バックナンバー:463 2024/02/15


 

オーボエファンの皆様、音楽ファンの皆様、ドイツファンの皆様、

 

2月も半ばを過ぎ、ドイツでは、雪割草などが先はじめ、春の気配が感じられる

今日この頃です。皆様、お元気でお過ごしでしょうか?

 

私は、と申しますと、2月25日(11時30分開演)にデトモルト音楽大学で

行われる「ヴィンシャーマン・メモリアル」と、3月22日に行われる「アルテ・

デトモルダー室内楽コンサート」の出演の為に、日々練習とリード調整に励んで

おります。

 

「ヴィンシャーマン・メモリアル」は、かつてのヴィンシャーマン教授の弟子た

ちが集合します。要するに、公開でのヴィンシャーマン・クラスの生徒発表会(

クラッセン・フォアシュピール)みたいな催しです。学生時代は、ゼメスタ事に

開かれていたクラッセン・フォアシュピールは、現役の学生にとって、学業の成

果を発表する大事な勉強会です。今回のヴィンシャーマン・クラスのクラッセン

・フォアシュピールは、40年ぶりくらいの開催となる分けです。いうなれば、

ヴィンシャーマン・クラスの同窓会ですね。

 

【ドイツ】

日本にもお城は各地にありますね。

ドイツにもあちらこちらにお城や城塞が存在します。今日はその中でも森の中に

建っている神秘的な中世の城塞「エルツ城」をご紹介いたします。

https://www.facebook.com/watch/?v=779478587405028

 

冬真っただ中のドイツ料理のメニューに「シュペッツレ」があります。南ドイツ

のバーデンビュルテンブルクの料理と言われていますが、オーストリアでもよく

メニューに見かけます。

https://www.facebook.com/watch/?v=1274665543171865

 

ドイツの景気は良くありません。そんな中で今のショルツ政権の経済政策は最悪

です。景気の要はエネルギーです。エネルギー料金が値上がりすれば、それだけ

生産業の競争力は悪化します。ウクライナ戦争が勃発した時よりはエネルギー料

金は安定してきましたが、高止まりしています。そんな中でドイツ政府の政策は、

相変わらず電気エネルギーを中心に据えています。つまり風力発電と太陽光発電

です。海洋には巨額の投資を行い、風が吹かなければ電気を生み出せない風車を

建てまくり、建物の暖房設備のエネルギー源を電気に据える法律を通過させまし

た。この暖房施設法が、現在、新設工事に大きな影響を与えております。昨年申

請された建築物の暖房を、一から見直す必要があり、予算が狂い、多くの建築現

場がストップしております。インフレで、建材費の値上がりもあり、工事停止期

間が長くなれば、それだけで更にコストがかかりそうです。既に、ハンブルク市

内の高層ビル「エルプタワー」建設予定が、オーストリアの不動産会社「シグナ」

倒産によりストップしております。

https://www.tagesschau.de/wirtschaft/unternehmen/elbtower-signa-pleite-100.html

このニュースは、既にメールマガジンでお伝えしていますが、シグナグループの

倒産により、ドイツの大手百貨店の「ガレリア」、そのグループ管下にある「カ

デヴェ」も閉鎖に追い込まれております。カデヴェは、高級百貨店と言われてお

り、ベルリン、ミュンヘンに存在します。そしてハンブルクでは「アルツターハ

ウス」という名前で営業されておりました。

(1月30日、RBB24、ドイツ語)

https://www.rbb24.de/wirtschaft/beitrag/2024/01/kadewe-group-berlin-insolvenz-signa-holding-benko-immobilie-unklarheiten.html

(1月29日、ターゲスシャウ、ドイツ語)

https://www.tagesschau.de/wirtschaft/unternehmen/kadewe-berlin-insolvenzantrag-100.html

カデヴェ

https://www.kadewe.de/

https://www.visitberlin.de/de/kadewe

私は47年前にベルリンのカデヴェに入ったことがあります。当時はまだ東西ド

イツが分裂していた時代です。西ベルリンの目抜き通り「クアフュルステンダム」

にある高級百貨店です。閑散とした、広告もない東ベルリンとはまったく違う風

景で、その格差にも驚きます。当時私は22歳。昼食時だったのでレストランに

向かいました。いろいろなブースが、オープンに並んでおり、私は海産物のお店

の高いバーホッカーに一人で座り、生ガキと白ワインを食べたのを今でも覚えて

おります。

 

ドイツ各地でどんどん増える反右翼政党デモ

(2月4日、ターゲスシャウ、ドイツ語)

https://www.tagesschau.de/inland/gesellschaft/demos-gegen-rechtsextremismus-106.html

ドイツでは、特に旧東ドイツで票を伸ばしている極右政党AfDです。AfDは、

昨年秋にトューリンゲン州議会で政権を獲得。

https://www.tagesschau.de/inland/innenpolitik/sesselmann-adf-sonneberg-landrat-100.html

それ以来、西側でも票を伸ばし続けております。背景は、現政権の悪政に対して

国民が業を煮やした結果だと私は思います。よくAfDは、ヒットラー政権の誕

生と似ているから危険だと述べる人がおりますが、私はちょっと違う意見を持っ

ております。確かに、AfD政党は、発足時こそ極右の暴力的な団体との接点が

見られました。その極右団体も法律的に解散させられました。現在AfD党は民

主主義の国の政党として成長してる段階かと思います。イタリアの現首相のメロ

ーニにしても、ムッソリーニが作った政党からスタートしていることから、極右

首相と世間には見られ、政権の誕生時にはEU諸国から非常に警戒されておりま

した。しかし彼女の政策は特に極右ではなく、極めて民主的、且つ保守的です。

 

同じく極右政党の評判が高いフランスの首相候補ル・ペンにしても、政権を取れ

ば、私はメロー二と同じような政治を行うのではないかと思っております。

 

EU内で極めて特異な存在は、ハンガリーのオルバン首相ですが、それでも民主

主義の議会制度の中で、昔のヒットラーのような政権には成りえないと思います。

 

AfDにしても同じことで、これから若い人が政党に加わっていき、徐々に民主

主義の中での政党に成長していくことだろうと見ております。現ドイツ政権のエ

ネルギー政策、経済政策、移民政策に不満を持っている国民が、その政策に異論

を唱え、AfDに投票するのは、右翼とは関係が無いと私は思っています。しか

しヒットラーで、右翼政治団体にアレルギーを持っているドイツ国民にとっては、

大変な脅威に感じている表れとして、このデモとして表れていると思います。私

の感じでは、デモに参加している人の気持ちが、分からないこともありませんが、

ちょっと焦点が外れているのではないか、という感じです。

 

