バックナンバー:386(2) 2020/09/07


 

------------------------------------------------------------------------------------------

■ 学校開始とエアロゾール

------------------------------------------------------------------------------------------

 

https://www.tagesschau.de/inland/aerosole-corona-101.html

(8月3日 ターゲスシャウ)

エアロゾールとは、空気中に浮遊する物体で、大きさにより直ぐに地面に落ちて

しまう物と、数分間空気中を漂う物があります。スプレーの霧、たばこの煙、塵

などもエアロゾールに入ります。このようにエアロゾールは水蒸気のような液体

の粒とは限りません。コロナウィルスを含んだ小さな液体は、ごく小さい微粒子

のような物であれば、数秒で蒸発したりします。

 

コロナウィルスを含んだ教室内で、どれくらいの濃度から感染の危険が高まるか、

というエアロゾールでの研究はまだ出されていません。現在のドイツでは、空気

を吸い上げ、新しい空気に入れ替える装置を持った教室は皆無で、教室内では、

できるだけ時間的な間隔を狭めての換気をするしか方法が無いようです。

 

https://www.tagesschau.de/inland/corona-schulstart-mv-103.html

(8月3日 ターゲスシャウ)

夏休みが早い州では、8月はじめから学校が始まりました。ほとんどの州では、

学校内でのマスク着用が義務付けられています。メックレンブルク・フォアポン

マー州とザクセン州では、着用義務がありません。メックレンブルク・フォアポ

ンマー州の教育大臣は、「この州でのコロナ発生率は依然低く、マスク着用義務

を行わない。」方針、なのだそうです。

 

バイエルン州は来週から始まる新しい学期に備え、小学校以外は先生も生徒もマ

スク着用を義務付けました。 

https://www.sueddeutsche.de/bayern/corona-bayern-news-soeder-livestream-1.5015501?referrer=push

他の殆どの州では夏休みが終わり学校が再開されております。現在マスク着用を

義務化しているのはノルトラインウェストファーレン州のみです。

 

------------------------------------------------------------------------------------------

■ 夏の旅行記(その1) マイセン ゼルデン アッヘンキルヒ

------------------------------------------------------------------------------------------

 

〈旅行の全容〉

 

コロナ感染は、きっと皆様の生活に大きな変化をもたらしていると思います。定

年退職者である私の生活も、基本的には変わらないはずなのですが、日本への一

時帰国を、春と、夏にも延期しました。

 

また4か月間以上も自宅学習をしなければならなかった、しかも外で遊ぶことも

許されなかったドイツの子供たちの精神的な圧迫は大きかったようです。

 

日本でも、政府提言の「Go to」キャンペーンは7月後半からの患者数拡大で、キ

ャンペーンの様相を崩してしまいました。自分が動いてお金を使えば、お店は助

かります。動けば、それだけコロナに感染するリスク、また自分が無症状であっ

た場合にはコロナを他人に感染させてしまうリスクが伴います。そして何より、

ずっと我慢し続けて家にいる精神的、体力的な不健康さも考慮しなければいけま

せん。

 

いろいろ考えを巡らせて決めた夏の旅行先に選んだのはオーストリアの山の中。

チロル地方のゼルデンという村です。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BC%E3%83%AB%E3%83%87%E3%83%B3

村は、海抜1368メートル。ウィキペディアによると、オーストリアでのウィ

ーン、ザルツブルクに継ぐ観光スポットなんだそうです。どちらかというと夏よ

りもスキーリゾート地として有名です。

https://www.tirol.at/orte/a-soelden/wandern

 

実はゼルデンに私が行くのは2回目です。2014年の冬にスキーに出かけてお

り、このメールマガジンでも「007のロケ地」としてご紹介しております。確

かに、この時は、なかなか安い宿が見つからなかった記憶がございます。

 

今回ここを選んだのは、やはり都市への観光は、観光客が少ないとはいえ、人口

密度が高いので避けたい、娘家族も一緒に来ることになり、5歳と0歳の孫も同

行するので、車が少なくて自然が多い静かな場所がよかろう、という条件を満た

しているので選択しました。ここに1週間滞在。

 

