9)リードの作り方−9(JDR NEWS 1994/09月)

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オーボエシェーパーの種類


シェーパーの種類はストレートシェーパーと折り込み型シェーパーに分類できます。ストレートシェーパーはマシン型とハンドタイプがあり、最近はマシン型シェーパーも出回るようになりました。しかし、ハンドタイプは使用方法の難しさや精度の問題で現在はあまり使われておりません。

ストレートシェーパー ハンドタイプ

舟形ケーンの形をした2枚の金属板とそれを固定する2つのネジで出来ています。使い方は、2つのネジをゆるめ金属の隙間に湿らせたカマボコ型ケーンを入れ、ネジを締めてケーンを固定します。カッター等で金属板に添って、ケーンがはみ出している部分を切って仕上げます。その後、イーゼルでケーンの中心に折り目を付けます。



ストレートシューパー マシン型

リードメーカーやリードを量産するための機械でイーゼルが一体化されており、通常のシェーパーに比べ、約5〜10倍のスピードで舟型に加工することができます。使用方法はストレートシェーパーのハンドタイプに似ています。










折り込み型 シェーパー

ポピュラーなシェーパーでほとんどの方がこのタイプを使用しています。このシェーパーはハンドルとティップに分かれるためにサイズの異なるティップやダモーレ、イングリッシュホルンのティップも同じハンドルで使用できますので、経済的です。使用方法は先月号を参照ください。



本橋注:先月号というのは
本ホームページの「リードの作り方−8」です。





フリーハンド

これはシェーパーを使用しないでカマボコ型ケーンから舟型ケーンに加工する方法で最初に幅を寸法に合わせて削り、糸を巻き付ける部分を細くします。工具は耐水ペーパー、ナイフ、ヤスリ等を使用します。この方法は熟練を要します。







シェーパー(ティップ)のサイズ

シェーパーのサイズは、一番多く使われている折り込み型シェーパーのティップを説明します。

ティップの選び方:ティップの形は以下の要素で分類できます。

・最大幅:
ティップには数字が刻印されていますが、これは幅に関係があり、数字が大きいほど幅は大きく、倍音が多くなり低音が出しやすくなります。またピッチも低めになります。
・平行面:
平行面は長いほどリードは振動するので倍音が多くなり、暗い音色になります。また、アンサンブルにも適しています。逆に平行面が少ない場合は明るく華やかな音色になります。
・ラインの形状:
ラインは直線的と曲線的に分けることができます。直線的なラインは、音もストレートで反応が良く息がスムーズに入ります。曲線的なラインは反応が鈍く息も入りにくくなりますが、音色が柔らかく扱いやすいリードになります。
・根元の太さ:
根元の寸法は、メーカーの多くが同じような寸法です。チューブの先端の太いフランスチューブを使用する場合は短めに巻き付け、ドイツチューブを使用する場合は長めに使います。






ティップの寸法
ダモーレ、EHともハンドルはオーボエと共通です。
ロビンソンバールのティップはロレーのハンドルを使用します。

リーガー社
ドイツのメーカーで、日本では最も多くのオーボエ奏者が使用しています。基本となるタイプは2番ですが、最近は1a番も良く使われています。(ティップの差込口径4mm)
番号 1a ダモーレ EH
最大幅
7.0 7.2 7.3 7.4 7.4 8.5
平行面 短い 短い 短い 短い 中庸 長い
ライン 直線的 直線的 直線的 直線的 直線的 直線的
根元 中庸 中庸 中庸 中庸 細い 中庸
F.ロレー社
楽器と同様にシェーパーもロレー社が先駆けて開発し、1枚1枚が正確に作れるよう細心の注意を払って作られています。基本となる寸法はショートスクレープは−2番で、ロングスクレープは1番が基本です。(ティップの差込口径3mm)
番号 −1 −2 −1ダモーレ 1ダモーレ −1EH 1EH
最大幅 6.8 6.9 7.2 7.4 7.6 7.8 8.3 8.7
平行面 長い 長い 長い 長い 中庸 中庸 短い 短い
ライン 曲線的 曲線的 曲線的 曲線的 中庸 中庸 中庸 中庸
根元 中庸 中庸 中庸 中庸 太い 太い 太い 太い
ロビンソンバール社
ロングスクレープ用。ニューヨークフィルの首席オーボエ奏者ジョセフ・ロビンソン氏の設計です。
最大幅 7.0
平行面 長い
ライン 曲線的
根元 太い



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