もし現政権が、極端な再エネ一辺倒の政策を貫かなければ、経済もここまで冷え

込まなかったと思います。また、ドイツ国民が支払っている税金で、難民に対す

る手厚い保護政策がある限り、難民は増え続け、更に予算が難民のために必要に

なるという悪循環を断ち切ることができません。デモの鉾先は、AfD党反対に

向くのではなく、現政権の政権に向くべきだと、私は思っております。このデモ

は、この日までに延べ20万人。ドイツ全国で繰り広げられています。デモは非

常に民主的で、暴動には発展するようなデモではありません。ドイツに存在する

ドイツの全ての政党は、AfDと連立はしない、と拒否してしまっておりますが、

それも、私はどうかな? と思っております。紆余曲折を経て、右派の政党が皆

無のドイツで、AfD党はこれからも既存政党の一つとして成長してゆく、と私

は思います。

 

新しい2つの保守政党

(2月3日、ターゲスシャウ、ドイツ語)

https://www.tagesschau.de/inland/innenpolitik/bsw-werteunion-100.html

ドイツに、2つの新しい政党が独立しました。一つは、元リンケから独立した「

サラ・ワーゲンクネヒト同盟」です。リンケ党は、元々現ショルツ政権のいる中

道左派の社会民主党SPDから離党した政党。政治理念が合わなくなったリンケ

党のリーダー、ワーゲンクネヒトがリンケからの仲間を引き連れて独立した政党

です。

ドイツで反移民の左派系新党が誕生へ

(第一生命経済研究所、日本語)

https://www.dlri.co.jp/report/macro/285515.html

それから保守本流政党CDUとCSU連合から独立した「ヴェルト・ユニオン」。

どちらの政党にしても、議員数は少なく、大きな政党に発展するには、これから

の経過を見なければなりません。

 

極右活動を抑制するための13の新しい規制法案

(2月13日、ターゲスシャウ、ドイツ語)

https://www.tagesschau.de/inland/faeser-rechtsextremismus-108.html

右翼過激主義は、ドイツにおける自由な基本秩序に対する「最大の脅威」続けて

いる。13項目の内、数項目は、既に1年前くらいから発表済み。

右翼過激派は、国家の安定と行動能力に対する信頼を崩壊したいと考えている。

外国の仲間と共に、インターネット上で偽アカウントを使って人工的情報を拡散、

AIを使った画像でストーリーを作り、更に新聞やウェブサイトで宣伝し、信頼

性を装う。これは、意見形成や政治的議論を操作し、民主主義を弱体化させよう

とする試みである。早期にこの試みを発見し、事前に対応する必要がある。

新しい法案では、極右団体の活動資金を、より規制しやすくなっている。また武

器の所有や、罰則に関しての改定が加わっています。

計画によれば、右翼過激派の出入国を可能な限り防ぐ。右翼ネットワークの資金

源に関する調査も容易にする。地方警察や監督官庁は、商業およびレストランの

監視官庁と協力し、憲法擁護局からの情報に基づき、右翼過激派のイベントを可

能な限り禁止する。

 

トランプは誰のことを言っているのだろうか?

(2月12日、ターゲスシャウ、ドイツ語)

https://www.tagesschau.de/ausland/amerika/trump-nato-zwei-prozent-ziel-100.html

トランプ前米大統領は、「2%の目標を達成した国だけを保護したい、それどこ

ろか、ロシアにやりたいことをやってもいいと言う」という意味の発言をして、

特にヨーロッパやNATО諸国から怒りを買っている。しかし、トランプ氏の脅

しは誰に向けられたものなのだろうか?

 

NATОの計算によれば、2023年までに2%の目標を達成した加盟国は11

カ国しかない。トップはポーランドで、国内総生産の3.9%を軍事費に費やしてい

る。次いで、アメリカ(3.49%)、ギリシャ(3.1%)、エストニア(2.73%)、

フィンランド(2.45%)、ルーマニア(2.44%)、ハンガリー(2.43%)、ラト

ビア(2.27%)、イギリス(2.07%)、スロバキア(2.03%)となっており、N

ATО加盟31カ国の約3分の2が目標の2%を下回っている。NATO統計の最下位は

西ヨーロッパ諸国のルクセンブルク、ベルギー、スペインである。したがって、

週末のトランプ大統領の発言を真に受ければ、これらの国々はアメリカの保護を

受ける見込みがない。また、仮にロシアに攻撃されたとしても、エスカレートす

る可能性は低いと考えられている。

ロシアの攻撃の犠牲になるリスクがより高いのは、東欧や北東欧の国々である。

しかし、彼らの軍事費は経済力に比してはるかに上回っているため、ここでもト

ランプ大統領の恐怖のシナリオは現実離れしている。とすると、このトランプの

警告はドイツに向けている可能性がある、と分析しているのがターゲスシャウで

す。

昨年まで、国防費は目標の1.57%を大きく下回っていた。しかし、ドイツ政府に

よれば、これは変わった。ベルリンでは、2024年の国防費は国内総生産の少なく

とも2.0%、場合によってはそれ以上に達すると予想されている。その理由のひ

とつは、国防費の実際の増加である。しかし、弱い経済データも後押ししている。

経済力が落ちれば、それに比例して国防費の重要性も増す。たとえ国防費が10

ドルも増えなかったとしても、そうなる。この効果は、コロナウィルスのパンデ

ミック時の景気低迷時に見られた。

 

日本の国会では、相変わらず「政治と金、派閥問題」ばかり討議されているよう

です。私は日本国民として、国会で、そんなことを討論してもらいたくありませ

ん。アメリカ民主党よりの自民党、外務省さん、ヨーロッパの各国議会は、とっ

くにトランプ再選に向けての対応策を練り始めております。ドイツの議員の中に

は、堂々と「EUが原子爆弾の必要性を論議すべし」という声が上がり始めてお

ります。

https://www.tagesschau.de/inland/innenpolitik/verteidigung-atomare-abschreckung-100.html

 

「ドナルド・トランプは右翼の過激派だ」 元大統領の脅しが憤りを呼ぶ

(2月12日、ターゲスシュピーゲル、ドイツ語)

https://www.tagesspiegel.de/politik/trumps-drohung-erregt-unmut-eine-akute-gefahr-fur-alle-in-der-nato-11195764.html?bezuggrd=NWL&utm_source=abendlage&werbtraeg=AL

