バックナンバー:77 2005/4/2


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フランクフルト ミュージックメッセ

 

4月6日〜9日

世界で一番大きな楽器、ミュージックソフト、楽譜、などのメッセ

 

http://musik.messefrankfurt.com/frankfurt/de/home.html

 

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読者の皆様、

 

お元気でお過ごしでしょうか?

 

ドイツは夏時間に入りました。日本との時差は7時間です。我々のオーケスト

ラの練習は他のオーケストラに比べて朝の練習が早いのです。9時30分から

始まるのですが、楽団の練習室の時計がまだ冬時間のままです。そうすると練

習開始時間は何と朝の8時30分!何か一気に眠気が襲ってきます。

 

 

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■ ヨハネス・パウルII

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世界中のメディアはヨハネス・パウルIIに現在集中しています。初めてのイタ

リア人ではない生き神様は25年前に誕生しました。ポーランドのクラッカウ

の司教からバチカンへ上りました。母を9歳の時に亡くし、それから一途にキ

リスト教へ入ったそうです。戦争当時多くのユダヤ人の友人を亡くし、ナチの

ユダヤ人虐殺も目の当たりにしているそうです。今年の復活祭でも声は出せな

かったにしても姿は現しました。最後の最後までご苦労さんであったと思いま

す。このヨハネス・パウルIIは政治力にも長けていて、ドイツ統合の際の影の

立役者と言われています。ポーランド人であったということもあったのかもし

れませんが、ロシアのゴルバチョフに働きかけ、統合を早い時期に達成させる

可能性を作ったと言われています。

 

パーキンソンを患いながら世界中を回り、人々に話しかけました。今度は多く

人々が現地のカトリック教会でヨハネス・パウルIIの為に祈りをささげていま

す。

 

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■ 北九州地方での地震 

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先日、九州地方で地震がありました。被災された方、お見舞い申し上げます。

私は福岡に小学校時代住んでいたことがあり、学友が何人もおります。ドイツ

でのテレビニュースで天神のビルのガラスが粉々に割れて道路に散らばってい

る様子を見て、心配になり早速メールを書きました。皆さんお怪我は無かった

らしく安心いたしました。

 

また、九州交響楽団は当日演奏会が地震発生時、コンサートのGP前だったそ

うです。友人からのメールによりますと、ステージには数人しかいなかったそ

うですが、アクロスシンフォニーホールのステージの天上から石膏ボードや金

属製の枠組みの一部が落下してきてすごい状況で、あと何分か後だったらと思

うとぞっとされたそうです。怪我人は出なかったそうですから、良かったです。

「地震国日本を再認識しました。」と書かれていらっしゃいましたが、実感が

篭っておりますね。

 

地震がなくても、ステージは照明などの吊り物が多いのです。昔ハンブルクの

NDR・シンフォニー・オーケストラで照明が落ちてきました。それが原因でイン

グリッシュ・ホルン奏者が亡くなっています。事故ですが、恐ろしい話です。

 

スマトラではまた地震がありました。天災は怖いですね。

 

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■ シューマン作曲 交響曲第4番 初版 

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4月に入って、すぐにオーケストラの定期コンサートがあります。そのプログ

ラムのメインにシューマン作曲、交響曲第4番が組まれているのです。我々が

演奏するのはその初版。これは結構曲者です。普通演奏される版は、後にシュ

ーマン自身により書き直されたものです。私も楽団員もその最終版が頭に入っ

ております。確かに曲は聴きなれた交響曲と似ています。しかし、部分的に違

い、演奏は大変やりにくいです。

 

オーケストレーションが違うのです。つまり、我々が普通知っている旋律では

あるけれどパートが違う。という訳で、気をつけないと普段吹かなくても良い

ところに音符があります。普段楽器を持って演奏するところは別の楽器が演奏

しています。

 

このメールマガジンを書いている現在は、この定期演奏会に向けての練習が続

いおりますが、良く落ちること・・・・。私だけではありません。(救いの神)

 

気をつけないと、この曲!!!

 

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■ アムステルダムのゴッホ美術館 メールビデオカード・サービス 

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我家族は復活祭にちょっとだけアムステルダムに旅行しました。オランダは美

術の宝庫ですが、中でもアムステルダムにはレンブラントのある王立美術館、

ゴッホ美術館とすばらしい美術館があり、何日も滞在してゆっくり見たいもの

です。

 

そのゴッホ美術館から家族は私宛てにビデオ画像入りのメールを送ってくれた

のでした。差出人を適当に自分で書き込めるシステムらしく、アルファベット

SUEMASAと書き込んでありました。件名は英語で「SUEMASA has sent you a

videocard from Van Gogh」とあったのです。

 