私の住んでいるブレーマーハーフェンからオーストリアのゼルデンまでの距離は

950〜1016キロメートルあります。私が若い頃は、子供たちを乗せて、車

で夜中に走り、翌朝6時頃には国境付近を通過し、昼までには目的地に着く、と

いう旅行をよく行いました。その頃は仕事もあり、限られた時間内で最大限の時

間活用を日程に組みましたが、今はその必要がありません。娘夫婦は列車でミュ

ンヘンまで来ることになっております。そこで我々夫婦は途中、寄り道をして1

泊し、娘家族と落ち合うミュンヘンに行くことにいたしました。なるべく小さな

都市で私の興味を引いたのがマイセンです。ブレーマーハーフェンを朝ゆっくり

出発し、午後にマイセンに着き、少し観光。翌日も昼食迄マイセンに留まり、翌

日はミュンヘンへ。ミュンヘンでは観光はせず、ゆっくり宿泊。翌日ミュンヘン

から車2台で目的地ゼルデンへ向かいました。

 

ゼルデンが気に入った理由は、いろいろあります。アクティブな南ドイツに住む

知人の推薦もあり、標高が高く山の景色が美しい山岳地帯、そして経費が安かっ

た事などです。我々が選んだのは村のほぼ中心にある貸しアパートでした。寝室

が2部屋。その内1部屋は大きく、ベットが3つに赤ん坊のベットも入れてもら

え、部屋から隣接しているトイレとシャワー室があります。それからもう一つ別

にトイレ・シャワー室があり、リビング&キッチンがあり、各部屋にはバルコニ

ーが付いています。そしてこのアパートの管理人はプレミアムカードに加入して

おり、宿泊者には無料でプレミアムカードを受け取れます。このプレミアムカー

ドはエッツタール全域の交通機関(リフト、ケーブルカーを含む)が無料になり

ます。山でのハイキングはケーブルカーで登って、上を歩き回ってから、またケ

ーブルカーで降りるとか、片道を歩き、残りの片道をケーブルカーを使用する、

とか、結構ケーブルカーの活用が多いのです。そしてこの料金が馬鹿になりませ

ん。それから何がいつ起こるか分からない状況下でのキャンセルの可能性は、前

日までOKでした。このキャンセル料が前日まで発生しないのはマイセン、ゼル

デン、アッヘンキルヒの3か所での大事な条件でした。

 

わんぱくな5歳の孫家族と別れ、夫婦で向かったのはアッヘンキルヒ。少し身体

を休めてから帰宅しようと3日間取ったのはアッヘンゼーの近くにある、日本が

大好きなオーナーが経営する5つ星ホテル。

 

アッヘンゼーにも、以前1泊だけしたことがありますが、その時は天気が悪く、

静かな美しい環境ではありましたが、印象は強くありませんでした。本当は、湖

の湖畔に面した場所で、部屋から景色を眺めながらゆっくりしようと思ったので

すが、なかなか思う様にホテルが取れず、このホテルに決めました。

 

オーストリアには湖がたくさんあります。特にザルツブルガー・カンマーグード

には湖畔のホテルがたくさんあります。オペレッタに出てくるサンクト・ヴォル

フスブルクという村にある「ヴァイセン・ロゥッスル」は特に有名です。もう亡

くなってしまわれましたが、オーボエ奏者ギュンター・パッシンは、この辺りに

住んでいらっしゃいました。まだご存命だったら、ひょっとしたらこの村を選ん

だかもしれません。

https://www.weissesroessl.at/

 

 

〈利用した宿泊施設〉

マイセンのホテル

http://www.goldener-loewe-meissen.com/de/startseite/

ゼルデンの貸しアパート(Apartement Typ 4

https://www.apart-corona.at/

アッヘンキルヒのホテル

https://www.posthotel.at/

 

------------------------------------------------------------------------------------------

■ 日本とドイツの違い(その23)政治形態の差

------------------------------------------------------------------------------------------

 

Go Toゴリ押しに批判殺到。業界団体の会長には二階幹事長の名

https://news.goo.ne.jp/article/mag2/nation/mag2-458658.html

既に国会で野党の質問にも出ていて協議されていたはずなのですが、後から後か

ら反対意見や、地方によっては観光客に着てもらいたくない、という知事が出た

りの中で、遂行された「Go To」政策。

 

