バックナンバー:4 2002/02/08


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楽々オーボエ演奏法

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本日はオーボエの練習をしているのにうまくならない人の為の

アドバイスです。練習をしていない人はこのメールを読んで実

践されることをお勧めいたします。

 

多くのオーボエ奏者が最近調子が悪く、思うように演奏ができ

ない。「でもどうして?」と思うことがあると思います。これ

はアマチュア、音大生、プロ全般に共通して言える事です。

 

特に練習ではうまくいっているのに本番がうまくいかない。

こういう方はまず間違いなくこの現象に陥っています。

 

練習と本番との違いは何でしょうか?

緊張度が違います。あがってしまって本領が発揮できない場合

もあります。周りの演奏者に影響され自分の演奏ができない事

があります。そのほかオクターブキーやFキーに水が溜まって

いるのが気になってとか、いろんな状況が考えられと思います。

 

上の状態は演奏がうまくいかなくなる要素ではありますが、う

まく演奏ができなかった決定的な原因でない事が多いのです。

つまり、上のような状況下で演奏した場合に最も陥りやすい現

象は演奏に力が入る。原因はどうであれ、結果的に自分で音を

出しにくくして自滅している。もしあなたにお心当たりがあれ

ばどうぞ読み続けて下さい。

 

練習中に比べると本番でどこかに力みがある。さて力の入る場

所によってどのように演奏が変わる可能性があるか分析してみ

たいと思います。

 

足に力が入る場合:

周りのリズムに乗り切れないで自分だけのリズムで格闘する。

 

上半身に力が入っている場合:

息がスムーズに出ないのでリードの振動を妨げている。特に肩、

首に力が入るとこの現象が顕著。お腹に力が入りすぎるとビブ

ラートがスムーズにいきません。

 

腕、指に力が入っている場合:

書くに及ばず、指が早く回らない。レガートがかからない。

 

まさか唇を締め上げる方はいないと思いますが・・・。という

私本人がよくこの現象に陥ります。そしてこれはかなり危険な

現象です。もし、オーケストラで隣のフルート奏者のピッチが

高かったら自然に唇で音程を調整しています。しばらくこの状

態が続くとリードの開きが狭くなってしまいます。その為に息

が入りにくくなります。息が入らなければリードが振動しにく

く、振動させようとすれば無理に息を入れます。無理に息を入

れる事を続けるとリラックスした状態から緊張した状態へと変

化していきます。

 

怖いのは無意識でこの状態に陥った時です。唇の緊張度はいつ

もよりはるかに高く、家で練習しないでオーケストラでのこの

状態が続けばあなたが不調に陥るのにそう長く時間はかかりま

せん。そしてそれに気がついてまた普通の状態に調整する時間

はスランプに陥る時間の数倍も時間がかかるのです。

 

試し吹きですばらしい音を出していて、本番になるとこのすば

らしい響きが出せないでいる方は間違いなくこの

「力みシンドローム」

に陥っています。

 

本番でステージに上がったら、肩、腕の力を意識して落として

みてください。オーケストラで楽器立てがある場合は極力オー

ボエを手から離して腕をリラックス状態にしましょう。演奏中

も時々自分の力み具合を点検する事、そして楽々と音楽を楽し

みながらのびのびと演奏を続けてください。

 


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