アメリカのドナルド・トランプ前大統領は、NATO加盟国の債務不履行を保護しな

いと表明した。ドイツの外交専門家たちは、これに落胆の反応を示している。外

務委員会のミヒャエル・ロート委員長(SPD)は、トランプ大統領の脅威はN

ATО全体にとって危険であり、防衛への投資を増やすよう警鐘を鳴らすものだ

と考えている。「欧州の皆が目を覚ますことを願っている!もしトランプが本当

にホワイトハウスに戻るなら、我々は何でも予想できる。最悪の事態さえも」。

と述べています。要するに、今までヨーロッパは「きれいごとを言っていて、や

るべきことを行わなかった。」と。更に「ヨーロッパの返答として、プーチンの

帝国主義を阻止し、もはやヨーロッパに脅威を与えないようにするために、ウク

ライナの自由を求める戦いをより断固として、より広範に支援する必要がある。

まだ遅くはない」。緑の党の外交政策専門家ジャミラ・シェーファーは、トラン

プが選挙期間中にロシアから資金援助を受けている可能性すらあると考えている。

ドナルド・トランプは右翼の過激派であり、その仮面はますます剥がれ落ちてい

る」とシェーファーは『タゲシュピーゲル』紙に語った。ロシアは、ドイツの右

派政党AfDにも資金を提供しているかもしれない。ドイツのフランク=ヴァル

ター・シュタインマイヤー大統領(SPD)もトランプ大統領の言葉を批判した。

「このような発言は無責任であり、ロシアの思うつぼだ」とシュタインマイヤー

は月曜日、キプロスの首都ニコシアを訪問した際に述べた。「われわれの同盟国

の誰も、このようなことに関心を持つことはできない」。EU議会の外交代表で

あるボレル氏は、「軍事同盟はアメリカ大統領の気まぐれに頼ることはできない。

NATОは 「アラカルト」(レストランのメニューで、好きなものをチョイスし

て注文)の軍事同盟ではありえない」とボレルは言う。今はイエス、明日はノー

というわけにはいかない。同盟は存在するかしないかだ。いずれにしても、これ

からEUは、軍事費を増強し、軍事産業の育成に努める政治方向に向かいます。

「どうする日本?」

 

ラインメタル、弾薬生産を増強

(2月12日、ターゲスシャウ、ドイツ語)

https://www.tagesschau.de/wirtschaft/rheinmetall-ruestung-artillerie-munitionsfabrik-aktien-ukraine-sondervermoegen-100.html

ラインメタル社は、ドイツの軍事産業の中心的存在です。ラインメタル社は、こ

の度、新しい工場をニーダーザクセン州のリューネブルガーハイデに作ります。

その工場の工場起工式が12日に行われ、ショルツ首相とシュトルテンベルク防

衛大臣が出席。反対のデモが起こり、警察の発表では300台のトラクターと4

00人の人々が集まったそうです。この工場で作られる予定の1年間に20万発

の砲弾が、例えば全部ウクライナに行くとしても、ゼレンスキー大統領が使用す

る4分の一に過ぎません。デンクファブリーク 欧州外交評議会のラファエル・

ロス氏は、ロシアがウクライナへの侵攻を始めた時点で、ドイツ政府はこのよう

な工場を、少なくとも9か所に作り、砲弾製造に入っていなければならなかった、

と話しています。ラインメタル社が砲弾を作るのに、現在火薬が足りません。ド

イツとスペイン工場で火薬製造を強化。来年にはルーマニアに工場を建て、20

25年には70万発の砲弾を作れるようにするそうです。

 

新疆ウイグル自治区からのVW撤退を要求するドイツ政府

(2月12日、ターゲスシャウ、ドイツ語)

https://www.tagesschau.de/wirtschaft/unternehmen/vw-xingjiang-uiguren-china-100.html

化学企業のBASFが新疆ウイグル自治区からの撤退を発表したのに続き、フォルク

スワーゲンにも同様の圧力がかかっている。その背景には、中国地域における人

権侵害の報告がある。

 

【イタリア】

ヴェニスのカーニヴァルのマスク

https://www.facebook.com/watch?v=768736658649894

2月はカーニヴァルのハイライトです。世界で有名なのはヴェニス、リオですね。

オペレッタでのマスクを被った舞踏会のシーンが盛り込まれた有名な曲、ヨハン

・シュトラウス作曲「ヴェニスの一夜」があります。

https://www.google.de/search?newwindow=1&sca_esv=59a29399512378e1&sxsrf=ACQVn0-g6AoXPm8p_kASi8FhTcGl0CSOUA:1706969758858&q=eine+nacht+in+venedig&tbm=vid&source=lnms&sa=X&ved=2ahUKEwjSsfnwrY-EAxXmSPEDHfGWCOQQ0pQJegQIChAB&biw=1680&bih=881&dpr=1#fpstate=ive&vld=cid:782f6b38,vid:z2LEtBXCk7Y,st:0

日本語では動画を検索してもヒットしにくいので、ドイツ語で「Eine Nacht in

Venedig」で検索するとヒット数が増えます。

 

【EU】

EU、540億ドルのウクライナ支援合意 米の決定に期待

(2月2日、ロイター、日本語)

https://jp.reuters.com/world/ukraine/F3PK5VZL5ZP6DI7W7R3UOENLMQ-2024-02-01/

(2月1日、ターゲスシャウ、ドイツ語)

https://www.tagesschau.de/ausland/europa/orban-eu-gipfel-104.html

EU議会は500億ユーロ(8兆円)のウクライナ支援を決議しました。支援は

2027年までの予算で、27か国の一致で可決。本来であれば昨年の12月ま

でに決定する事項でしたが、最後まで反対し続けていた親ロシアのハンガリーの

オルバン首相に阻まれていました。最後は、ハンガリーがEUの圧力に屈した形

です。

 

CAR-T細胞療法、「腫瘍学の新時代」

(2月4日、ターゲスシャウ、ドイツ語)

https://www.tagesschau.de/wissen/forschung/car-t-zelltherapie-100.html

ドイツでの癌患者は、1年間に50万人と言われています。

 

【スイス】

スイス、退役済み戦車「レオパルト2」をドイツに移送

(1月31日、スイスインフォ、日本語)

https://www.swissinfo.ch/jpn/%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9-%E9%80%80%E5%BD%B9%E6%B8%88%E3%81%BF%E6%88%A6%E8%BB%8A-%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%83%91%E3%83%AB%E3%83%882-%E3%82%92%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%81%AB%E7%A7%BB%E9%80%81-/49173198