野党質問に安倍首相は、「ゴートー(強盗)ではありません。ゴートゥーです。」

とジョークを飛ばしていたので私もよく覚えております。地方自治体からの懸念

の声は、内容に関する指摘では無く、時期の問題。この手続き上での問題はドイ

ツの政治なら起こり得ないな、と思いながら成り行きを注視しておりました。

 

日本の国会は衆議院と参議院の二院制度です。ドイツの連保政府も上院と下院の

二院制で政治が行われております。ただ議員の構成が違います。ドイツの上院は

各州知事が代表を務めます。もし法案を通そうと思うと、各州知事の承認が必要

ですから、日本で起こった「Go To」問題は起こり得ない、という訳です。

 

後はこの「Go To」に関する個人的な意見です。勿論世界的に観光業界が大打撃を

受けたことは事実です。観光業界にもいろいろあり、体力のある会社もあれば、

瀕死の打撃を受けた会社もあります。全体を一羽ひとからげにして税金を使って

旅行を推し進める必要性はなく、瀕死の会社だけに絞って援助を差し伸べれば良

いと思います。大きな事故現場で、全員を助けるのではなく、重症患者から救う、

そういう発想です。それから、政府の進める観光立国は元々私は反対でした。そ

れは読者の皆様もご存じですが、無計画すぎるのです。観光客が押し寄せて、ホ

テルのベット数が足りなくなるとか、その結果民泊を推し進めて静かだった住宅

地にまで観光の波が押し寄せて、生活環境を阻害するなどの苦情も殺到。また京

都などでは市パスに乗れない市民が出てきて迷惑しています。無理に人を日本国

に詰め込んでおいて、今度はコロナ。200パーセントから一気にゼロパーセン

トに落とされた観光業界を無理やり救おうとするのがこの「Go To」。その結果

感染者数が増える事が充分考えられるので、もしこのキャンペーンを行うのであ

れば、まず医療体制を強化してから行うべきです。東京での夜の街の検査、また

新宿での劇場での集団感染を疑われる濃厚接触者の検査が実施され、結果陽性と

分かった人物への連絡が着かない、とのニュースも耳にします。陽性患者を野放

しにしてしまう事自体あり得ない話です。南アフリカでは、殺人未遂での起訴状

を持って事故隔離から逃げた男を捜索しました。

 

私には日本政府が観光立国という政策がよく理解できません。普通政策上で何か

を推し進める、決まった産業を手助けする場合、大きな国家予算が組まれます。

公共投資としての景気対策は、予算が付き物ですが、日本政府の観光客の呼び込

みは、外国人に来てもらってお金を落としてもらう。それだけです。スイスなど

の観光立国では、道路整備、鉄道整備、そして環境整備などが常に行われていま

す。国内の政治で私が望みたいのは、生活環境の改善です。リニアモーターカー

のような素晴らしいハイテクを駆使した産業を誇示するより、例えば今回の平成

2年豪雨で暴れた球磨川の治水とかを地道に行われていたら、と考え込んでしま

います。

 

------------------------------------------------------------------------------------------

■ インターネットから

------------------------------------------------------------------------------------------

 

ザルツブルク音楽祭100周年記念プレミエ「イエーダーマン」

https://www.br-klassik.de/concert/ausstrahlung-2247784.html

「コシファントォゥッテ」

https://www.br-klassik.de/aktuell/news-kritik/kritik-mozart-cosi-fan-tutte-salzburger-festspiele-100.html?fbclid=IwAR1lh0PBaFP0rW_hUom7CNG96VuxcIMPd_jP1YG3hu13Pe0Yl8g3Z86Wt8Q

 

Clarinet Concerto - Jochen Tschabrun

https://www.youtube.com/watch?v=wAJfWpjWNto

ステージ上での楽員同士の間隔を開けてのコンサート。編成が少ないから良いけ

れど・・・・・。

 

7月に亡くなった映画音楽作曲家エンニオ・モリコーネ

https://www.facebook.com/brklassik/videos/2704485486476595/?t=53

エンニオ・モリコーネ「ガブリエリのオーボエ」

蠣崎 耕三

Gabriel's Oboe 1 Oboe and 3 English Horns

Ennio Morricone  Gabriel's Oboe, Cinema Paradiso

オーボエ 大久保茉美 エレクトーン 相澤玲奈

https://www.youtube.com/watch?v=v5n5sOkr7UI&feature=youtu.be&fbclid=IwAR0oaHxFlEUOecelPyeExVil5sH34WVbEjUCl9pOwvirr9l-0aH5YhqREL4

