロングトーンして5小節目の頭で音をまとめます。
音量はmf。


フォルテ(f)でいろいろな音程のロングトーンを練習します。抜けない音や不安定、苦手な音の練習方法です。


ピアニシモ(pp)でロングトーンを練習します。ピアニシモの練習は、肺に充分空気が入っていないと音が不安定になります。


pp< f >pp の練習をします(音量の変化)。音量を変えると音程や音色が変わりやすくなります。

 


ff > pp の練習をします。出し始めの音が荒くならないように。最後はおなかの支えが必要です。


pp < ff の練習をします。最後が投げやりにならないように。


ブレスとロングトーンの組み合わせの練習をします。



タンギング
リードの振動を舌で区切ることで音の長さを調節することを指しています。一般にタンギングは「舌突き」と訳されていますが、舌の動きは「舌離し」のほうが的を得ています。
音の発生:
タンギングは舌をリードに当てた状態から離す。
音の区切り:
リードから舌を離すそして当てるを繰り返す。
音の終止:
舌を当て振動を押さえ次の音の発生の準備をする。

発音とは舌と息の使い方によって生み出される音のニュアンスを意味します。
タンギングは息の使い方と密接な関係にあり、舌は補助的な働きをします。

  1. 充分空気を吸って息を吐く瞬間にリードに軽く舌を当て、息をリードに通過させる意思を共に舌をリードから離します。
  2. その時「ツゥ」と発音します。タンギングは息を自然に吐く瞬間に行います。
  3. 息の量とスピード(圧力)を目的に応じて安定させます。
  4. 音を止める直前に息の量を減らし、おなかで息を支えて息のスピードを高めます。
  5. 完全な終止は、息を絞るように押さえながら舌をリードに当て終止の形を作ります。音が消えてから舌をリードに当てるような感じになります。舌で空気をせきとめるような使い方は良くありません。

発音の形は様々に変えることができます。

基本(ツゥ・tu、トゥー・too)
緩 (ダー・da、ドー ・doo)
短い(タッ・ta、トッ ・too)


練習時間

音程や音色は常に頭の中でイメージしてください。
ロングトーン 長い時間をかけて練習するのではなく一つ一つの音をよく考えて、大切に扱って下さい。 15分
タンギング 音の出始めと終わりを特に神経を使いながらじっくり取り組んで下さい。 15分



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