49)メンテナンス−9(JDR NEWS 1992/12月)

注意:


12月号から来年3月号まで予定を変更して皆様からご要望の多いネジ調整を中心に説明いたします。

キー調整(ネジ調整)の方法 No.1


オーボエは複雑にキーが連動しており、ちょっとした狂いが鳴りや音程に影響します。また特定の音程を変えたい場合もキーを少しひねったり、ネジをほんの30度回すだけで随分と楽器の鳴りや音程が変わります。
ネジ調整やキーをひねるのは危険を伴いますので注意事項をよく読んでからトライしてください。

注意事項
準備する工具と加工方法

(−)ドライバー

精密ドライバーの場合は#4(中)と#2(小)柄が、プラスチックの物は#0(中)。
分からない場合は先端の幅が2.5mm(中)、1.8mm(小)のものを用意します。
精密ドライバーの場合、握りが細いので10〜15mmの太さになるように糸や皮、布等を巻きつけます。
先端は楽器の調節ネジの溝の幅に合わせたものとキーを固定しているシャフトの溝に合ったものが必要です。調節ネジは0.4mm、シャフトは0.2〜0.4mmとメーカーによって違います。先端を薄くするには#4000の耐水ペーパーを平らな所においてこすってやると細くなります。



クリーニングペーパー

タンポとトーンホールの塞がり具合やキーの間の調整のチェックに使用します。
オーボエの調節ネジを30度(1/12回転)するとだいたいクリーニングペーパー1枚の厚み分だけネジが動きます。ですからネジを1回転も回すと全く音が出なくなったりします。
クリーニングペーパーは三角定規の形にハサミで切ってください。クリーニングペーパーは耐久性がありませんので沢山必要になります。


スプリングフック

スプリングフックは、キーに引っ掛かっているバネを掛けたりはずしたりする工具です。
これは市販のものをご利用ください。






ヤットコ

ヤットコにはいろいろな種類があります。楽器の調整に適しているヤットコは挟む面にギザギザがなく平らで幅が5mmほどのヤットコが良いでしょう。
もし、それに近いものが手に入らない場合は、ギザギザの面にセロテープを張って使用します。(あまり糊のべとつかないものを2枚ぐらい張りつけます)



プラスチックハンマー

ハンマーのヘッドが小さめの物がよいでしょう。VESSEL社(ベッセル)の70×1/4のプラスチックハンマーでしたら工具店で簡単に手に入ります。
柄を20cmぐらいにカットします。これは力が入りにくくするためと携帯に便利だからです。







耐水ペーパー

#400の耐水ペーパーを3mm×5cmのサイズに切って使用します。ペーパーの裏側からカッターで切ると刃が痛みません。

本橋注:3mm×5cmは「3cm×5cm」の誤りと思われます。


オイル&ティッシュ、クロス

楽器の調整にはキーを外す場合もあります。キーを外した時は必ずオイルを差してください。
その後ティッシュでキーに付いた余ったオイルを拭き取ってください。
キーの汚れはクロスで拭き取ります。




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