52)メンテナンス−12(JDR NEWS 1993/03月)
注意:
- 本NEWSの著作権はJDR(株)様に帰属します。
- 本ページにて掲載する事はJDR(株)様のご承認を得ております。
- JDR NEWSを基にして作成した本ページの著作権は本橋(私)にあります。(と思います。:本当はどうなんでしょうか?専門の方、教えて下さい)
- 複製、転載する事はお断り致します。
キー調整(ネジ調整)の方法 No.4
ネジの固定
- 調節ネジ、キーを固定している長いシャフト、ボディにキーを固定する木ネジ等で、役目を果たしていないネジの場合はいくら調節しても意味がありません。そのようなネジは、調節前に正常に働いているかチェックが必要です。
- 調節し終わったネジやしっかりと固定したネジがゆるまないようにマニュキアをネジの頭付近に塗って固定します。
スプリング(針バネ)調整
- 基本的にスプリングは強くすることはできますが弱くすることは極力避けてください。折れる確率が高くなります。
- スプリングは先端の方を曲げます。根元を曲げると折れる危険性があります。スプリングは短いほど折れやすくなります。
- スプリングフックの入らない場所やスプリングがボディに当たって外せないキーは、分解して手で曲げるのが安全です。
- オーボエでスプリングが弱くなる個所は限られていますので必要以上に触らないほうがよいでしょう。
- スプリングは全体を均一に曲げるようにします。先端だけとか中央のみを曲げないでください。根元から曲げるのはきけんですから避けてください。
- 一度に曲げないで徐々に曲げて力具合を試してください。曲げを戻すことは避けてください。
- スプリングフックを使う時は、スプリングの先端を引っ掛けて調節します。
本橋注:右の図の「文字」が読みにくいとと思いますので、文字のみ下記に示します。
- 「バネはA図のような形が理想です」
- 「B図は折れやすくなります」
- 「C図はさほど悪くありませんが、オーボエやバスーンのキーメカニズムは複雑にできていますので、バネがキーに接触したりするトラブルが発生します」
キーの動き調整
- オーボエのキーの動きは複雑ですので、よく観察してから始めてください。
- オーボエのキーメカニズムは、折れやすく曲がりやすいので調節する場合は慎重に行ってください。
キーの曲がりやメカニズムのサビが原因で正常に作動しない場合は、自分で行わない方が無難です。
- オイル切れやキーの連動不足が原因で動きが鈍い場合は、オイルを注入したり連動部分のコルク等を鉛筆で黒く塗ってスムーズにします。
- ボディの乾燥によってポストの間隔が狭くなってキーが動かなくなった場合はボディに湿気を与えます。時間に余裕がある場合は、ケースの中に湿らせたガーゼやハンカチを直接キーに当たらないように工夫してケースにいれ、ケースごと大きなビニールに包み数日保管しておくと動き始めます。
- ポストの固定不良
- 第2オクターブキーや低音のCやE♭キーの場合、ポストがバネの力に負けて回転しキーの動きを妨げることがよくあります。この場合は、キーにバネを掛けないでポストを正常な位置に戻します。次に瞬間接着剤を楊枝の先に付けポストとボディの隙間を狙って流します。10〜30分後バネを掛けます。
誤字脱字など気がつきましたらご連絡をお願い致します。こちらまで
運指表−1を見る
[メンテナンス−11]
[JDR NEWS目次]
[本橋家トップページ]