バックナンバー:56 2004/04/01


皆様お元気でお過ごしでしょうか?

私は今週から早起きになりました。早起きは3文の得。果たして得ができるか

どうかは・・・?

なぜかというと私の意志にかかわりなく時計が今週から1時間進んでいるので

す。もし、早起きが3文の得、ということになるとヨーロッパ中の人が得をす

ることになり、日本の皆さんは損をする!???

早い話が「夏時間」ということです。日本との時差は7時間です。

 

ドイツもすっかり春になってまいりました。今年の冬はあまり厳しくなく灯油

の消費が少なくて助かりました。去年の秋に夏が暑いときはその次の冬の寒さ

は厳しい、とか言っていた人がいましたが・・・。

 

ドイツにドルトムントという都市があります。そこで先日行われたアイススケ

ートで日本人の荒川静香選手が堂々ゴールドメダルを獲得。次の日にオーケス

トラの仕事に行ったら皆に「おめでとう」と言われ何のことかと思ったら、荒

川さんのことだったのです。

 

今年の4月4日はドイツで結婚式が多い日です。西洋式に日付けを書くと、

04.04.04ってな具合になるわけです。来年は05.05.05で日本では子供の日です

ね。というわけでこのシステムの結婚記念日は2012年まで続きます。その

後は????

 

今回のメールの配信、04.04.04にしたら良かったかな???

 

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■ ベアダー・ブレーメン       

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ドイツの代表的スポーツはサッカーです。今シーズンのドイツリーグは夏で終

わりますが、ベアダー・ブレーメンが優勝に向けてまっしぐら。2位のバイエ

ルン・ミュンヘンの追随を許していません。来シーズンは日本でのWMで活躍

したクローゼをスカウトしているので、これまた楽しみです。ただ、現在活躍

しているブラジル人のエバトンがバイエルンに移籍してしまいますので、よほ

どクローゼが活躍してくれないと今回のトレードは金銭的にも大失敗になりま

す。

 

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■ 南アメリカがまた復活?

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先回のメールマガジンでビール会社乗っ取り合戦でベルギーのビール会社イン

ターブロイがブラジルのビール会社Bebidas das Américas(ブラジル語の発音

が分かりませんのでローマ字で書いておきます)を吸収合併し、世界一のビー

ル会社に、ということに触れました。その数日後スペインの通信会社テレフォ

ニカがラテンアメリカの携帯の会社ベルソウスを吸収合併。そしてメキシコ一

の富豪カルロス・スリム、テレメックス社長がブラジルの電話会社エンブラテ

ルをこれまた吸収。アメリカのスーパーマーケット、ウォールマートがブラジ

ルのボンブレコを買取り。今年の初めにはスイスのセメント会社ホルシムがメ

キシコのアパスコを吸収。スペインの2番目に大きい銀行バンコ・ビルバオ・

ビツカヤ・アルゲンタリアがメキシコの第1の銀行バンコメルを吸収。

 

ヨーロッパ、アメリカのの資本が、また南アメリカに動き始めている、という

ことらしいです。

 

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■ エイプリルフール

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ブレーマーハーフェンの動物園には岩の壁が何箇所もある。この壁は高さが約

10メートルほどあり、山そのもの。そこに目をつけたスイスの登山家が登山

の講習会をすることを企画している。講習会は4週間単位で行われる予定。初

心者はペンギンのおりの部分からスタート。上級者は白熊のおりからスタート

する。白熊の口には噛みつかれない様に口輪をはめるので心配は無い。岩を上

り詰めると、ヴェーザー川の美しい眺めが現れるという事で、ブレーマーハー

フェン市の新しいアトラクションとして期待されている。お問い合わせは・・

・・・・・・へ。

 

バード・ベーダーケーザー(ブレーマーハーフェン近郊の保養地)では、池の

泥を使って美容パックをすることを計画していたが、この度、フランスの薬品

会社・・・と提携が決まり、本日15時から・・・ホテルにて記念パーティー

が開かれる。北ドイツでは海の海岸の泥を美容パックとしてすでに実績を挙げ

ているが、バード・ベーダーケーザーの池の泥を検査した所、同じような美容

に良い成分が配合されている事が分かり、市がこの誘致計画を進めていた。こ

のパーティーには、一般の人も参加自由で、実演も計画されている。

 