受け取った方の私は、最近のジャンクメールは差出人に本人の名前まで勝手に

入れるようになったのかと思い、すぐさまゴミ箱入り。ビデオカードとあれば

尚のこと。

 

家族が戻ってきて、「メール見た?」「いや、見てない!」「送ったのにおか

しいわね? 着かなかったのかしら? カメラに向かってしゃべったのよ!」

 

「あっ!ひょっとして?」

 

と言うわけで、まだゴミ箱にあったメールを拾い出して開き、家族で一緒に見

ました。

 

このサービスは無料だそうです。

 

 

 

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■ アムステルダム

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アムステルダムは海を埋め立てて作られた町です。地盤はベニスと似ていて弱

いです。ベニスはいずれ幻の町となるかもしれませんが、アムステルダムも結

構危ないようです。砂と粘土の地盤の弱いところでは家が傾いてきます。それ

を少しでも防ごうと、家につっかえ棒をかましてあります。

 

イタリアやパリの蚤の市は、何かすられたらそこへ行けば見つかる?といわれ

るくらい盗品の多い市場だそうですが、アムステルダムの蚤の市は麻薬の宝庫。

適当な大きさのしゃれたリュックサックを売っていたそうなのですが、どうや

ら麻薬用のリュックだったらしく、描かれている絵が、その麻薬の植物だった

そうです。

 

EUの国境がなくなって、結構ストレートにこのような麻薬がドイツにも入って

きているようです。知り合いの大学生の息子は、スポーツクラブの大会でオラ

ンダに行った帰りに、税関の抜き打ち検査に会い、パンツまで脱がされたそう

です。

 

アムステルダムにはアンネ・フランクの家があります。私が訪れた何十年も昔

は、その隠れ家に上がる階段は1つ。登る人と降りる人がすれ違えずしばらく

待った記憶があります。現在は隣の家まで買い取り、降りる方はそちらへ回し、

一方通行にしている、ということです。戦後60年の歳月を経てアンネ・フラ

ンクの家が大きくなるなんて誰が当時考えたでしょうね。

 

オランダで有名なのはダイヤモンド、チューリップ、デルフト焼き。食事は中

華、インドネシア料理それからレアダマーを代表するチーズといったところで

しょうか。チューリップの球根は夏、日本からアムステルダム経由でドイツへ

帰る時に飛行場でよく買い求めます。コイケンホーフというアムステルダム郊

外のチューリップ畑、というか有料の公園ですが、それは大規模なお花畑で、

4月が一番の花盛りです。

 

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■ ユコス問題の後のロシア                             

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昨年、ロシア最大の石油会社ユコスは脱税容疑で訴えられ、課徴金を支払う事

ができずに倒産。現在同様な容疑でガソリン会社「Bensina njet」の資金が凍

結されている。日本のタバコ会社JTIも同じような容疑をかけられている。

 

1999年の税金争議は8万5千件。2004年は35万件。争議の発生成長

率はなんと73パーセント。そして税務署はその71パーセントの争議に敗れ

ている。税務署は1回目の訴訟で敗れても控訴を続け、その間企業の資金は凍

結され、企業が最終的に争議に勝った時点では既に収益が無くなり倒産。

 

このような税務署の方法に嫌気をさした投資家は現在ロシアからの資金を引き

上げはじめているようです。

 

ロシアの株式指標の動きは

http://info.consors.de/financeinfos/chart.do?ID=1356892&ID_NAME=ID_NOTATION&GRID=on

 

ただ、経済成長率は先進国とは比べ物にならないほど高いのです。投資の魅力

はある国ですがリスクは大きいです。

 

 

 

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■ ユーロ硬貨 フィンランド   

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人からお聞きした話ですが、フィンランドはユーロの価値の小さい1セントと

2セント硬貨を作らないようにする、らしいのです。フィンランドの1円玉、

2円玉が手に入らなくなるかもしれません。もし、旅行中にフィンランドの小

さな硬貨を見たら、使わずに保管してください。それが将来100倍になるか

もしれません。(1円が100円になるだけですが・・・)

 

 

 

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■ ホームページ訪問3 「アトリエ・アー」

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訪問第3号は「アトリエ・アー」のホームページです。

http://www2.ocn.ne.jp/~atel.a/index.html

 

まずはご本人、金谷伸一先生からのメッセージです。

 

 

 中・高と吹奏楽部でアルトサックスを吹くというお決まりのコースをたどっ

た私は、都内の某理科系大学に念願の補欠合格(?)を果たし、オーケストラ

に入部。吹奏楽よりオケがしたかった私は、吹いたこともないのに一発で音が

出て運指がサックスに近いという比較的単純な理由と先輩のすすめ(というよ

り命令?)でオーボエに転向ということになりました。

 ある日曜日学校に集合させられたオーボエの1年生は行き先も告げられずに

先輩の車に乗せられ、たどり着いた先は虎谷迦悦先生の自宅でした。これが虎

谷先生の第1回目のレッスン。その後先輩から1か月に1度の割合でレッスン

を受けるように言われました。卒業後もレッスンを受け続けました。年に1回

とかでしたが。

 まだ日本が経済的に余裕があり、教員採用の多かった大学4年のとき、数学で

高校の教員採用試験に合格してしまい、赴任早々吹奏楽部・音楽部兼任の顧問

ということになりました。「ステージデビュー」はなんと音楽部の合唱指揮!

