注意:
☆ケーンの加工☆
舟形ケーンから始めます。ケーンはロレーのBMかグロタンのBMを使用します。
舟形ケーンを水に沈むまで湿らせ、ケーンの両端の表皮を削ります。
ケーンの裏側を滑らかにします(400〜600番の耐水ペーパーかスクレーパーを使用します)
ケーンの両サイドの角を軽く落とします。互いが鋭角になっていると折り合わせた際にずれるためです。ただし、落とし過ぎに注意して下さい。
ケーンを二つ折りにしてサイドがピッタリ合うように加工します。
☆チューブ☆
メーカーやサイズがいろいろありますが最初はロレーの47mmのブラスかグロタンの47mmのブラスを使います。
☆糸を巻く前の準備☆
ケーンとチューブを仮につないで全長を74mmに調整し、チューブの先端に当たるケーンの部分に印を付けます。
折り曲げたケーンがずれないようしっかりと印から折り目のほうに糸をぐるぐる巻きにします。その後、ケーンのワレを防ぐためにライターで軽く熱したマンドレルをケーンに水分を含ませながら差し込み、チューブが当たる部分を丸く形作ります。
ケーンをチューブに付けます。印がチューブの先端部分に来るようにまっすぐ差し込みます。注意することはチューブの楕円とケーンの楕円の向きを同じにすることと内皮をえぐらないことです。
チューブの底から見た図
☆糸の巻き方☆
☆削り方☆
削り方には削る長さや形によってショートタイプ(ドイツスタイル)、セミロングタイプ(フレンチスタイル)、ロングタイプ(アメリカンスタイル)に大きく分けることができます。
しかし基本は皆同じです。削る際は全体のバランスとリードの開きの大きさ、形をポイントにします。バランスとは良く振動する部分(先端やサイド)と振動を適度に押さえる部分(ハートや根本)がうまく調和していることと、ケーンの上下が同じように削られていることなどを意味します。開きの大きさは、主に糸の巻き方で決まります。力の入れ具合や、巻く位置を変えることによって開きは変わります。開きの形は、削り方によって決まりますので削り方のチェックにも役立ちます。
削り方のチェックの方法にクローイングがあります。リードを深くくわえて強く吹くと「ビャ−」という音が出ますが、この音のピッチや倍音構成でリードの性格を見極めます。
クローイングのピッチはシ♭〜ド(B〜C)が標準です。、一般的にショートスクレープのリードは低めでロングスクレープの場合は高めです。倍音構成は「ビャ−」という音が激しいほど倍音は多く、明るい派手な音になります。逆に「ピー」という音だと暗い音で詰まった感じになります。
リードは削る順序が違っただけでも同じリードは作れません。ましてやケーンの質や気候が少し変わるだけでも大きく変化します。リードを作るときには数字や外見にとらわれないでじっくり取り組んでください。
リードの試奏は、必ず仕上げてからにしましょう。吹きながら削るとどのように削ったか分からなくなってしまい、同じようなリードがコンスタントにできません。またリードにパーフェクトを望まないようにしましょう。ほとんどの場合、削り過ぎて失敗します。リードは日を置くと必ず変化しますので一気に削らないことも重要です。
☆リードのスタイル☆
(数値を参考にして自分にあったサイズを見つけて下さい)
☆ワイヤー☆
ワイヤーは巻かないほうがよい響きが得られますが、開きの調整などには大変効果的です。
☆フィッシュスキン☆
ケーンの隙間からの息漏れや開きの固定に使用します。フィッシュスキンもワイヤー同様、巻かない方が良い響きが得られます。
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