両方の記事とも去年の「エイプリルフール」のでたらめ記事である事が、2日

にあらためて掲載されていた。バード・ベーダーケーザー市のホテルに現れた

人はいなかったようだが、数年前、この新聞社が次の様な記事を掲載した時に

は数人が現場へ現れたそうである。

 

ブレーマーハーフェン市にある船舶博物館が経営困難を理由に館所有の絵を数

枚オークションに掛ける事にした。この絵の中にはブレーマーハーフェンをよ

く描いたヴィルケ(ブレーマーハーフェン出身の近代画家。ブレーメン近郊の

画家の村、ヴォルプスベーデで活躍していた)の絵画も含まれている。オーク

ションは本日10時より、博物館内で行われる。

 

実際に現れた人には、新聞社から記念品をいただけたそうである。日本の新聞

社がこのような記事を掲載したという話はあまり耳にしたことがありません。

ご存知の方、メールをいただけますか。

 

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■ テロ関係とスペイン選挙

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マドリッドの爆破事件で、選挙の結果が思わぬ方向に変化してしまいました。

15日、政権は社会党に移行。新政権はイラクから部隊を撤退させる、と言い出

し、新スペイン政権は実質上イラク問題でアメリカ路線からヨーロッパ路線に

鞍替えしました。

 

この影響がアメリカのブッシュ政権に悪影響を及ぼす事は必至だと思います。

今回のイラク戦争のように国連を無視し、こじつけた戦争理由の大義名分が成

りたたくなった現在、1つの国の路線が選挙によって変化した事は、今年のア

メリカ大統領選挙に及ぼす影響は少なくない、と言えます。

 

ただ、今回のスペインでのテロ事件が選挙の直前で、このような事件がきっか

けで選挙の方向を変えてしまうということであれば、どこの国であろうと、今

後選挙前はテロを警戒する必要があるかもしれません。そしてこの現象が民主

主義の危機につながる可能性もあるのではないでしょうか。

 

台湾でも選挙直前に現職の政治家が襲われたり、武力で政治の方向を決めたい

と考えている人も少なくないわけです。

 

11月に行われるアメリカ大統領選挙の前は世界中の、特にアメリカ寄りの国の

警備にはかなりの警備が強化されると思います。日本の警察もスペインのテロ

契機にきっと今からアメリカFBIなどと協力して情報交換を強化している事

でしょう。

 

22日、イスラム原理主義組織のハマスの創始者ヤシン師を殺害したことをきっ

かけに中東情勢の緊迫懸念が拡大。イスラエルはわが国にとってのテロリスト

をやっつけた、と述べています。この事件に対してイギリス外務大臣は、国際

法に違反していると表明。イギリスはアメリカとともに国連の総意を無視して

イラクを侵略したことを早くも忘れているらしい。

 

24日、ドイツ大統領ヨハネス・ラオがアフリカ訪問中テロの危険性が拡大し、

旅行を中止、即座にドイツに帰国した。ドイツ大統領は政治色のない親善訪問

が主な仕事。ラオ自身、テロに屈して旅行を中止したくないが、他の人に危険

が生じるかもしれないので仕方がない、と見解を発表。

 

イギリスでは、犬がテロリストの標的になった。交通事故を装って犬を殺そう

としたそうだが、ちょうど犬がタイヤとタイヤの間で伏せたので軽症で済んだ。

この犬、実は爆弾を探し出す活動をしている。その為にテロリストが命を狙っ

た、という事件。

 

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■ オーボエ奏者として考えている事 2「アンサンブル」その3ーリズム              

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今年に入りオーボエ奏者としての重要な役割「チューニング」に引き続き、数

回にわたってオーケストラの中で演奏する上で、私の考え方を書いていきたい

と思います。

 