ちなみに初めて演奏でギャラをいただいたのはモーツアルトのCーDurのミサの

2番オーボエ.美しい曲な割に大変な曲でした。

 現在は4つめの学校でやはり吹奏楽部の顧問をしています。時間ができたら

県のディレクターズバンド(指導者のバンド)で演奏したいと願っています。

また10年くらい前からオーボエを教えるという立場にもなりました。オーボ

エ人口が増えるといいですね!

 

 

> もう25年くらい前のお話ですが、東京理科大学オーケストラ部の夏の合宿

> にお邪魔したことがあります。各パートにトレーナーを置かれており、大変

> な熱の入れようだと、感心したことを覚えております。このオーケストラを

> 影で支えていらした、当時の宮本文明さんの後援会長を務めていらっしゃっ

> た方、まだお元気でしょうか?

 

 

偶然にもその時私は学生でして、その合宿に参加しておりました。当時のこと

は大変楽しい思い出です。理大オケの通称「おじさん」は何年もまえに

すでに亡くなりました。すごく悲しかったですね。

 

 

> 金谷先生は山形県酒田市鶴岡市を中心にオーボエとブラスバンドのご指導

> をされていらっしゃいます。この地方の方で、オーボエに関するご相談があ

> る方はどうぞ先生のホームページを是非一度覗いてみて下さい。

 

> また、オーボエのホームページには稀なオーボエ・ダモーレ情報もございま

> す。

http://www2.ocn.ne.jp/~atel.a/index.html

 

 

 

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■ オーボエ奏者として考えている事 2

 「アンサンブル」その3 メロディー(パートIII)「運命」その2         

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去年からオーボエ奏者としての重要な役割「チューニング」に引き続き、数回

にわたってオーケストラの中で演奏する上で、私の考え方を書いて参りました。

 

プロ奏者はこんな事を考えているのか、というご参考になれば、また、皆様が

オーボエを演奏する時にちょっと頭の片隅に入れておいて頂き、確かメールマ

ガジンでこんな事が書いてあった、とケース毎に思い起こして頂ければ幸いで

す。

 

 

 

普段、ソロの曲を勉強しているとほとんどがメロディーで、例えばオーボエ協

奏曲の中で、ソロのオーボエ・パートがリズム打ちに回ったり、ハーモニーに

回ることは少ないですね。オーケストラでも高音域を受け持つオーボエは、美

しいメロディーを奏でる役が多く、オーボエを演奏したいと思ってこの楽器を

始めた方々は、この音楽の主役的メロディーに誘われた方が多いのではないで

しょうか。元NHK交響楽団のオーボエ奏者似鳥先生は「オーボエはオーケス

トラのプリマドンナ」と述べていらっしゃいます。私もオーボエ奏者として是

非そうありたいと願っております。

 

 

 

 

[76号からの続き]

 

ベートーヴェンの運命交響曲、第1楽章のオーボエソロに自由に演奏しても良

いでしょうか、あるいは何らかの制約があるでしょうか? というのが先週の

問いでした。

 

さて、私の結論から申し上げますと、このようなまったく1人の任されるソロ

であっても全体の音楽構成から外れては曲をなしません。では何を注意すれば

良いのでしょうか?

 

楽章のキャラクター、という事を是非お考え下さい。確かにこの部分のソロは

フェルマータで音を伸ばし、失速しています。しかし、根本的にゆっくりの楽

章のカデンツではないので、あまり大きく伸ばしすぎない方が賢明かと思いま

す。

 

4分音符の動きはなるべく早めに動かし、譜割りもあまり自由になり過ぎない

ように考えます。1音1音はそれほどもたれないように気をつけ、全体が大き

く分けて2つにまとまるように私は考えて演奏しています。

 

最初はフェルマータから次の2分音符まで、次はその2分音符からカデンツの

最後までをまとめて考えます。(楽譜の例、ホームページ、オーケストラスタ

ディ参照)

 

蛇足ながら、このパッセージを練習する場合はその前後もまとめて練習される

ことをお勧めいたします。息の配分と、前後の音程も合わせて練習してくださ

い。

 

 


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