スイスは永世中立国ですが、民主主義の国です。独裁主義国家ロシアに、ウクラ

イナを倒されるわけにはいきません。スイス政府も、今まで同様に完全中立とい

う立場を貫くのが難しくなってきました。

 

スイス外務省、軍需品輸出規制の緩和を提言

(2023年7月18日、スイスインフォ、日本語)

https://www.swissinfo.ch/jpn/%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9%E5%A4%96%E5%8B%99%E7%9C%81-%E8%BB%8D%E9%9C%80%E5%93%81%E8%BC%B8%E5%87%BA%E8%A6%8F%E5%88%B6%E3%81%AE%E7%B7%A9%E5%92%8C%E3%82%92%E6%8F%90%E8%A8%80/47761654

スイスは永世中立国という立場を取り続けており、紛争地域への武器輸出は行っ

ていませんでした。しかし既にロシア制裁には西側と歩調を揃え、ロシア人の制

裁対象リストに載っている人物の銀行口座閉鎖などは行っておりました。そして

武器に関しても、直接ウクライナへの輸出は行っていませんでしたが、別の国を

通してのウクライナへの武器の提供を可能にする法律を議会で通過させています。

日本の報道で、一部間違った報道があるようなので、去年のスイス議会の決定事

項をご紹介いたしました。

 

【ウクライナ】

ウクライナ大統領、軍総司令官を解任 司令部「刷新」のためと

(2月9日、BBC、日本語)

https://www.bbc.com/japanese/articles/cyr4p7m86pxo

現在のウクライナ戦争の状況は、日本のメディアも報じている通り「小康状態」

です。ウクライナにロシアが進行を始めたのが2022年でした。そして202

2年のから2023年の冬も、現在と同じように小康状態が続き、2023年に

ウクライナが、反転攻勢を仕掛けました。その結果、ロシアが攻め込んだ地域の

半分くらいは取り返しています。しかし、その後が続かず、現在の自然の「冬休

戦」状況に至っております。ロシアやウクライナでの冬の戦闘は、ナポレオンも、

ナチス軍も成果を上げていません。つまり冬の陸上戦は、効果が得られないのは

現代も大差ないようです。現在は、ロシアもウクライナも、兵士の休養と、春の

戦闘に備えている状況です。そして問題として浮上しているのが、ウクライナへ

の、西側諸国の軍事援助の切迫です。現状では、ウクライナには武器弾薬が不足

しています。弾薬が不足していては、ロシアを追い払う事すらできません。そこ

で出てくる意見として「停戦」という分けです。今までウクライナ戦争を指揮し

ていたヴァレリー・ザルジニー総司令官を解任。ザルジニー総司令官は、噂によ

ると、「弾薬がなければ戦いは不可能。停戦も視野にいれるべき。」という考え

だったようです。ゼレンスキー大統領は、「1ミリたりとも領土を譲れない」考

えの持ち主で、ザルジニー総司令官の発言が、ウクライナ戦士の士気にかかわる

という事で、彼を解任したそうです。ゼレンスキー大統領にとっては、大変辛い

判断だったと思います。現実的にロシアとの勝敗を決定するのは武器弾薬の有無

に関わっている、というのが現状です。しかし現在のウクライナでは、特に弾薬

が不足しています。

 

今までの、ロシアとウクライナへの軍事支援の状況を記事にしているのが、ドイ

ツのターゲスシャウ。

(1月4日、ターゲスシャウ、ドイツ語)

https://www.tagesschau.de/ausland/europa/waffenlieferungen-ukraine-russland-100.html

詳しく書かれているので、詳細はどうぞグーグル翻訳などをご利用の上、お読み

いただければと思います。日本の報道では、中国はロシアへの支援をせず、「静

観しながら漁夫の利を得ている。」としてるようですが、とんでもありません。

ちゃんと、武器として使用できる部品などをロシアにしっかり提供しております。

また2023年の秋に、ロシアと中国は、ハイテク武器協定を交わしており、特

に宇宙ハイテク戦争分野での「戦略的協力と調整」での協力関係が成立していま

す。

 

【ロシア】

プーチン、トルコ訪問へ?

(2月2日、東京外国語大学「日本語で読む世界のメディア」)

http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=57270

プーチン大統領、武器の輸入交渉かな?

 

プーチンは、元FOXニュースのカールソン・タッカーとのインタビュー

(ドイツ在住のジャーナリストToru Kumagai氏のフェースブック投稿)

https://www.facebook.com/photo/?fbid=7497836530236984&set=a.289130874440955

プーチン大統領の発言を信じてはいけない理由です。

 

【ガザ】

ガザ国連施設地下にトンネル、イスラエル軍「ハマス指揮所」と主張

(2月11日、ロイター、日本語)

https://jp.reuters.com/world/mideast/BEYVF5BBNZOOPKFYVUXMINAFCE-2024-02-11/?utm_source=Sailthru&utm_medium=Newsletter&utm_campaign=Japan-Weekday&utm_term=021224

テロリストは常に危険である、という認識を持たないと、安全が担保できなくな

ります。現在のドイツは、どんな時でもイスラエルを支持しています。それが良

いかどうかは別にして、過去の事例からIS(イスラム国)が、世界中から人々

をだましてイスラム国に来させ、戦士に洗脳し戦わせました。またイスラム国の

教育は、幼い子にも銃を持たせ、人を殺す訓練も行っていました。私自身は、ハ

マス戦士も以前のイスラム国と同じくらい危険分子だと思っております。そして

資金源として国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)を利用しました。

 

【イスラエル】

イスラエルでの戦闘反対デモ

(2月4日、ターゲスシャウ、ドイツ語)

https://www.tagesschau.de/ausland/asien/israel-hamas-geiseln-106.html

テル・アヴィブで、ガザ攻撃批判と、人質解放のストが行われ、ネタニヤフ首相

への圧量が増しています。軍部の中にも停戦を主張する声が強くなっているそう

です。

 

【アメリカ】

アメリカ軍によるイエメンのフーシへの再攻撃

(2月4日、ターゲスシャウ、ドイツ語)

https://www.tagesschau.de/ausland/usa-attacken-auf-huthi-100.html

親イランのイラクとシリアのに対するアメリカの空爆の翌日に引き続き、アメリ

カ軍とイギリス軍は、イエメンのフーシ派の13か所にある36軍事拠点を爆撃。

空爆の数時間後、アメリカは別のフーシ派の対艦ミサイルを破壊したと報告。こ

のミサイルは紅海の艦船に発射するために準備されていたもので、同海域の米海

軍の艦船にとって差し迫った脅威でもあった。

 