Muenchner Rundfunkorchester und dem Chor des Bayerischen Rundfunks

The Mission

https://www.facebook.com/brklassik/videos/278309090089722/?t=23

 

Olivier Stankiewicz

Schumann: Romanzen, Op. 94

Martinu: Three Romanian Folk Songs

Janacek: Three Moravian Folk Songs

Wolpe: Sonata for oboe and piano, C. 91, Op. 31

Silvestrini: Three Etudes on Impressionist Paintings

Tonia Ko: Highwire, for oboe and electronics

Dutilleux: Sonata for oboe and piano

https://www.facebook.com/youngconcertartists/videos/316920076131713/?t=877

 

PACオーケストラ

オーボエ:上品 綾香、神農 広樹

Vol.4 A Town with An Ocean View (Kiki's Delivery Service)

映画「魔女の宅急便」より『海の見える街』−Meet-HPAC リサイタルホールから

https://www.youtube.com/watch?v=gcUH3z_Ru4k&feature=youtu.be&fbclid=IwAR2Ajg8TWatoA9Sj-_qs1v7jwMRerLYBQRlDklH79XZ__EESZpEDoDvAiKY

 

楽器紹介「オーボエとイングリッシュホルン」

Muenchner Rundfunkorchester

https://www.facebook.com/brklassik/videos/868704280317070/?t=118

 

NDR Elbphilharmonie Orchester

https://www.facebook.com/ndrelbphilharmonieorchester/videos/888105305032318/?t=79

シューベルト 未完成 1995年の録音 オーボエはマンフレード・ツェー

https://www.ndr.de/Konzert-des-Tages-Guenter-Wand-dirigiert-Schubert-8,konzertdestages100.html

ソーシャルディスタンス

https://www.facebook.com/AlisaWeilerstein/videos/1206700503024021/?t=2

 

Jonathan Kelly

https://www.facebook.com/BerlinPhil/videos/3143505869073925/?t=9

 

BR-Symphonieorchester

Kammermusik in der Nachbarschaft

出張室内楽コンサート

https://www.br.de/mediathek/video/br-symphonieorchester-kammermusik-in-der-nachbarschaft-av:5f031f7a07a6e40014fa7cfe?fbclid=IwAR24Mot_adzU0kA5eh8PWVl4suKlrG0Aw2MY1bYlAPCqK9Viyohbhm7RF_U

ソーシャルディスタンス

https://www.facebook.com/BRSO/videos/198515248246640/?t=38

https://www.facebook.com/BRSO/videos/718163855686172/?t=5

ところでバイエルン放送交響楽団のURLが変わったようです。

https://www.br-so.de/

 

die Muenchner Philharmoniker

プロコフィエフ 交響曲第1番

https://www.mphil.de/stream/?fbclid=IwAR3JO7T-zsPsUnpu5Uxv_46RyAcoPz2uv8Du6ipR4-PMsxOSSwobHrtm3uk

 

(時々登場して頂く)オーストリアのバンドがマーチを演奏するとこうなります。

https://www.youtube.com/watch?v=fntAW0xhKv0&fbclid=IwAR1X0w1EBYQpRB-j1i9pTmgA1wGo_RViSI2e-Ae1m7LtjuRk49l9nKQxVRk

https://www.facebook.com/woodstockderblasmusik/videos/2815346351921065/?t=34

 

Staatsorchester Stuttgart

コンミス、Elena Graf

Eugene Ysayes Solosonaten

https://www.facebook.com/staatsorchesterstuttgart/videos/229064271390621/?t=0

 

今度はWDRのコンサートマスター

モーツアルト、Sinfonia Concertante

https://www.youtube.com/watch?v=8Vc0ME5Uv9E&feature=youtu.be&fbclid=IwAR1_IuGiE6Yj3pjAUnDiiAJbRWXajHXVouT4yR_FXVZwVH5UKMW88b8vD2M47

 

カルロ・フェリーチェ歌劇場の管楽アンサンブル

ベートーヴェン、交響曲第1番 4楽章

https://www.facebook.com/guido.ghetti/videos/10218466330630997/?t=101

ロッシーニ, タンクレディオープニング

https://www.facebook.com/guido.ghetti/videos/10218470130125982/?t=136

 

