44)メンテナンス−4(JDR NEWS 1992/06月)

注意:


新品の楽器に起こりやすいトラブル


新品の楽器は、扱い方次第で故障の回数や寿命が違ってきます。また、故障と勘違いするようなキーの動きや音の抜け等もいくつかあります。オーボエは高価な楽器です。特に新品の場合、赤ちゃんに接するようにだいじに扱ってください。

楽器の組立てについて

楽器組立て時の注意

オーボエはジョイント部分に接続キーが飛び出しています。このキーは上下に重なり合うようにできていますので接続の際には気を付けてください。




慣らし期間について

楽器を吹く時間
新品の楽器は長時間続けて吹かないでください。また、吹く前には外側から手で暖めてください。
吹く時間は、毎日5〜15分程度で強い音で吹かないことがだいじです。
慣らし期間はだいたい1〜3ヶ月は最低限必要です。


気候の変化について

湿気(湿度)と楽器の関係
楽器のボディは湿気によって変化します。湿気の多い所に保管したり、練習したりするとジョイントがきつくなったり、キーのサビの原因になります。逆に乾燥している所に保管したり練習するとキーの動きが鈍くなったり、ボディが割れたりします。もちろんエアコンの前や直射日光の下では吹かないでください。


管体割れのトラブル

気温が低く乾燥している時季は特に管体割れに注意してください。ケースから取り出していきなり吹いたり寒い所では極力吹かないでください。


メカニズムについて

スプリングの強さ
JDRのスプリング調整は、初めやや強めに調整してありますが半年ほどで押さえやすくなります。

キーの動き
丁寧に作られた楽器ほど最初のキーの動きは鈍くなりますが、1ヶ月ほどでスムーズになります。ただし、ロレーは最初からスムーズでキーのガタなどがありません。





キーがわずかしか動かない
オーボエのキーの開き調整で第3オクターブキーとHキーは演奏の都合上ほんのわずかしか動かないようになっていますので故障と間違えないでください。







音について

音程 
オーボエはメーカーによって音程のくせがあります。またリードやチューブによっても音程は変わってきます。一番影響するのは、やはり吹き方です。新品の楽器の音程は、吹き手によって決まります。


音抜けと運指について
オーボエに限らず木管楽器は、キーを沢山押さえる音ほど音抜けは悪くなります。逆にキーを少ししか押さえない場合はよく鳴ります。またクロスフィンガリングといって一つ飛ばしの運指の場合(中音B♭やフォークFの音)はこもった音になります。
音抜けのむらを解消するためにはロングトーンが一番です。特に抜けない音を中心に練習が必要です。


雑音
オーボエのC#(ド#)とD(レ)は設計上、特に雑音が多くなります。C#、Dの運指の際、左手人差し指でHキーを押さえながら中央の小さなホールを開けますが、そのホールをほんの少しだけ開けるようにすると雑音は少なくなります。最近はその小さなホールを初めから小さく埋めて使用される事が多くなりました。








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