バックナンバー:79 2005/5/03


読者の皆様、

 

お元気でお過ごしでしょうか?

 

日本は連休が始まりますね。リードをたくさん作ろうと思っていらっしゃる方、

ご検討をお祈り申し上げます。

 

5月8日は「母の日」だそうです。ご存知でしたか?ドイツではよくバラの花

を贈ります。子供もよくお花屋さんにバラを1輪お母さんの為に買いに来るそ

うです。日本では確かカーネーションだったような記憶がありますが・・・・。

 

「母の日」というのはよく聞くのですが、「父に日」もあることをお忘れなく!

 

5月9日はドイツの有名な詩人シラーの200年忌。この日だけでなく、今年

はドイツではシラーにちなんだ行事が行われております。もちろん、ベートー

ベンの第9も例年よりは演奏回数が多いはずです。ブレーマーハーフェンでは

町の大きな教会の合唱団がシラーの「Glocke」(鐘)の詩にブルッフが作曲し

たオラトリオを4月24日に演奏いたしました。

 

この「Glocke」という詩ですが、戦中、戦前のドイツ人は学校で暗証させられ

た、というドイツの代表的な詩だそうです。我々の娘達は残念ながら「Glocke」

の事は教わっておりません。演奏したオーケストラの仲間に聞いてみると、仲

間達は、学校で暗唱は強要されなかったけれども、詩については習ったそうで

す。ドイツでも学校教育の方針は変わりつつあるようです。厳しさが足りなく

なってきているのか、先生の根気が無くなって来ているのか・・・・?

どちらにしても生徒の責任ではないですね。この現象は!

 

 

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■ 世界はアンチ・アメリカ

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最近のドイツ政府の動きを見ていると、どうもアメリカの動きに逆らう方向に

動いているようです。イラク戦争の時に、フランス、ロシアと組んで参戦に反

対しました。戦争終了後、イラク復興のための軍隊の派遣も拒否しました。今

回の動きは、中国への輸出規制を緩和させようというシュローダー・ドイツ・

首相の提案です。現在は武器を中国へ輸出してはいけないという協定がありま

すが、それを撤廃することを検討しよう、という発言です。

 

この発言は何を意味するのでしょうか?

 

アメリカは現在、アラブ諸国の安定化(制覇?)に戦力を注いでいます。そし

て旧大国であるソ連に対しても神経を尖らせています。将来、しかし恐ろしく

なりそうな国は、急速な経済発展を続け、外貨を蓄え、軍事費にお金をつぎ込

んでいる中国らしいのです。現在アメリカ軍の原子力潜水艦はいつでも原子力

ミサイルを中国に撃ち込めるように常時待機しているそうです。

 

そういう状況を察してか、ドイツのシュローダー首相が中国に接近し、アメリ

カに対抗させられる国、中国に力を貸そう、としているような気がしてなりま

せん。

 

アメリカがイラクに乗り込んで以来、アラブの国々をテロリストの巣窟と決め

込み政策を進めています。そんな中でアメリカに住んでいるアラブ人の金持ち

達は、彼らの資産凍結を恐れて資金のシフトを始めました。また、アメリカの

支持を得て動いていたイスラエルも世界のそのような動きに同調するかのよう

に、アラファトの死後、平和への動きを示し始めています。つまり、アメリカ

にいつまで頼れるか分からない。アメリカの国力の衰退を読んでいる、という

ことらしいのです。4月の終わりにロシアのプーチン首相がアラブの国々を訪

問しております。表向きの発表では、例えばイスラエルとの会談で、ロシアか

らのシリアへのミサイルの輸出を規制する、その見返りに、イスラエルでのガ

スプロム(ロシアの石油、ガス会社)への天然ガスの採掘権を与える。なので

すが、アンチ・アメリカの話がされているような気がしなりません。私の勘繰

り過ぎでしょうかね!

