2)リードの作り方−2(JDR NEWS 1991/01月)

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オーボエリードの作り方(補足編No.1)

(単位はmm)

ケーンについて
ケーンは直径、密度と繊維(硬さ)、乾燥度(保存年数)、ケーンの色、各要素の組み合わせに分けることができます。

直径

A( 9.0〜 9.5):
リードの開きが大きくなりやすく、ショートスクレープ向きのサイズ。
B( 9.5〜10.0):
リードの開きが中庸でショート、ロングスクレープともに使えるサイズ。
C(10.0〜10.5):
リードの開きが小さくなりやすく、ロングスクレープ向きのサイズ。

密度と繊維(硬さ)
ケーンの材質を見分ける重要な要素です。一般にきめ細かく、硬いものが良いとされていますが、個人差によって硬いケーンは逆に使いにくくなります。(硬いケーンほど作り方が難しくなります)

乾燥度(保存年数)
商品となるケーンは伐採してから2〜3年たって出荷されますが、さらに2〜5年経たケーンが一番良い状態になります。(硬いケーンが好きな方は保存年数を長くするとよいでしょう) 

ケーンの色
ケーンの色は、材質を見分ける参考になります。以下は色による違いと使い分けの方法です。

*青っぽいケーン :
まだ乾燥が足りないケーンで柔らかめ、いそいで作ってすぐ吹くことができます。
*白っぽいケーン :
きめ細かく柔らかい材質で、楽なリードを好む方やロングスクレープ向きのケーン。
*あめ色のケーン :
張りのある一番良く使われるケーン。
*茶色っぽいケーン:
硬く張りがあり、重いリードやショートスクレープの方にお勧めのケーン。
*模様のあるケーン:
模様の原因はバクテリアが繁殖した所で、ねばりのあるケーン。

各要素の組み合わせ
リードはさまざまな要素の組み合わせによって善し悪しが決まります。
大まかな要素として上記の他にケーンの厚さと、シェーピング(舟型)の形が含まれます。
この2つは、加工することでサイズが変更できます。
したがって、まず自分の好みのケーンを選んでから加工することをお勧めします。

*ケーン中央の厚さ :ケーンの厚さはこの部分を表しています。

S(ソフト 0.55〜0.58):
薄く加工されたケーンで、ショートスクレープ向きのサイズ。
M(ミディアム 0.58〜0.60):
中庸でショート、ロングスクレープ向きのサイズ。
H(ハード 0.60〜0.63):
厚く加工されたケーンで、ロングスクレープ向きのサイズ。

*サイドの厚さ    :分類はされておりませんが、削り方に大きく係わってきます。
一般に中央の厚さより0.05〜0.12ほど薄く0.45〜0.55が標準です。
(0.45〜0.48)=10mm以内の短いスクレープ向きのサイズ。
(0.48〜0.52)=中庸でショート、ロングスクレープともに使えるサイズ。
(0.52〜0.55)=サイドの張りを生かすロングスクレープ向きのサイズ。

*シェーピングの形(舟型):
先端の広い部分、ライン、根本の3つに分けることができます。
先端の広い部分:
広いほど低音が出しやすく、ピッチは下がり、全体に楽なリードになります。
ラインの部分:
三角形に近い形のラインは音色は明るくなり、並行が長いほど暗い音色になります。
根本の部分:
細いほど明確な音になりますが息が入りにくくなり、太いと柔らかい音で楽に吹く事ができます。ただし太すぎると音の立ち上がりが悪くピッチも下がってしまいます。


              


チューブ 
チューブの選択方法は、長さ、内径、入口の形、テーパーの形、材質に分類できます。
   
長さ
47mmを基本に45,46,48の4種類があります。長さは主にピッチに影響し、長くなるほどピッチが下がり、オクターブの幅が狭くなります。

内径
内径は3種類に分けることができます。独製は細目、仏製は中庸と太め、
伊、米製は太目です。チューブの内径は楽器の性能に大きく係わってきます。一般に楽器とチューブが同じ国であれば問題ありません。

入口の形
形は3種類に分けることができます。独製はやや丸、仏、伊製は中庸と楕円、米製は楕円です。入口の形によってリードの振動や倍音構成が変わり、丸に近いほど振動しにくく倍音は少なくなります。

テーパーの形
テーパーの形はオクターブの幅に影響し、テーパーが緩いと狭くなります。
(高音が下がる、低音がぶらさがらない等)。独製はテーパーが緩く、仏、米製は中庸、伊製はきつくなっています。

材質
材質はB(金色、ブラス)とNS(銀色、ニッケルシルバー)があります。Bは柔らか目で暗い音色が特徴です。一方NSは明るく輝く音色が特徴で、設計はBと同じですが金属が硬いので長持ちします。
       


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