フーシ派、米英の空爆に対する反撃を言明−「対応や罰」は不可避

(2月4日、ブルームバーグ、日本語)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-04/S8C0RYDWLU6800

 

バイデン大統領、次期民主党大統領指名候補として最強

(2月4日、ターゲスシャウ、ドイツ語)

https://www.tagesschau.de/ausland/amerika/biden-vorwahl-south-carolina-praesidentschaftswahl-100.html

民主党のサウスキャロライナで行われた次期大統領選挙戦で、現職のバイデン候

補がトップに選ばれております。健康的に、頭脳的に大丈夫なの?という声が、

党内からもあり、不安が常に伴う大統領候補です。

 

米上院、ウクライナ支援法案可決

(2月13日、ターゲスシャウ、ドイツ語)

https://www.tagesschau.de/ausland/senat-ukraine-israel-taiwan-100.html

ウクライナへの数十億ドル規模の支援策について、米上院は数カ月かけて合意し

た。しかし、共和党が多数を占める下院はまだ採決に応じないと脅している。

米国はロシアの侵攻に対する防衛において、ウクライナの最も重要な同盟国とみ

なされている。20222月の開戦以来、ジョー・バイデン米大統領はキエフに対し、

総額440億米ドル(約410億ユーロ)以上の軍事援助を提供または約束している。

12月末、米国防総省は当面の最後の軍事援助パッケージを発表した。それ以来、

ウクライナの指導部はアメリカからの新たな資金援助と武器・弾薬の提供を待っ

ている。上院が今回承認した援助パッケージには、ウクライナへの援助として約

600億ドル(560億ユーロ弱)が含まれており、その大半は軍事支援に当てられて

いる。これはバイデンが当初要求していた金額とほぼ同じである。数ヶ月に及ぶ

膠着状態を打開するため、国境警備のための資金はパッケージから除外された。

移民問題は民主党と共和党の大きな争点である。バイデンはすでに10月、ウクラ

イナ、イスラエル、インド太平洋地域の安全保障支援、そしてアメリカの国境警

備のための資金を含む、1000億ドル以上のパッケージを議会に要求していた。し

かし、議会の共和党強硬派は、ウクライナが国境を守れるように米国が多額の資

金を使い続けることはできないのに、米国国境では不法移民の危機が起きている

などと主張し、数カ月にわたってこのパッケージを阻止した。共和党の元大統領

で現大統領候補のドナルド・トランプは、党内でこの法案に反対するキャンペー

ンを展開していた。下院の共和党議員には、特にトランプの支持者が多い。その

中にはマイク・ジョンソン下院議長も含まれている。彼は、上院が「国境政策に

一片の変更」も加えていないため、下院は引き続き「意志を押し付ける」必要が

あると明言した。法案は、この国の「最も差し迫った問題」については沈黙して

いる。

 

【日本】

私が能登半島地震での救助初動体制が良くない、と思っていることには、今でも

変わりないのですが、現状の回復力には目を見張るものがあります。道路の復旧

作業、水道、電気の復旧作業は、ほとんど目途が立っており、鉄道は、バス輸送

に振り替えて一部開通しております。これはドイツでもあり得ない復旧のスピー

ドです。早く、被災地での日常生活が「普通」に戻ると良いですね。

 

ちなみに、昨年起こったトルコ・シリア地震の状況についてのニュースがありま

す。まずご紹介するのは、ドイツの救助チームの初動対応です。日本の初動体制

と違う点が見えてまいります。

(2月6日、ターゲスシャウ、ドイツ語)

https://www.tagesschau.de/inland/regional/hamburg/ndr-tuerkei-menschen-in-der-erdbeben-region-brauchen-weiter-hilfe-100.html

地震は2023年2月6日に起こりました。6万人が死亡、12万5千人が負傷

しました。その時のドイツの救助チームも対応は次の通りです。

ホルガー・グリヌス(救助隊の一人)の証言:早朝に激震のニュースを聞いた時

は、恐怖の瞬間だった。妻と私はすぐに、今すぐ現地に行かなければならないと

悟った。起床後すぐに装備を整え、10時にはすでにケルンに向けて高速道路を

走っていた。そこから、ドイツ全土から集まった60人のチームと7頭の探知犬、

そしてすべての機材を積み込みチャーター機でトルコへ急行した。幸い、ガジア

ンテプ空港での入国手続きはすぐに終わったので、そのまま地震地域に向かうこ

とができた。

 

次にご紹介するのは、1年後の現在の様子です。

(2月6日、ターゲスシャウ、ドイツ語)

https://www.tagesschau.de/multimedia/sendung/tagesschau/video-1302876.html

この地震で倒壊した建物は1万軒。その中にはアパートなども含まれております。

トルコで倒壊した建物の多くは手抜き工事の結果で、被災した人たちは、トルコ

政府への補償を迫っています。しかし現状では、倒壊しなかった家で新しい生活

を始めようとする人は少ないようです。人々は、また地震が起きた時の住居の安

全性に確信が持てないようです。10万人の被災者が、今でもコンテナやテント

で、将来設計の無いまま生活しているの現状です。トルコ政府も新しい住居を建

て始めていますが、遅すぎる、少なすぎるとの非難を浴びています。一方シリア

では、氷点下以下の気温の中で、4万人の被災者がテントで生活を続けています。

10万人が家を失い、7千人が死亡したと言われていますが、当局の正確な発表

はありません。(政府は、被災の詳細すら把握していないという事です。)

 

【投資】

FRBは拙速な利下げに伴う危険性を懸念−パウエル議長がTV出演

(2月5日、ブルームバーグ、日本語)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-05/S8CW65T1UM0W00

アメリカの政策金利は、ピークをつけ、「さあ、これから円安が改善される?」

と思っていた人が多かったのですが、なかなか・・・・・。米金融当局は先月3

0、31両日に開いたFOMC会合で、政策金利を22年ぶり高水準に据え置くこ

とを決めた。今後の利子の値上がりは無いにしても、利子は高止まり。日本の輸

出関連企業にとっては、円安が続くのがありがたいはず。

 

IMF、トルコの成長推測を上方修正

(1月30日、東京外国語大学「日本語で読む世界のメディア」)

http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=57226

トルコは通貨が暴落、経済もがたがたでした。それが回復し始めた?

