46)メンテナンス−6(JDR NEWS 1992/8&9月)

注意:


8月

楽器の保護と保管について


オーボエはどんなに高価な楽器も置き場所や保管方法が悪ければボディがカビたり、キーが変色したりします。
楽器にとって特に湿度は大変重要で気を付けなければなりません。湿度が高すぎるとカビやサビ、腐食の原因となり、低すぎるとボディのワレやキーが動かなくなったりします。

最近は演奏する場所については気をつけるようになってきましたが、保管場所や方法はまだ知られていません。今回は楽器の保護と保管について説明します。

オーボエの保護について

ボディをカビやワレから守る方法は、クロス等でよく拭く事と吹かない時はケースにしまう事です。この2つを守るだけで随分とカビやワレは防げます。
また、内径は白っぽく(白茶色)になったらそれはオイル切れのサインです。
ボアオイルを少量塗ってください。

キーメカニズムをサビから守るには、とにかく余計なところは触らないことです。一個所を長い時間持っているとその部分はサビやすくなります。楽器を持ち歩く時に触っている部分などに注意してください。その部部は早めに手の汚れをクロスで拭き取り、オイルをさしましょう。


本橋注:
「サビやすい部分」という事で原文の図は斜線が引いてあります。ちょっと分かりにくいので、本ページでは赤の斜線にしてみました。右図の赤の領域がそれです。「だいたいその辺」という事でご理解ください。



オーボエの保管について

オーボエは、ボディは乾燥に弱く、キーメカニズムは湿気に弱いため、極端な湿度は避けなければなりません。
そのため湿度の高い梅雨時から夏にかけては、割合と乾燥した場所に保管します。
逆に乾燥した冬場は、霧吹きなどで湿らせた布等をビニール袋に入れケースごと楽器をくるんで乾燥を防ぎます。(ビニール袋はなんでもかまいません。)





9月

楽器のトラブルを防ぐための手段


楽器が急におかしくなる場合は、急になにかを行った場合や急な環境の変化に発生します。もちろん、どこかにぶつけたり落としたりした場合も急におかしくなるのは当然です。

オーボエに急という動作は禁物です

オーボエはいきなりフォルテ(f)で吹かないでください。ワレや内径の変形につながります。

吹き始めはいつも低音域をゆっくりロングトーンします。楽器が暖まるまではオクターブキーを使った音域は避けましょう。

初めから早いパッセージで吹くことは楽器にとって百害あって一利無しです。
キーもマシーンです。アイドリングが必要です。徐々に早く動作させることがメカニズムの寿命につながります。



オーボエを持っての移動は特に危険

JDRでは今までに沢山の修理を手がけて参りましたが、ジョイント部分が折れたとか、多くのキーが折れたり曲がったりした楽器のほとんどがオーボエを持ち歩いていて転んだ場合でした。

中学、高校の吹奏楽部では右手に楽器とリードケース、左手に組み立ったままの譜面台と鉛筆、口にリードというようにフル装備でしかもカニ歩きで移動している姿を何度も目撃しています。

特に階段の下りは絶対に組み立てたままの楽器を持たないでください。この時につまずくと楽器だけでなく本人もただではすみません。
くれぐれも注意しましょう。




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