バックナンバー:109 2006/11/15


読者の皆様、

 

お元気でお過ごしでしょうか?

 

冬時間の時差ぼけもとれてきたと同時に、日照時間がぐっと短くなってきま

した。外で何かしようと思うと3時ごろには終了させるつもりで早めに始め

ないと日没再試合、となります。最近庭仕事をしていますと渡り鳥の雁が列

を作ってがやがや鳴きながら南下していく光景を何回も目にいたしました。

でもまだ暖かい秋が続いているドイツです。

 

1ユーロが150円を超えてどんどん強くなっています。アメリカの中間選

挙が終わり中東を含めた外交政策如何に関わってきますが、中東の国々と中

国はこれから外貨備蓄をドルから他の通貨に変えていく可能性は高いと思わ

れます。その一番候補が円ではなくユーロというわけです。日本からヨーロ

ッパに旅行をされる場合、当分はユーロが高い状況が続く事が予想されます

ので、以前のようにヨーロッパで安い買い物を、という具合にはいかなくな

ってきました。

 

このメールをお読みになっていらっしゃる方は、ドイツがお好きな方、或い

はオーボエ中心の音楽関係の方だと思います。11月の木曜日は、何度も書

きますが、フジテレビ(関西テレビ、・・・・)のめざまし地球紀行という

番組(朝7時20分より放送)でドイツのメルヘン街道を紹介しております。

「のぶみ」さんという絵本作家の方が初めての海外旅行でメルヘン街道を尋

ねる企画です。南から北へ向けて旅をされ、最初の2回は既に放送されご覧

になられた方もいらっしゃると思います。11月30日が最終回でメルヘン

街道の終点ブレーメンとなります。ブレーメンの音楽隊の日本人代表で我が

家や歌劇場に取材チームが来て録画しました。

 

皆さんのどうしてブレーメンでなくてブレーマーハーフェンなの? という

疑問にお答えいたします。ブレーメンの音楽隊は近郊の動物が集ってきてブ

レーメンに行こう、という物語ですので、動物達自身はブレーメン出身では

あり得ないわけです。でもブレーマーハーフェンとも限らないわけですがそ

の辺の事は追求されませんでしたので・・・・。蛇足ですが、我々が日本で

3回演奏会をしたオーボエトリオの名称「カペラ・ブレメンシス」は、ラテ

ン語で「ブレーメンの音楽隊」という意味です。来年の夏にまた「カペラ・

ブレメンシス」による東京での演奏会を考えております。

 

テレビ局:フジテレビ及び日本全国のフジ系列テレビ局

コーナー名:めざまし地球紀行 「めざましテレビ」の一部

旅のタイトル:絵本作家が行く ドイツ・メルヘン街道の旅

放送時間:11月の毎週木曜日朝7時20分より10分間

リポーター:絵本作家    のぶみさん http://www.nobmi.com/

私が出演するはずの放送日:11月30日

 

めざまし地球紀行のホームページ

http://www.fujitv.co.jp/meza/kikaku/chikyu.html

 

100年近い歴史をもつ歌劇場に日本のテレビカメラが入ったのは今回が始め

てです。12時間撮りまくって、放映時間はたったの10分。どこをどう繋い

でストーリーを作成するのかはプロデューサー次第です。何回もメールマガジ

ンで宣伝して、「末政さん出てこなかったね!」という事もありえますが・・。

 

皆さん、どうぞ番組をお見逃しないように!!!!

 

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ミュンヘンコンクール2007

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ミュンヘンコンクール2007の詳細が発表されました。お若い人、頑張って

ください。

 

http://www.br-online.de/kultur-szene/klassik/pages/ard/ard_repertoire.html

 

 

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■ ディートヘルム・ヨーナス先生に思う事

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リューベック音楽大学の教授、身長2メートル5センチのディートヘルム・ヨ

ーナス先生がソリストでブレーマーハーフェン歌劇場管弦楽団の定期演奏会の

ソリストとして出演し、モーツアルトのオーボエ協奏曲を演奏いたしました。

11月6日、7日、8日と3回連続のオーケストラ定期演奏会でした。

 

彼のオーボエの音はドイツとしては音の線が細い方です。彼の先生がエッセン

音楽大学のファイト、ロンドンのロスウェル、フライブルクのホリガーであれ

ば傾向はオーボエがお好きな方であればお分かりだと思います。

 

音量はさほど大きくないのですが、よく細部にわたって響く音で、繊細な音楽

表現はモーツアルトによく合っていたと思います。また、低音のHから高音の

Gまで、非常にバランスの取れた響きで、高音域が、かん高いと感じさせない

演奏はさすが、と感じました。練習2回と本番3回をお付き合いして、だんだ

んと調子が上がってきたのがよく分かりました。最後のコンサート後、楽屋に

尋ねたら、「いや〜、もう唇がべろべろ」っとおっしゃっていました。もちろ

ん、唇のコンディションも限界だと思いますが、それ以上に集中力、体力的に

も大変であったと思います。

 