Muenchner Rundfunkorchester

エマヌエル・パユー

モーツアルト フルート協奏曲ト長調

https://www.facebook.com/muenchner.rundfunkorchester/videos/965976370570951/?t=45

 

Gustav Mahler Sinfonie Nr. 6 a-Moll

Jukka-Pekka Saraste WDR Sinfonieorchester

https://www.youtube.com/watch?v=4IQRVslLb7s&feature=youtu.be&fbclid=IwAR2SK216Pi28zTsYCUyNE3ghIyWLhSC5Ngm13tqaDq_N5VrTBtidafz9LS4

 

Faur: Pavane / Rattle Berliner Philharmoniker

https://www.facebook.com/BerlinPhil/videos/671523056778506/

 

エンニオ・モリコーネ

https://www.facebook.com/3sat.de/videos/299248937863510/?t=33

 

カール・オルフが生きていれば今年125歳でした

https://www.facebook.com/brklassik/videos/1399890960218874/?t=127

 

フランクフルト歌劇場オーケストラ、読売日本交響楽団

ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」序曲

https://www.youtube.com/watch?v=bAdJnctHcqY&feature=share&fbclid=IwAR2SsCABSp0D9iTrzgoOECsm74z7SZWkiRAvdvvc1-cihvj-Mih22Y4y0Po

 

Blues for DD

https://www.facebook.com/sydneysymphony/videos/1253499071649380/

 

------------------------------------------------------------------------------------------

■ オーボエ演奏のコツ エマヌエル・バッハ ソナタイ短調第3楽章(その2)

------------------------------------------------------------------------------------------

 

384号でのこのコーナーでのテーマは「音楽の時代による演奏スタイル」でし

た。それでは、実際に音楽を演奏する上で時代のスタイルはどんなところに影響

するのでしょうか? 楽譜だけでは見えてこない時代の特徴。これぞ音楽解釈の

醍醐味です。

 

音楽の表現では、いろいろな手法、テクニックがございます。

淡々と演奏するだけでは表現できない、そんな世界の一例を挙げてみたいと思い

ます。

 

もし384号、385号をお読みでない方は、バックナンバーでご確認ください。

 

エマヌエル・バッハのソロ・ソナタはコンクールの課題曲として最近よく見かけ

ます。先日ご紹介致しました「バーチャル・オーボエ・コンクール」にも出題さ

れておりました。

https://virtualoboecompetition.com/

 

エマヌエル・バッハの別名「びっくりバッハ」はこの楽章の至る所にちりばめら

れております。

 

385号で、エマヌエル・バッハの音楽のイメージが、きっと皆様が楽譜から読

み取って演奏されていた物と違うという事がお分かりいただけたと思います。そ

れでは、この楽譜から、どのようにエマヌエル・バッハの音楽を構築していくか、

というのが本日のテーマです。

 

まず、お父さんのヨハン・セバスティアン・バッハの「マタイ受難曲」の冒頭の

部分をお聞きいただきたいのです。

https://www.youtube.com/watch?v=veoSSTH-6l4

永遠と音楽が続いてい参ります。

 

エマヌエル・バッハの音楽、ソナタイ短調第3楽章は、それとはまったく違う色

合いです。

 

1.フレーズ

2.強弱

3.ゲネラルパウゼ

 

この3つの要素でエマヌエル・バッハの音楽をはっきりと表現する事ができます。

 

1.まずフレーズに関してですが、永遠と続く対位法の音楽と比較すると、エマ

ヌエル・バッハの音楽は、簡単にフレーズを区切ることが可能です。まず最初の

4小節。そして次の8小節というように、はっきりと気切りを入れる事が可能で

あり、またそのフレーズが音楽の句読点のような表現になっていきます。ですか

ら、どこで音楽が、フレーズが切れるのかを聞いている人にしっかりと示す必要

があるのです。

 

その為には、フレーズとフレーズの切れ間が、メトロノームでの刻みの様に次々

に進むリズムの様に演奏するのではなく、一息入れる表現が求められます。この

特徴を頭に入れて、385号でご紹介したエマヌエル・バッハの交響曲をもう一

度お聞きください。このフレーズとフレーズの切れ目のタイミングが、エマヌエ

ル・バッハの音楽の表現の方法であることが良くお分かりいただけると思います。

https://www.youtube.com/watch?v=bVhV-Qwlc5Y&feature=youtu.be&fbclid=IwAR1maPSfBRHRrhvhJRju9mo5H5wgz1QIGpgSGzSYAQozdcp9qWcGHvW2Ar4

https://www.youtube.com/watch?v=6xBZJO-WDGE

 