 

【お悔み】

小澤征爾死去

(2月9日、ツァイト、ドイツ語)

https://www.zeit.de/kultur/musik/2024-02/dirigent-seiji-ozawa-gestorben

ウィーンフィルをはじめ、世界中に10万ボルトの情熱的指揮者として有名な小

澤征爾氏が死亡しました。88歳でした。

 

日本では、最初、プロオーケストラから総すかんを食ったことがある小澤さんで

した。そんな小澤さんの評価を変えたのが、アメリカのボストン交響楽団の常任

指揮者に就任したこと。以後、経済的な窮地の新日本フィルハーモニー交響楽団

を救い、天皇陛下に日本のクラシック音楽界の貧窮を直訴。サイトウキネン・オ

ーケストラの指揮者として加わり、松本で音楽祭を開始し、世界中の優秀なプレ

イヤーが、そこに結集しました。

 

私自身は、小澤氏との接点はありませんでしたが、高校時代に読んだ著書「ボク

の音楽武者修行」を思い出しました。この本は、特に、これから音楽を目指す方

にお勧めです。

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9C%E3%82%AF%E3%81%AE%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E6%AD%A6%E8%80%85%E4%BF%AE%E8%A1%8C-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%B0%8F%E6%BE%A4-%E5%BE%81%E7%88%BE/dp/4101228019

ご冥福を、心よりお祈り申し上げます。

Beethoven's String Quartet No. 16 in F Major, Op. 135

https://www.facebook.com/watch/?v=1278223236411151

 

クラウス・ベッカー死去

(2月11日、ハノーファー音楽大学、ドイツ語)

https://www.hmtm-hannover.de/de/aktuelles/meldungen/archiv/2024/januar/artikel/trauer-um-klaus-becker/

18歳にギュルツニッヒ・オーケストラの首席ソロオーボエ奏者、次にバイエル

ン放送交響楽団の首席ソロオーボエ奏者に就任。後にハノーファー音楽大学の教

授として教鞭にあたりました。

プーランク作曲、トリオ

https://www.youtube.com/watch?v=5EScn4LFG6M

 

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■ 演奏会のお知らせ ヴィンシャーマンメモリアル

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私の師匠ヘルムート・ヴィンシャーマン教授は、コロナ渦中にお亡くなりになり

、葬儀が行われた教会では、吹奏楽が禁止されておりました。この度、教授が長

く教鞭をとられていらしたデトモルト音楽大学に弟子が集合し、メモリアルコン

サートを開催いたします。演奏は、当時の学生たちで、筆頭は、元ベルリンフィ

ル主席ソロ・オーボエ奏者シェレンベルガーです。

 

2024年2月25日、11時30分開演

場所は、デトモルト音楽大学内、ブラームスホール

https://www.hfm-detmold.de/konzerte/konzertkalender/

 

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■ 演奏会のお知らせ アルテ・デトモルダー室内楽コンサート

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「アルテ・デトモルダー室内楽コンサート」

https://suemasaoboe.wixsite.com/oboeinfo/single-project

 

ドイツ・デトモルト北西音楽大学で学んだ旧友による饗宴

 

またこの日、オーボエ奏者末政圭志の師匠、故岩崎勇氏所有の銘器インカニォー

レのオーボエダモーレの美しい音色の再演を試みます。

 

「アルテ・デトモルダー」とは、「古いデトモルトの住人」という意味です。私

がデトモルトに留学したのは1976年の事。今から48年前の話です。今年の

春は2月に上記の「ヴィンシャーマン・メモリアル」と、この大阪の演奏会と、

デトモルト音楽大学と関係のあるコンサートが2つ並びました。

 

当時のオーボエ奏者にとっての留学先の一番に上がるのがヴィンシャーマンクラ

スのあるデトモルト、そしてコッホクラスのあるカラヤンアカデミー、ホリガー

クラスのフライブルク音楽大学。日本人の殆どの大学受験生の大学選択は、自分

の実力に見合った、ネームバリューのある大学を受けるのが普通です。しかし音

楽大学選びは、大学で選択するのではなく、教えてくれる先生を見て決めます。

 

当時のデトモルト音楽大学の木管楽器の教授陣は強力で、フルートはパウル・マ

イゼン、クラリネットはヨスト・ミヒャエルス、ファゴットはヘルマン・ユング

という顔ぶれでした。

 

どのクラスを見渡しても、即プロとして使える人材が揃っており、実際に、どん

どんプロのオーケストラのオーディションに合格しております。

 

その当時の仲間である、去年もご一緒に演奏会を企画して頂いたファゴット奏者

の滝本君に加え、今回はフルート奏者の園城さんが加わります。今からコンサー

トを行うのが大変楽しみです。

 

2024年3月22日 19時開演

大阪 島之内教会

 

入場料 4000円(一般) 3500円(学生)

 

チケットお問い合わせ 滝本(電話番号)

hironofg@gmail.com

 

プログラム:

アントニオ・ロッティ(16671740

 フルートとオーボエダモーレと通奏低音の為のトリオ イ長調

ゲオルク・フィリップ・テレマン(16811767

 ファゴットと通奏低音の為のソナタ ホ短調

ヨハン・フィリップ・キルンベルガー(17211783

 オーボエダモーレと通奏低音の為のソナタ ト長調

カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(17141788

 ビュルテンベルク・ソナタ 第1番 イ短調 wg. 49(チェンバロソロ)

クロード・ドビュッシー(18621918

 シュリンクス(フルートソロ)

門田展弥

 パッサカリア オン 「五木の子守唄」

ゲオルク・フィリップ・テレマン(16811767

 フルート、オーボエ、ファゴットと通奏低音の為の4重奏 「音楽の食卓II

 TWV 43:d1

 

出演:

園城三花(フルート)、末政圭志(オーボエ)、滝本博之(ファゴット)、

滝本恵利(コントラバス)、末政由美子(チェンバロ)

 

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■ マスタークラス(ドイツ・ベルリン) インゴ・ゴリツキ

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講師:インゴ・ゴリツキ(元シュトゥットガルト音楽大学教授)

日程:2月13日、14日

場所:ベルリン、フランクマイヤー工房

詳細:

https://frankundmeyer.de/neuigkeiten/meisterkurs-oboe-mit-prof-ingo-goritzki/

 

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■ マスタークラス(ドイツ・マルクノイキルヒェン) グレゴア・ヴィット

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講師:グレゴア・ヴィット(ロストック音楽大学教授)