プロ奏者はこんな事を考えているのか、というご参考になれば、また、皆様が

オーボエを演奏する時にちょっと頭の片隅に入れておいて頂き、確かメールマ

ガジンでこんな事が書いてあった、とケース毎に思い起こして頂ければ幸いで

す。

 

 

 

 

アンサンブルでは、3つのギヤーを入れ替えながら、どこを基準に演奏するのか、

という事を常に考え、その基準のパートをよく聴く事がこつ、という事を先回

のメールマガジンで書きました。

 

これから、音楽の3要素、リズム、メロディー、ハーモニーの順番にオーケスト

ラでの実際の演奏での注意点を研究してみたいと思います。

 

 

 

 

まず、リズムについて検討してみましょう。オーケストラでリズムを築いてい

るセクションは云わずと知れたパーカッション。まずはそこに意識の焦点を合

わせます。パーカッションがリズムを打っている時は、何が何でもここへ合わ

せます。少々パーカッションが遅かろうと早かろうとかまいません。オーケス

トラ全体がここへリズムを集中させます。これに逆らうとリズムが狂って合奏

が崩壊します。特に金管楽器とパーカッションのリズムの連携は絶対です。曲

の最後の盛り上がりなどの部分では、特にそのリズムに合わせることで全体と

しての盛り上がりの威力を発揮します。こういう部分では指揮者などを見る必

要はまったくありません。ましてや、あなたのリズムが指揮者と合っていたと

しても、パーカッションのリズムに逆らって演奏する事は愚の骨頂。

 

当たり前な事、とお考えになるかもしれませんが、実はそうではないのです。

 

指揮者が自分で盛り上がってパーカッションより先走る事はよくあるものです。

そんな時に直ぐ反応でき、指揮者と一緒になって先走っていくセクションは小

回りの効くヴァイオリンと高い音域を奏する管楽器です。そして指揮者は音の

低い楽器群をあおるために更に激しく振り出します。それに一生懸命素直に付

けて演奏するのがまた、高い音程のグループでスピードの差は縮まるどころか

開いていく事さえあるのです。

 

日本ではあまりなじみの無いオーケストラピットでの演奏です。オーケストラ

ピットとは、オペラやバレエの伴奏で舞台と客席の間にある地下空間です。そ

こにオーケストラが陣取っています。

 

この場合配置が問題です。普通オーケストラピットでは客席から見て右側奥に

打楽器が、その直ぐ前に金管が、そしてその左横あたりにコントラバス。金管

の前にビオラとチェロ。左側はヴァイオリン、その後ろに木管、左奥にホルン

という感じで配置されています。

 

この配置を想像していただきたいのですが、左側はだいたい小回りの効く高音

域の楽器群。右側はコントラバスやチューバを代表にスピード演奏の苦手な楽

器群が配置されています。この様な場合、テンポが右半分と左半分が分かれて

しまう事が良くあるのです。これは、メンバーが耳を使わずに目を使って、し

かも目は楽員同士のアンサンブルの為ではなく指揮者に集中されているために

起こる現象です。

 

どんな場合でもパーカッションがリズムを作っている部分はこの様な立地条件

でも絶対と思っていただきたい。要するにあなたは何もせずにパーカッション

のリズムにさえのっていればそれでよいのです。

 

セカンドヴァイオリンが或いはビオラがリズムを刻んでいる部分は案外聞き辛

いものです。どこのセクションであれ、リズム打ちがある場合はあなたが頑張

ってリズムを作っていく必要はまったくありません。何もしないでそのリズム

に乗って演奏するのがアンサンブルです。

 

もう一言付け加えますと、コントラバスやチューバがアンサンブルに加わって

いる場合です。こういう場合はオーボエの演奏はなるべくゆったりとはっきり

と演奏し、この低音楽器を一緒にあなたが連れて行ってあげる心構えと配慮が

必要です。

 

他に特殊な音楽的なリズム、例えばワルツとか、チャルダッシュとか、8分の

6拍子のリズムとか、書き出せば色々出てまいりますが、その事はいずれまた。

 



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