 

イラク戦争で最初アメリカに付いていたポーランドは、EUに参加が決まって

からイラクから軍隊を撤退。スペインもマドリッドのテロを受けてから軍隊を

引き上げました。それ以降はぴったりドイツ・フランス中心のEU側に付いて

います。イタリア軍も秋までには軍隊を撤退します。アメリカ寄りだったEU

諸国も隣国との利害関係を重視し、アメリカ中心の力の世界地図を変えようと

しているように見受けられます。

 

アメリカ離れしてきているのはヨーロッパ、アラブ諸国だけではありません。

最近、富に経済力をつけてきている南米ですが、アメリカの提案どおり政策を

進めると、赤字が膨れ上がり、一時大変な経済危機に陥りました。アメリカは、

これによりお金を貸し付け、南米諸国をがんじがらめにしてしまう政策です。

これは、ロシアのゴルバチョフ政権に対しても実施され、見事成功。しかし現

在のプーチンになってからは、ロシアはアメリカの敵国に武器を売りまくり、

値上がりした原油で今までの借金をどんどん返し続けています。

 

アメリカの言うことを聞かない方が、国として経済的に強くなっていることが

明らかになってきています。そして、イラク戦争の時に国連を無視した行動を

とったアメリカに講義を申し込める国が地球上になかったので、うやむやにな

っていましたが、世界はそのアメリカの勝手な行動を忘れてはいません。

 

これからの世界の外交は、優秀な政治の指導者、外務大臣、外交官、情報局が

必要になっています。

 

 

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■ 処女飛行

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4月27日、フランスのトゥールーズ飛行場は一般飛行機の離着陸をストップ

し、エアバスA380のテスト飛行で何か非常事態が起きた場合に緊急措置を

取れる体制を引きました。ほぼ5時間のテスト飛行は順調で、着陸時に、緊急

着陸のヘリコプターを優先させるために上空を1周させ、余裕の航行だったそ

うです。

 

エアバスはヨーロッパの技術の結晶といわれていますが、フランスではテレビ

で離着陸の様子を番組を中断して放映。ここ1週間の新聞の取り扱いも尋常で

は無かったようで、フランス人に云わせると、自国の飛行機、とご自慢のよう

です。3万人の聴衆を集め、晴天の空に飛びあがったエアバスA380には、

フランスが作り出し、去年、運航を辞めたコンコルドの夢が託されていると思

います。

 

処女飛行が無事終了し、これから数々のテストが繰り返される、ということで

す。

 

現在150機の予約が入っています。黒字になるためには最低250機の販売

が必要ということです。まだ、どこの航空会社も飛ばしていないうちからこれ

だけの予約が入っているわけですから、経済的には問題が無いはずです。

 

 

 

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■ 最低賃金   

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ドイツでは、新しいEU諸国からの安い労働者の為に失業率が下がらない、と

いう問題を抱えています。

 

現在はアスパラガスのシーズンですが、このアスパラガスを取るのに、季節労

働者を必要とします。ドイツの労働省は失業者に仕事を割り当てるべきだと主

張するのですが、雇用側は、ドイツ人の労働者は使い物にならない、と拒否。

 

確かに、時間が来るとさっさと帰る準備を始めるし、賃金は高いし、要求だけ

は2人前という3拍子揃ったドイツ人を雇いたがる農家がいないのは納得でき

ます。

 

このほかにも季節労働を必要とするのはワインの為のブドウ収穫です。ワイン

の蔵元をWinzer「ヴィンツァー」と呼びますが、ヴィンツァーも同じように

ドイツ人の労働者を嫌っています。

 

現在、そのような主にポーランドからの季節労働者への規制の為に、建築業界

で導入している最低賃金の法則を拡大することを政府は検討しています。もし

このような事態になると、賃金は上がる、そしてEU同士で定めている年金の

相互支払いも加わり、アスパラガスとワインの値段が急に高くなる危険性があ

ります。

 

う〜ん、2003年ビンテージは世紀のワインだそうだから、今のうちに買い

集めておくのがいいのかな〜〜〜。

 

4月28日のドイツの新聞「Welt」に、最低賃金を制定する条件として組合が

作られ、雇用側と交渉できる体制が作られること、と書いてありました。

http://www.welt.de/data/2005/04/28/710823.html

 