日程:2月12日〜16日

場所:マルクノイキルヘェン

詳細:

https://www.moennig-adler.de/fileadmin/user_upload/PDF-Dokumente/2022-10-17_Flyer_Meisterkurs_Witt_Danan_retina.pdf

 

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■ 春の日本2023(その5)京都国立博物館 「親鸞展」

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https://www.kyohaku.go.jp/jp/

 

私自身の旅・歩きコーナーとして書き綴っている「旅行記」です。昨年夏に行っ

たイタリアや、今年の1月に訪れたスイスのツェルマットで一時中断していた、

昨年の春に訪れた場所のご紹介を再開いたします。

 

昨年、生誕850年を記念して「親鸞一生涯と名宝」展が行われていた京都国立

博物館は、京阪七条駅から歩いてすぐの所にあります。三十三間堂前に位置し、

立派な洋館は、ここは京都? それともヴィーンという様な錯覚を起こします。

 

親鸞は、法然の弟子で「南無阿弥陀仏」と唱えるだけで浄土へ行けるという、大

変結構な仏教の教えを広めた浄土真宗の僧侶です。

 

非常にたくさんの文献や、自筆や、親鸞に関わる高僧の手書きの書物、手紙など

を中心に、掛け軸、銅像、木像などが展示されておりました。ほとんどが室町時

代の作品ですが、掛け軸の親鸞像は、色がはげ落ち、輪郭も劣化し、人物が確認

できな程で残念です。また写経も沢山展示されており、仏教に携わる方には貴重

な文献ではあると思いますが、私にはちんぷんかんぷん。ただ、オリジナルは「

こんな感じ」という認識を得ることはできました。また当時の歌人、紀貫之らの

歌集が展示されており、お坊さんとは違った、非常に繊細な細め、そして薄目の

墨を使って書かれた和歌の中に、絵がほどこされていた事が、記憶に残っていま

す。

 

印刷技術が無かった時代には、こうした自筆の巻物に記して世に残す時代です。

最近では、自分でペンすら取らず、キーボードに向かう時代。更には、音声入力

も可能になり、今ここに親鸞が現れたら、びっくり仰天する事でしょう。

 

ところで、国立博物館の中央には噴水があります。噴水の水を通して見る風景は

ちょっと楽しく、素敵です。光線によっては虹が現れたり、自動的に噴水の強さ

高さが変化し、風が、また偶然の風情を生み出します。もしこの博物館を訪れる

事があるようでしたら、庭園でも是非お時間をお取りください。古い灯篭や、昔、

七條大橋に使われていた、石の柱など、面白い物も並んでいます。

 

京都には、びっくりするくらいたくさんの和菓子屋さんが存在し、少し歩けば、

直ぐに和菓子屋さんの暖簾が目に飛び込んできます。京阪電車の七条駅と京都国

立博物館の間にある、「七條甘春堂」の暖簾をくぐってみました。目に美しい和

菓子が並んでおりました。

https://7jyo-kansyundo.co.jp/

 

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■ 日本とドイツの違い(その86) 出産

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岸田首相の「異次元の少子化対策」の中身は、教育費の軽減?だったようです。

岸田首相に言わせると、「大学までの教育費を無償にすると、日本の人口が増え

る」と。そして、その資金源は、年金をカットして確保する。年金生活者にとっ

ては長い間年金の積み立てをして、雀の涙の年金を頂けるようになったのに、そ

れをカット? 年金カットにより、他の財源に充てるという手法は、外国では無

い、正に「異次元の世界」ではあります。

 

さて、出産に関して日本とドイツの大きな違いは、生む場所。

 

日本の場合は、通っている産婦人科で出産する、という選択種があります。

ドイツの場合は、産婦人科で経過観察は致しますが、出産は総合病院です。そし

て退院後は、それぞれ小児科と産婦人科に担当が変わり(戻り)ます。

 

総合病院での出産は、日本でもあります。私も東京の聖母病院で生まれました。

病院での出産の利点は、自然分娩で始まったお産の最中に、直ぐに帝王切開に切

り替える事ができる点です。

 

そして、出産に関する日本とドイツでの、一番大きな違いは費用です。

 

日本の場合は、出産に費用が必要ですが、ドイツの場合は保険適応です。

 

日本の場合の出産費用は30万〜70万円なのだそうです。平均値として40万

〜50万円だそうですが、ドイツではタダ!

 

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■ インターネットから

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バイエルン放送交響楽団、オーディオ・メディアテーク

ケローの演奏するモーツアルトのオーボエ4重奏曲の3月2日までの期限付き公開

その他、Sir Simon Rattle指揮で、ベルリーオーズの「ロメオとジュリエット」

から、ドビュッシー「ゲーム踊りの詩」、ラヴェルの「ラ・ヴァルツ」など。

https://www.brso.de/medial-erleben/audio-video/

 

Matinee fuer Oboe, Cello und Percussionから

Takahiro Watanabe (Oboe), Matthias Buchheim (Schlagzeug) und

 Nina Monne (Violoncello).

https://www.facebook.com/watch/?v=3210295325944028

 

ヴィーン交響楽団のパーカッション奏者のムソルグスキー「展覧会の絵」の個人

的なハイライト

https://www.facebook.com/watch/?v=370344472267184

 

ブラームス、ピアノ協奏曲第2

シモン・トルプチェスキ

WDRシンフォニエオーケストラ

https://www.youtube.com/watch?v=-3jVYSteO04

 

音楽の背景(ドイツ語)

Stravinsky Le sacre du printemps

Konzerthausorchester Berlin

Joana Mallwitz

https://www.ardmediathek.de/video/ard-klassik/musik-erklaert-stravinsky-le-sacre-du-printemps-konzerthausorchester-berlin-joana-mallwitz-rbb/ard/Y3JpZDovL3N3ci5kZS9hZXgvbzE5NzQ5NTQ

今年の12月21日までの配信

 

ジャン・シベリウス:アッロッタレ/オケアノイド

ユッカ=ペッカ・サラステ

WDR交響楽団

https://www.youtube.com/watch?v=-gYDPAQr9Xs

私が今まで知らなかった曲の一つです。

 

Rolando Villazons Mozartwoche 2024: Das Eroeffnungskonzert

残念ながらドイツ、スイス、オーストリアのみ視聴可能です。

https://www.3sat.de/kultur/musik/rolando-villazons-mozartwoche-das-eroeffnungskonzert-2024-100.html

ザルツブルクのモーツアルト週間2024

 