先日、プロオーボエ奏者の友人と電話で話しておりました。その時に今回の定

期の話しになって、彼が「ヨーナスのお弟子さんがたくさん聴きに来ているで

しょうね?」と尋ねました。2日目が終わったあとの電話だったのですが、「

いや、楽屋には学生はまったくいなかったね」という会話になりました。彼は

私と同じヴィンシャーマンの弟子なのですが、先生が演奏する重要な演奏会は

デトモルトから南ドイツまで一緒に聞きに行ったものでした。私がデトモルト

に入った頃に宮本さんがエッセンのオーケストラとシュトラウスの協奏曲を演

奏する、というのを耳にして、先輩のファゴットの岡崎さんに連れられて聴き

に出かけたものです。私が京都の学生の頃は原田さんが東京で帰国リサイタル

をされる、というので京都から演奏会に出かけました。その時に、京響の元主

席オーボエ奏者の呉山さんも会場にいらっしゃいました。電話の友人とは「最

近の学生は・・・・・」という事で話しは終わりました。音楽大学に通ってい

る学生さん方は、ずいぶん勉強になりそうな音楽会、講習会などを自己放棄し

て、チャンスを潰しているような気がします。リューベックとブレーマーハー

フェンは200キロくらいの距離です。我々が演奏を聞きにチュービンゲンま

で800キロ動いた事を考えれば簡単に動ける距離なのですが・・・・。

 

ヨーナス先生とのお話しで、「ホリガーのレッスンはどうでしたか?」との私

の質問に、演奏と指揮、作曲活動に忙しかった彼ですから、毎週のレッスンと

いうわけにはいかなかったけれど、レッスンをするときはまとめて長時間のレ

ッスンを受ける事ができたそうです。ヨーナス先生がジレーの練習曲を演奏し

た時に音を間違えたわけではなかったけれど、ちょっと指が他のキーに当たっ

てしまったそうです。その後ホリガーは、「エチュードは完璧に演奏しないと

意味がない。」と言ったきりだったそうです。

 

フライブルクの寮にオーボエの学生に関するいたずら書きがあったそうです。

1ゼメ目の学生は元気の良い角がピンと伸びたカタツムリ。2ゼメ、3ゼメと

だんだんと小さくなり、4ゼメ以降になるとナメクジのように小さくなって消

滅。そのクラスの雰囲気が良いかどうかは別として、そういう厳しい状況下で

生き残れる学生は相当な気概と実力があったと言うことだと思います。ブレー

メン音楽大学の先生のクロスチャン・ホメルもホリガーの弟子で、相当前の事

ですがブレーマーハーフェンの定期演奏会でツィンマーマンの協奏曲を演奏し

ました。トーマス・インデアミューレはドイツ・カールスルーエ音楽大学の教

授で、やはりホリがーのお弟子さんです。

 

ヴィンシャーマン先生の数多くの高弟達はドイツの一流のオケマンとして育ち

ました。ホリガーの高弟達はオケマンの数は少なくてもホリガーゆずりのソリ

ストに育ちました。

 

マイヤー、チリ、ルルーの後、天才オーボエ奏者が出ていないドイツのオーボ

エ界です。次のミュンヘンコンクールを楽しみに見てみたいと思います。

 

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ライネッケのCD

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以前、ライネッケのトリオは素晴らしい曲なので、是非お聞きいただきたい、

とメールマガジンで書きました。私が推薦しているオーボエがゴリツキのCD

がその時日本で見つけられなかったのですが、先日「オーボエ試聴室」のホー

ムページを発行していらっしゃる方からわざわざ情報を頂き、日本でも購入で

きる事が分かりました。

 

http://www.amazon.co.jp/dp/B000027FZL?tag=oboeshityoush-

 

22&camp=243&creative=1615&linkCode=as1&creativeASIN=B000027FZL&adid=0HAXAMT1Y6JAP64HE5W

 

G&

(アドレスが切れている場合は恐れ入りますがご自分でペーストコピーして繋

いで頂きますようお願いいたします。)

 

この曲は、ピアノ、オーボエとホルンの組み合わせでの重要なレパートリーで

す。きっと皆さんにも気に入っていただけると思います。

 

「オーボエ試聴室」様、情報提供、ありがとうございました。

http://homepage3.nifty.com/yoboe/

 

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機内持込み手荷物の制限

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今年の夏にイギリスで液体の爆弾が摘発された関係で、ヨーロッパ便での飛行

機持込の制限ができました。11月6日からこのルールが適用されております。

 

主な内容は液体類、ジェル類、エアロゾール類の機内持ち込みが、1個につき

100ml以内で透明な密閉式ビニール袋1枚に梱包されている事。

 

どこの飛行機会社のホームページにも掲載されておりますので、飛行機にお乗

りになる方はどうぞあらかじめご用意下さい。

 

例外として機内へ持込めるもので、イギリスへご出発およびお乗り継ぎのお客

様は、併せて下記をご確認ください。

 

・機内持込み可能な手荷物は、3辺それぞれが高さ56cm、縦45cm、横25cm以内

 の手荷物をお一人様1個のみに制限されます。また、JAL便ご搭乗に際しまして

 は、上記の制限に加え、3辺の和が115cmを超えないものが機内持込み可能な

 手荷物となります。

   

※ハンドバッグなども1個に含まれます。

※楽器(ケース入り)のみ上記手荷物1個に追加して持込むことが可能です。

 

この規制を訳すと、「お荷物は原則としてスーツケースに入れ、重量がオーバ

ーする時は速やかに追加料金をお支払い下さい。」となりますね!

 


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