バックナンバー:45 2003/10/14


皆様こんにちは、

 

ドイツはすっかり秋です。家には暖房が入り始めました。ドイツで一番高い山、

ツークシュピッツェでは初雪のようです。お店ではクリスマスの品が出始めま

した。

 

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■ オーボエ・ジョーク(その2)        

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アダムとイブが神様の言いつけを守らず、りんごを食べてしましました。怒っ

た神様は地球めがけてありとあらゆるものを投げつけました。その中に楽器と

してオーボエも入っていたのです。このようにして地球の誕生となったわけで

すが、しかし、神様、リードを投げるのを忘れていました。

 

それからというもの、オーボエ奏者はリード作りに追われる運命を背負わされ

たそうです。

 

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数人の方から、オーボエジョークのサイトを御紹介頂きました。

「青少年のためのホラ吹き楽入門」発行者:狂箪笥 様

発行者の御了解を得まして、リンクいたします。

http://www.kk.iij4u.or.jp/~takuya/hora.htm

 

先回のジョークはビオラジョークでは?とお叱りの声を聞きました。あるサ

イトでビオラジョークを眺めておりましたら、同じような内容で、ビオラ奏

者が脳みそを必要としなくなった。どうしてかというとトロンボーン奏者に

変更したから、というのを発見。(トロンボーン奏者の方々、書いたのは私

ではございませんから悪しからず!!)きっとビオラの人たちは大喜びして

いる事でしょう。

 

この他にオーボエジョークを御存知の方、どうぞメールを下さい。

 

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■ タバコの箱に

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ドイツでタバコの箱に死亡広告を貼り付ける事になりそうです。黒枠で「こ

のタバコを吸うと徐々にひどい死に方をします」という文字が入るそうです。

 

目的は青少年に対する警告ですが、果たして効果を奏するか?

 

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■ 来年のバイロイト音楽祭の入場券

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来シーズンのバイロイト音楽祭の入場券が5パーセント高くなるそうです。

 

バイロイト音楽祭の公式ホームページは

http://www.bayreuther-festspiele.de/

 

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■ スポーツ

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最近のドイツでのニュースはアメリカで行なわれた女子サッカーWMでドイツチ

ームが優勝した事。ミヒャエル・シューマッハーが世界チャンピオンタイトル

を取得。

 

ドイツ人のサッカー熱は大変なものです。でも、この女子のWMのニュースは報

道されていますが、根気よく、世界選手権の実況中継を見続けた人は、私の回

りでは皆無。彼女達の試合振りは、確かにうまいのですが、男性のゲームと比

べるとスピード、迫力に欠け、観戦していて面白くないのです。(失礼)次は

オリンピックに向けてがんばるそうです。

 

鈴鹿で行なわれたF1サーキットはきっと日本のテレビで実況をご覧になられた

方もいらっしゃると思います。ドイツでは、日本での実況、ドイツのシューマ

ッハー・ファンクラブのある地元(実はどこか知らない)、イタリアのフェラ

ーリの本拠地と、3箇所のカメラワーク。シューマッハーが6回目のタイトルを

制覇してから、特別番組続出です。本人へのインタビューでは、「今回は8位

なのに、それでもチャンピオンとは、複雑な心境です。」特別番組で言ってい

ましたが、彼の年間収入、10年前は500万ドル、現在は5000万ドルだそうです。

この税金は、ドイツには入りません。彼はモナコの住人です。話は税金に飛び

ますが、テニスのベッカー選手はスイスに会社を作り、税金の処理はスイスで

することを発表しています。

 

スポーツとは無関係ですが、カリフォルニアの州知事戦に勝ったシュワちゃん

はオーストリア人です。だから、ドイツのテレビインタビューではドイツ語で

答えます。

 

それから、男子!ドイツ・サッカーチームがアイルランドを下し、来年のEM

(ヨーロッパマイスター選手権大会)予選通過を決めている。

 

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■ ファッション

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スペインのマドリッドのある有名ブティックが、毎週水曜日に、裸で来店した

人は店の品を無料で着て帰ってよい、という宣伝をしています。たくさんの人

が入りきれないくらい並んだら・・・・・。

 

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■ コンクールについて

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先日ミュンヘンコンクールの受賞者記念コンサートをテレビで見ておりました。

1位になった19歳のフランス人のトランペッターがモーリス・アンドレの再来

か?と騒がれております。実際に演奏は素晴らしいものでしたが、大変クール

な演奏です。

 

コンクールの受賞者の演奏会を聞いて、「へ〜、どうしてこの人が受賞したの

だろう?もっとうまい人がいたのに?」と首をかしげた経験がございませんか?