Simon Rattle und das Symphonieorchester des BR spielen Beethoven

残念ながらドイツ、スイス、オーストリアのみ視聴可能です。

https://www.3sat.de/kultur/musik/simon-rattle-br-symphonieorchester-beethoven-100.html

 

今年はブルックナー生誕200周年。どこのオーケストラもブルックナーの作品

を、積極的に組んでいますね。

SWR Web Concerts

Manfred Honeck dirigiert Bach/Schoenberg und Bruckner

https://www.swr.de/swr2/musik-klassik/symphonieorchester/livestream-swr-symphonieorchester-19-01-2024-100.html

 

SWR Junge Opernstars 2024

https://www.swr.de/swr2/musik-klassik/klangvielfalt/swr-junge-opernstars-emmerich-smola-foerderpreis-100.html

ドイッチェ・ラディオ・フィルハーモニー・ザールブリュッケンの奏でるヴェル

ディ作曲オペラ「ナブッコ」序曲、素敵な演奏です。

 

ダニエル・バレンボイム(ピアニストとして)のベートーヴェン「マスタークラス」

https://www.boulezsaal.de/en/online/beethoven-masterclasses?fbclid=IwAR1CZlQFIFjQ0g3W3TX-8p_pMQOl2dwzzD4Wd6XjFYK-hXnqn2BtJUNqX5Y

https://www.facebook.com/watch/?v=1471875547007478

 

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■ オーボエ演奏のコツ リード(その11、私のリード作りの基本姿勢)

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オーボエ奏者にとってリードは大変重要です。如何に上手なプロ奏者であっても

悪いリードでは良い演奏はできません。

 

日本でオーボエ演奏が始まった頃、先人たちは、リードは作る物であることを知

りませんでした。いつまでも楽器を購入した時に、一緒に付いていたリードを大

切に使っていました。

 

リードは長持ちしても1年くらい。普通の状態ですと1,2か月が寿命だと思い

ます。リードが寿命を迎える前に、角をどこかに当てて壊したりする事故で潰し

てしまうという事故は、時々起こります。私も自分の歯にリードを当ててしまい

先が駄目になった経験が何度かあります。良いリードに限って、こういう不慮の

事故が起こってしまうのは何故なんでしょうね?

 

 

オーボエに限らず、演奏家にとっての頭の中での「音の世界」は無限です。

 

バロック、クラシック、ロマン、近代、現代と、時代を経るにより、楽器の性能

も変化し、音域、音色のバラエティーも増してきました。

 

バロック・フルートの下の限界はDと言われております。今では、普通の楽器で

C。特殊なベルを使用するとHまで可能です。

 

オーボエは、バロック楽器では付いていなかった第3オクターブキーが開発され

てから、高音域の幅が広がりました。

 

また表現方法も、楽器特有の手法が編み出されています。例えば、ヴィブラート

などは、バロック時代には殆ど無かったようです。

 

さて、現代の演奏家は、このようなレパートリーを全てこなします。(例外的に

は古楽器合奏団が、バロック時代の音楽を専門に演奏します。)

 

少し、時代の変化に於ける音色の特徴をあげてみます。

バロックでは、ヴィブラートが少なく、音量も小さめです。

クラシックからロマン派の作品の演奏では、音の幅も豊かになり、音量も増して

きます。ピアノの楽器の歴史では、チェンバロ→ピアノフォルテ→グランドピア

ノという推移をみても、中世の宮廷合奏団から、ハイドンやモーツァルトの作品、

シューマンやブラームスのオーケストラ曲の楽器構成をみても、その変化が容易

に見て取れます。そして現代曲では不協和音が登場し、美しい音とは対照的に、

激しい、聞くに堪えがたい音も、音楽表現として加わってきました。

 

現代のプロのオーボエ奏者に求められる「音」は、こういう全てのレパートリー

に応える必要があります。

 

ただ単に、「美しい音」は、個人的な自己満足にはなるかもしれませんが、時代

の要求、欲求には合致していません。

 

「繊細な表現」が可能、しかし「たっぷりした音色と豊かな音量」も必要で、場

合によっては「きつい音色」「汚い音色」をも、今日のクラシック音楽家に求め

られている音色です。

 

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■ 売ります オーボエ用ガウジングマシーン ミヒェール

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「オーボエ用ガウジングマシーン ミヒェール」

愛用していたドイツ、ミヒェール製ガウジングマシーン(中古)を、もう私には

必要が無くなった為に売りに出します。私のマシーンは、ベットが10mm、歯

が11mmの寸法です。直径10mmの丸材測定用のゲージ2種類と、プレガウ

ジングの道具((押切型))をセットにして20万円でお譲りいたします。

 

「イングリッシュホルン用ガウジングマシーン、ザッセンベルク」

中古品を購入したけれど、まったく使う事が無かったドイツ、ベルリンのザッセ

ンベルク製の、イングリッシュホルン用のガウジングマシーンを2万円でお譲り

致します。

 

ドイツでオーボエ用マシーンといえば、ハノーファーにあるミヒェール製。創業

者のクニーベルト・ミヒェール氏は、ベルリンRSO(ベルリン・放送交響楽団)

のクラリネット奏者でした。そんな彼が手掛けたのがオーボエとファゴット用の

リード製作の為のマシーン。クラリネットのリードも試したけれど、ダブルリー

ドのようにうまくいかなかったそうです。それ以前には、ベルリンにザッセンベ

ルクという会社があり、やはりダブルリード用のマシーンや、小物のマンドレル、

リードチューブなどを製作しておられました。私自身、1977年にザッセンベ

ルクの工房を訪ねております。ザッセンベルク氏から購入したのはチューブ。そ

して特注したのが、リードの舟形材に焼きを入れる為の、チューブの外径と同じ

寸法の先を持つマンドレルでした。彼の死亡後、お店は無くなってしまいました。

 

ミヒェールのガウジングマシーンは、軸にベアリングが入っており、歯が楽に動

くように設計されております。昨年亡くなられたハノーファーのラジオフィルハ

ーモニー管弦楽団のオーボエ奏者の松原氏は、ご本人が自宅に工房を持ち、バロ

ックオーボエの製作に携わる、メカに大変強い方でした。その彼が、リーガー製

より押しておられたミヒェールのマシーンです。

 

クニーベルト亡き後、弟子のチャーリーがお店を引き継いでおられます。

 

ご興味がございましたら、末政までどうぞご連絡ください。

contact[アットマーク]oboeinfo.de

 

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