4)リードの作り方−4
 (JDR NEWS 1991/03月、1995/07月の一部)

注意:

  1. 本NEWSの著作権はJDR(株)様に帰属します。
  2. 本ページにて掲載する事はJDR(株)様のご承認を得ております。
  3. JDR NEWSを基にして作成した本ページの著作権は本橋(私)にあります。(と思います。:本当はどうなんでしょうか?専門の方、教えて下さい)
  4. 複製、転載する事はお断り致します。   
  5. 今回の「リード作り−4」は、ほとんどが1991年3月の内容ですが、このページの最後に1995年7月の記事を追加しました。内容は「リードと吹き方、リードと楽器の相性が原因による音程修正」です。また、1995年7月の他の記事は、本紹介ページの「リードの作り方−5」とほとんど同一の内容の為、掲載予定はありません。

オーボエリードの作り方(補足編No3)

(単位はmm)

先端の処理
リードの先端の処理方法によっては、リードを削るより大きな効果を上げる事ができます。
特にリードの抵抗感や発音、音色を変えたい場合に有効です。

先端の処理は使用する道具が違うと効果も違ってきます。

*ナイフとカッティングブロック:
片側からのカットですので上下のケーンの長さと形が違ってきます。このため抵抗感が増え、発音は鈍く、音色は暗くなります。
*リードカッター(爪切り型):
両刃ですので上下の状態がほぼ同じになります。
特徴は抵抗感が多少増え、発音は鋭くなり音色は明るくなります。
*ハサミ:
リードカッターとほとんど変わりませんが上下の長さが微妙に違ってきます。
先端の断面の処理について
先端を切るとその断面の面積は大きくなり、リードが重くなったり発音が鈍くなったりします。そのような場合には耐水ペーパーを使ってその断面をなだらかにするとスムーズな発音になり、抵抗感も軽くなります。方法は平らなところに耐水ペーパー(600〜1000番)を置きリードを30〜45度傾けて引くように軽くこすります。



リードのバランス
リードは削って調節する前にバランスをチェックしてから作業にかかります。
バランスの良いリードほど扱いやすく、優れた性能を発揮します。
リードのバランスチェックには以下の方法があります。
 

*先端の開きの形で見る方法:
先端の開きの形を入口から見て判断します。
先端のラインの曲線が大きいと音や抵抗感が大きくなり、上下のケーンが並行になっていると、抵抗が小さく明るい音になります。形が菱形に近いと息の入りにくい暗い音色になります。片方が丸く、もう片方が直線に近い場合は、菱形に似た特徴になり、こもった暗い音になります。
*光にかざしてケーンのシルエットを見る方法:
リードを光に当て削った部分の陰の濃度で判断し、厚い部分ほど陰は黒く残ります。しかし、新しいリードや古いリードは陰が出にくく判断に困ることがあります。
*プラークを挟んでみる方法:
ケーンの横から見てプラークの傾きで判断し、プラークが傾いた側が薄くなっています。この方法は、プラークを入れる深さによって先端、中程等をチェックすることができます。ただし、プラークのバランスが取れていないと判断できません。





手直し(修正) 
リードは気候によって変わりますので修正が必要です。


一度完成したリードを削る場合は、微調整の範囲に留めることが大事です。削る際にはバランスチェックと実際の音で判断しながら作業に入って下さい。
注意することはリードをよく吹いて試してから判断したほうがよいでしょう。

リードを削ると抵抗が減り、明るく、鳴りやすくなりますが、削る場所によっては逆の効果が出たり、まったく予期しなかった結果になったりします。
リードを修正する場合の削る部分は、ごく限られています。修正する個所は以下のところだけに留めてください。ほかの部分はリードを駄目にする確率が高くなります。




@ 抵抗感をあまり変えないで音色を柔らかくする場合
A 息が入り過ぎるのを防ぎたい場合
B 息をもっと入るようにしたい場合(削り過ぎに特に注意が必要)
C 音色を暗くして抵抗感を増やしたい場合
D バランスを変えないで全体的に軽くしたい場合  




リードと吹き方、リードと楽器の相性が原因による音程修正

本橋注:
この項は1995/7月のNEWSの一部です。また、下図とその説明文が、画面によってはうまく並ばない様です。ご容赦願います。2つ並んだリードの図ごとに、順番に右側の「・」で示した解説文が対応します。


・Eの音程が高い場合
  → 中域を削ります。

・Eの音程が不安定な場合
  →先端をカットしてハートの部分を削ります。

・中音Fの音程が不安定な場合
  →スクレープを伸ばすか全体を薄くする。

・Fの音程が低い場合
  →全体を滑らかに凸凹を少なくします。

・中音Fシャープ、G、Gシャープが不安定で出にくい場合
  →先端をカットするか幅を狭くします。

・中音Fシャープ、G、Gシャープが高い場合
  →サイドか先端を薄くするかスクレープを伸ばします。

・中音Bフラット、Cが低い場合
  →リードを短くする。

・中音Bフラット、Cが高い場合
  →スクレープを長くする。




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      リードの作り方−5を見る


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