 

今日は、このようなことが起きるコンクールの実態を研究してみたいと思いま

す。

 

コンクールを受ける人は、大変な努力を惜しまず、他の事は犠牲にしてまで、

このイベントに集中します。ただ、コンクールの為に努力される方は、一種の

特殊な思考をしなければいけません。音楽会の為の準備とは少し考え方を変え

る必要があります。

 

コンクールは、皆さんが御存知のように、課題曲、自由曲を演奏し、その演奏

に対して審査員が点数をつけ、順位を決定する競技会です。

 

まず、審査員の採点方法を考えてみますと、マイナス方式です。つまり、最高

点が決まっていて、失敗するとそこから点が引かれていきます。減点の対象は

音の間違い、フレージングの間違い、発音のしそこない、譜面に書いてあるダ

イナミックの無視、指定のテンポで演奏できていない、スタッカートが不正確、

等等、あらゆる欠点を針でつつきまわして、減点をしていきます。

 

私がデトモルト音楽大学で勉強中、当時のクラリネット課の教授、ミヒャエル

スが「音楽から、悪い部分をどんどん除いていけば最終的に残るのは全て良い

音楽です。」とおっしゃっていらっしゃいました。

 

要するにコンクールの採点方としての考え方の基本です。これは何を意味して

いるのでしょうか?

 

コンクールでは、素晴らしいエスプレッシーボで歌いまくっても点がプラスに

はなりません。私は音で勝負する、と決意し、良い音の出るリードを懸命に作

っても点がプラスになりません。ここまではっきり書きますと、いや、声楽は

声量が、弦楽器は楽器がモノを言うではありませんか、と反論が起こりそうで

す。確かに声楽と弦楽器の場合は良い楽器を持っている人が、持っていない人

と比べると損をするかもしれません。しかし、音楽コンクールは楽器のコンテ

ストではありません。やはり、課題曲を正確に演奏できるかどうかが一番の採

点の基準です。特に管楽器の場合は、最近の楽器はどのメーカーの楽器も非常

によく研究されており、楽器自体の欠点が少なくなっています。ですから、楽

器による差、というものは審査員にとっては関係ない、と考えて間違いありま

せん。

 

欠点の無い演奏、隙の無い演奏。これがコンクールに勝つ秘訣です。

 

審査員はインターナショナルなコンクールの場合は各国から集まります。

 

各国から集まる審査員に対して、ある受講者が非常にドイツ的な演奏をした、

とします。フランス的でも、イタリア的でも、ロシア的でも、日本的でも良い

のですが、こういった偏った解釈の演奏は、審査員の票をばらばらにする危険

が大きいのです。点がばらばらになると言う事は、悪い点をつける審査員も出

てくる、という事です。そうすると良い点と悪い点の平均点が彼の点数です。

結果として当然悪い点に足を引っ張られる事になります。ですから、国際コン

クールであればあるほど、国際色を強調する演奏はよく在りません。

 

自由曲でゆっくりした曲と早いテクニックの要る曲があった場合は、迷わず早

い方の曲を選んだ方が懸命です。ゆっくりした曲は解釈が重要になります。そ

の解釈は人によって違うのです。ある審査員にはとてつもなく素晴らしくても、

ある審査員には論外なのです。このような結果として、平均点が下がるより、

速い曲をスムーズに演奏すれば、点のマイナスが避けられる訳です。

 

この様な選曲のテクニックに関しては、コンクールを受ける生徒を持っている

先生が当然心得ていらっしゃらないといけないことだと私は思います。

 

このようにして審査された結果として、受賞者が何の変哲も無い音楽の演奏家

だったとしてもおかしくないのです。音楽家としては魅力が無くても、まった

く欠点の無い、素晴らしい奏者であることには間違いありません。毎年毎年、

このようにして受賞者が出る中で、世界的なソリストして名声を博していく人

もいれば、名前さえも聞かなくなっていく人もいるのはこの為です。

 

別の例をとって検証していきます。音楽大学の入学試験で全部の科目の総合点

で合格者を決めていく場合です。

 

実技試験で、本科の先生が、この人は楽器が上手だったから、と入学してくる

のを期待していたが、学科試験が悪く、総合で合格点に達しなかった。そして

実際に入学してきた人は楽器はそんなにうまくない人であった。という話を聞

きます。

 

複数の人が総合点、平均点で審査する場合は、往々にしてこのような事が起こ

るのは仕方が無い事です。

 


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