3)リードの作り方−3(JDR NEWS 1991/02月)

注意:

  1. 本NEWSの著作権はJDR(株)様に帰属します。
  2. 本ページにて掲載する事はJDR(株)様のご承認を得ております。
  3. JDR NEWSを基にして作成した本ページの著作権は本橋(私)にあります。(と思います。:本当はどうなんでしょうか?専門の方、教えて下さい)
  4. 複製、転載する事はお断り致します。

オーボエリードの作り方(補足編No2)

(単位はmm)

糸の巻き方
糸の巻き方は、リード作りにおいて最も重要な要素の一つです。
巻き方は以下の要素によってリードの仕上がりは変わってきます。

糸の種類   糸は太さと材質によって変わってきます。

*太さ :
太い糸は巻く手間が少なく力も入れやすいが糸と糸の隙間が大きくなるため息漏れをマニキュア等でしっかりふさぐ必要があります。細い糸はきれいに巻け、息漏れも少ないが巻きにくい。
*材質 :
絹かナイロン製が多く使われており、絹製は伸びにくいので力を必要としますがケーンがずれにくく確実に巻くことができます。ナイロン製はかなり伸びる性質を持っており、楽に巻けますが慎重に巻く必要があります。

       
巻く強さ   糸を巻く強さを加減することによってリードの性質が変わります。

*強く巻く :
反応の良いリードになりますが、チューブがつぶれますのでマンドレルを使用します。
*弱めに巻く :
最低限度の力で固定するとリードの振動がソフトになります。
*リードの先端に向かって強く巻く:
リードの先端の開きが少なくなり、ケーンの中程の体積が減り、音程が高くなります。
*リードの根元に向かって強く巻く:
リードの先端の開きが大きくなり、ケーンの中程が丸くなり、音程が低くなります。

 
 巻く位置   糸巻きで一番大事な工程です。

*リードの上下が合わさる位置とチューブの先端の関係:
上下が合わさった位置とチューブの先端が同じであることが基本ですが、先端より手前で合わさるとリードの反応が鈍くなり、ソフトな音色になります。(注意〜ドイツ製のチューブは先端のしぼりが急になっていますので止める位置によってリードの先端の開きが変わります)
*リードの上下が合わさった位置よりさらにどの程度巻くか:
基本は合わさった時点で止めますが、巻き方や季節によっては一巻き分余分に巻きます。二巻き余分に巻くとリードの張りが強くなります。(注意〜巻きすぎるといくら削っても鳴らないリードになります) 

 ← 強く巻く

  
 ← 弱めに巻く
 
 ← リードの先端に向かって強く巻く

 ← リードの根元に向かって強く巻く
 

 
リードの上下が合わさる位置とチューブの先端との関係


ドイツ製のチューブ




削り型の基本   削り方の基本は2つしかありません。

根本から先端に向かって薄くする
*リードの重さ(息の圧力)を調節します:
角度が急であればあるほど重くなり、硬い響きになります。
また、途中が厚くなると振動がみだれバランスが崩れます。

中央線上より両サイドに向かって薄くする
*リードの音色(明暗)を調節します。: 
中央線上部分と両サイドの厚さの差が大きいほど暗い音色になり、息の量が入りにくくなります。






削り型の順序  一般的な削り方の順序は以下のとおりです。

 ショートスクレープ  

@
先端をカットし
ないで開き過ぎ
ない様にサイド
と先端を削り、
数日置きます。
A
中央線と両サイドの間
を並行、または先端の
サイドに向かって粗削
りをします。
B
先端を仕上げ寸法
より1〜1.5mm長く残
してカットします。
C
プラークを挟んで 
先端を薄く削り
ます。
数回に分けて削る
と安全です。
 


D
音が出るようにな
ったらスクレープ
の根本をU字形
に整えます。
E
先端を仕上げ寸法
より0.5mm長く残し
てカットします。
F
極先端とサイドの
部分を仕上げ
ます。


ロングスクレープ

@
先端をカットしな
いで開き過ぎない
様にサイドと先端
を削り、数日置き
ます。
A
中央線と両サイドの
間をケーンの半分か
ら先端に向かって
並行に粗削りを
します。
B
先端部分を薄めに
削ります。サイドが
欠けない程度で形
をはっきりさせ
ます。
C
先端を仕上げ寸法
より1〜1.5mm長く
残してカットし
ます。



D
プラークを挟んで
先端を薄く削り
ます。
数回に分けて
削ると安全です。
E
音が出るようになっ
たらハートから下を
全体的に削って
調節します。
F
先端を仕上げ寸法
にカットして先端
を仕上げます。




      誤字脱字など気がつきましたらご連絡をお願い致します。こちらまで

      リードの作り方−4を見る


[リードの作り方−2] [JDR NEWS目次]
[本橋家トップページ]