タイトルは「Entsendegesetz fuer alle Branchen 」

 

ドイツではアスパラガスの収穫、ワイン用ブドウの収穫に、食肉の解体作業も

東側の外国人労働者で多くまかなわれているそうです。

 

 

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■ ドイツの景気見通し 

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ドイツの景気見通しに関して、政府のクレメンス大臣からの発表がありました。

今年の景気の伸び率を1.6パーセントから1パーセントに引き下げました。

 

6つのドイツの代表的な経済研究所の見通しでは、0.7パーセント、EUの

見通しでは0.8パーセント。

 

政府は一生懸命に景気が良くなります、と国民に暗示を掛けたいところですが、

現実は非常に難しい状態です。

 

失業者数は最近になり減少の傾向にはありますが、12パーセントの496万

8千人。やっと500万人を切ったところです。

 

コール政権の時に東西ドイツ統一がありました。その時に、当時の政権は東の

経済状況を見誤り、西側ドイツの経済負担が急激に増加。そして、統合された

ドイツがしっかり立ち直らないうちにEUのユーロが出発しました。結局つけ

はドイツの経済にしわ寄せとして発生。その代わりにユーロ圏に加わらなかっ

たイギリスは経済が順調。EU圏の国々の中では、アイルランドを筆頭にスペ

イン、ギリシャなどの経済が著しく伸びました。

 

2007年にはEUに新しく加盟し、まだユーロを導入していないポーランド

あたりから、ユーロへの参加が加わりそうです。更にトルコをEUに加える検

討が行われている中で、ドイツへの経済の負担は大きい、と言えます。

 

新しくEUに参加してきた国々は、まだ労働賃金が低く、ドイツの企業も次々

に工場をドイツからその国々に移しています。周りのそういった国々がある程

度の水準まで登る間はドイツの経済が格段に伸びる可能性は少ないと見られま

す。それでは、ドイツの企業はつぶれてしまうのでは、という懸念が出てきて

当然なのですが、そうではありません。政府と違い、民間企業は対応が早く、

例えば、ドイツ銀行の今年の4半期の企業成績は順調です。去年の同時期に比

べて17パーセントプラス。更に人員削除を発表して、株式自社買いも発表し、

利潤を更に追求しています。他にも、工場をドイツからポーランドやレットラ

ンド、ルーマニアなどに移している企業も多く、ドイツの企業の成績は必ずし

も悪いわけではありません。そういった面から見ると、現在のドイツ株は国際

的に見て割り安の株が多いそうです。

 

5月1日の新聞、「Welt am Sonntag」では、2010年まではドイツの景気が

好転する見込みは薄いと記事にしています。

 

 

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■ Hexen Tanz                         

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5月は、ドイツでは冬が去り、新緑の緑に加えて花が一斉に咲き出す、大変美

しい季節です。詩人達も5月に入った喜びを詩にしています。

 

ハノーファーの南方にあるハルツ地方、ゴスラー近辺には昔、魔女が住んでい

たという言い伝えがあります。ドイツ語で魔女のことをHexe(ヘクセ)と言い

ます。このヘクセ達は中世に入り、領主が政治的にいかがわしい、人民をたぶ

らかす象徴として捕まえて火やぶりにしてしまいました。しかし、それ以前の

へクセは薬草を使い傷を治したり、おまじないをして飢饉から人々を救ったり、

丁度中国の仙人のような存在でした。

 

4月の最後の日の夜、この魔女が踊る、という言い伝えがあります。Tanzはド

イツ語で踊り、です。魔女が踊り、まじないを唱えると、暖かくなり、花が咲

き出し、人や動物達の活動も活発化してきます。

 

南ドイツではMaibaum(マイバウム)という高い木に、飾りを付けたり、葉っぱ

で組んだ輪をつけて町の中心に立てます。Maiはドイツ語で5月、Baumは木を意

味しています。この風習も日本の新年の門松と似ており、これから来る時期が

実り多い事を願いつつ立てるそうです。

http://images.google.de/images?q=Maibaum&hl=de&lr=&sa=N&tab=wi

 

ドイツ人にとっては5月は心の正月と言えます。

 