--------------------------------------------------------------------------

 

応援・激励・ご希望・ご感想・ご意見、ご質問メールは

contact[アットマーク]oboeinfo.de

 

--------------------------------------------------------------------------

 

<オーボエ オンラインレッスン>

 

お宅からインターネット回線を使用しオンラインレッスンを受ける事が可能です。

 

マイクロソフト社の無料チャットソフトウェア「Teams」(推奨)、或いはスカイ

プを使いレッスンを行います。

 

ドイツとの時差の関係で、レッスン時間は日本時間の午後6時から9時までの間

でご相談に応じます。お申し込み、お問い合わせはメールでお願い申し上げます。

 

お住いの地域にプロのオーボエ奏者がいない場合でも、オンラインならレッスン

を受ける事が可能ですので、どうぞご利用ください。

 

オンラインレッスンでは、お使いの楽器、リードの状態や、響き具合を即座に診

断することは難しく、私が帰国中での通常レッスンとの組み合わせをお勧め致し

ます。

https://suemasaoboe.wixsite.com/oboeinfo

 

<日本で楽譜が手に入らない時>

 

オーボエの楽譜の出版はほとんどが輸入版です。そしてピアノやヴァイオリン、

声楽などに比べると売れる版数が少ないので、そもそもオーボエの楽譜を取り

扱ってくれる楽譜屋は非常に少ないのが現状です。ドイツやオーストリアに来

られた時にオーボエ関係の楽譜を沢山買えた、というご経験がある方がいらっ

しゃると思います。ベルリン、ミュンヘン、ケルン、ヴィーンなどの大きな都

市の楽器店には日本の楽譜屋よりはるかに多い楽譜が揃っています。そして何

と私の住んでいるブレーマーハーフェンにはダブルリードの楽譜の専門店があ

るのです。普通の楽器屋にある楽譜コーナーとは違い、ダブルリードのソロか

らアンサンブルまで出版されている楽譜の事ならほぼ全て分かります。日本で

楽譜が手に入らずにお困りの方、ご相談に応じます。

 

 

<全国のブラスバンドの指導者の方々へ>

 

オーボエという楽器は難しい楽器ではありません。初心者にいろいろな楽器を

同時に与えると、金管楽器は「プスー」と音にならず、フルートは「ヒュー」

と空を切る音ばかりで目眩がする。そんな中、オーボエは早くも音を出す事が

でき、すぐに音階も演奏できる楽器です。とっつきやすいのですがきちんとし

た指導者がいない場合は上達が難しいのは事実です。1日3時間、休日は6時

間以上練習する生徒さん方に悪い練習方法でトレーニングを強いると、悪い奏

法を身につけるために練習している事になります。

 

毎年、夏に東京、高松、浜松でのオーボエクリニックに講師として招かれ、初

心者を中心に指導を重ねております。コンクール前で集中しなければいけない

時期、生徒さん達が基本にしっかり戻る為の機会を設ける事は大変重要です。

またプロの演奏家でも一つの演奏会が終了し、次の段階にステップする場合で

も、常に基本に戻る事は忘れません。

 

きちんとした指導者がいない地方で、オーボエの生徒さん方とご一緒に奮闘さ

れている指導者の方でオーボエクリニック開催をご希望の際はどうぞ私にご相

談ください。ご一緒に方法を考えてみたいと思います。

 

--------------------------------------------------------------------------

このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して

発行しています。

配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000120874.htm

--------------------------------------------------------------------------

発行者:末政圭志

--------------------------------------------------------------------------

 

◎このメルマガに返信すると発行者さんにメッセージを届けられます

※発行者さんに届く内容は、メッセージ、メールアドレスです

 

◎オーボエ・フレンド

  の配信停止はこちら

https://www.mag2.com/m/0000120874.html?l=tmw059e65a

 

 


次のバックナンバーを読む


[バックナンバー目次]
[末政さんのメールマガジン] [本橋家トップページ]