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■ ホームページ訪問5 「オーボエ屋台」

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訪問第5回目は「オーボエ屋台」のホームページです。

http://www7a.biglobe.ne.jp/~oboe/

 

まずは代表の方からのメッセージです。

 

 

限りなく独自の味(個性)にこだわりを持ち、同業者と群れることを苦手として

いたオーボエ吹き。こんな一国一城の主たちが各人のレシピを持ち寄り「面白

い味を作ろう!」と立ち上がりました。

構想から三年余り、兄貴分であるファゴット商会のメンバーの呼び掛けで東京

近郊のアマチュア・オケ、オーボエ奏者が集い2002年11月に発足しまし

た。

各々の個性を生かしたライブ演奏の開催、多様なアンサンブル譜(特選素材)の

委託、その特選素材のレコーディング、惣菜としてリードなどの手助け・・・

等々、なかでも呑み会がメインかも。

そんな「オーボエ屋台」も今ではメンバーが7人、それにただ今、増殖中です・・・

 

それにファゴット集団「ファゴット商会」

http://homepage.mac.com/heckelfg1/fg/index.html

クラリネット集団

salon de cla」http://salondecla.hp.infoseek.co.jp/

仲良し三団体で活動しています。

 

それではメンバーの自己紹介をさせて頂きます。

http://www7a.biglobe.ne.jp/~oboe/yatai/newpage1.html

 

 

>「オーボエ屋台」だけでなく「ファゴット商会」「クラリネット集団」まで入

>っていてにぎやかな事で、結構かと思います。皆さんで集まっての飲み会あり

>ますか?

 

 

「オーボエ屋台」と言うくらいあって飲み会は練習の回数よりも多いですねぇ〜

 (^.^)

ライブや演奏会の後はもちろんですが毎回のリハーサルの後も反省会と称して

飲み会は欠かすことありません。

 

それ以外でも店主(オヤジ)の号令でがあれば・・・

「ファゴット商会」や「salon de cla」も交えて。

場所は主に大井町、品川、新橋といったところですが都内全域どこにでも出没

しますよ。

 

 

>ご予定しているアンサンブルなどの演奏会はございますか?

 

はい、定期的にライブをしています。

定例としては第5週の水曜日の夜にやっています。

次回演奏会は6月第5水曜日、ダイニングバーでのライブの予定です。

オーボエ屋台のほかにファゴット商会、サロン・ド・クラ、ホルン・ギルドも

出演します。演奏曲目はまだ未定ですが、きっと屋台総会(という名の飲み会)

で決まると思いますよ。決まり次第、ホームページにアップしますので近くな

ったら是非ご覧ください。

 

>これからの企画なんかについて少々、・・・。

>こんな企画ができたらいいなあ、という夢でもかまいません。

 

夢ですかぁ〜。

 

屋台には兄貴分の「ファゴット商会」に「師匠」と呼ばれてるスーパー・アレ

ンジャーがいます。

お蔭様で屋台のレパートリーもかなり多くなりましたが・・・「特選素材」

http://www7a.biglobe.ne.jp/~oboe/yatai/newpage2.html

 

その特選素材を生かしてCDデビューするのが夢かなぁ〜!

今までの記録として録音会でもできたらな、と密かに思っているところです。

同じ仲間でプロのレコーディング・プロデューサーもいることだし。

でも「ライブ本番(だけ?)に強い!」というのが取り柄な団体なので、

上手くいくかどうか・・・?

 

>「オーボエ屋台」とはよくつけた物だと感心致します。ホームページの内容も

>アマチュアオーボエ奏者達の心意気を感じさせてくれます。日本全国にこの様

>な屋台がたくさん出来て、オーボエ人口が増えてくれると嬉しいですね!

 

>読者の皆様で「オーボエ屋台」に負けないチームを構成していらっしゃる方、

>どうぞ、名乗りを上げてください。

 

>にぎやかな「オーボエ屋台」の皆様、これからの更なる活発なご活躍をお祈り

>申し上げます。

http://www7a.biglobe.ne.jp/~oboe/

 


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