バックナンバー:232  2012/11/01


オーボエファンの皆様、音楽ファンの皆様、ドイツファンの皆様!

 

こんにちは!

 

ドイツは冬時間に戻りました。これからだんだんと夕暮れが早くなります。

 

日本では秋たけなわ、だと思います。松茸、さんま、くり、かき・・・・。

ドイツではかぼちゃ、きのこ類、クリ、洋梨、プラム、それから鹿・・・・。

 

10月27日にはケムニッツ、ワイマール、ロストックなどの東ドイツ地方で、

またミュンヘンなどの南ドイツで初雪が・・・。

 

ブレーマーハーフェンも夜間マイナス4度。水溜りには薄氷が張りました。オ

ーストリアのSoeldenではスキーのワールドカップが10月27日から始まりま

した。ウィンタースポーツの幕開けです。

http://www.soelden.com/main/EN/SD/WC/index.html

 

 

 

ドイツ人作曲家ハンス・ウェルナー・ヘンツェが10月27日にドレスデンの

病院でお亡くなりになりました。86歳。

http://www.welt.de/kultur/article110313958/Deutscher-Komponist-Hans-Werner-Henze-gestorben.html

 

 

 

イギリスの乗り物といえば、ブラック・キャブと呼ばれている真っ黒なタクシ

ー。独特で古風な形をしていて、しかしながら客が6人でも乗れる、車椅子で

も簡単に入れられる、大変便利なタクシーです。ところがタクシーの製造会社

が、会社更生法適用を申請。会社は中国資本を期待しているようです。この名

物タクシーが残るといいですね。

http://m.faz.net/aktuell/wirtschaft/black-cab-london-taxi-droht-die-insolvenz-11934654.html

 

 

 

ヨーロッパの景気は相変わらず悪いのですが、スイスのUBS銀行が2015

年までに1万人の解雇を発表。そのうち4千人がイギリスで行われるそうです。

ドイツ銀行も銀行員の解雇を発表しています。

http://www.abendblatt.de/wirtschaft/article110446449/UBS-baut-10-000-Arbeitsplaetze-ab.html

http://www.cnn.co.jp/business/35023801.html

 

 

 

アメリカではサンディーという可愛らしい名前の嵐が荒れ狂いました。選挙戦

の真っ只中だったのですが、2日間、選挙活動は全てキャンセルされ、NY市

場も2日間閉鎖されました。地下鉄には水が入り、復旧の見込みがたっていな

いようです。今週末に行われるニューヨークマラソンは予定通り開催されるそ

うです。そしてアメリカ大統領選は11月6日ですね。世界中のメディが注目

しています。

http://www.cnn.co.jp/usa/35023804.html?tag=top;mainStory

 

 

 

まったくどうでも良い?ことですが、一番ダメなパスワード25というのがあ

るそうです。

http://rocketnews24.com/2012/10/25/260131/

一番ダメなパスワードは「password

 

 

 

ブレーマーハーフェン歌劇場では現在イタリア人作曲家アリゴ・ボイトのオペ

ラ「メフィストフェレ」(ゲーテの「ファウスト」の話)、ペーター・マクス

ウェル・デービス作曲の室内オペラ「灯台」、バレエでチャイコフスキーの代

表作「白鳥の湖」、ロイド・ウェッバーが21歳の時に書いたミュージカルの

大ヒット作「ジーザス・クライスト・スーパースター 」が上演されております。

そして11月5日、6日、7日はオーケストラの定期演奏会。2014年から

の常任指揮者候補のマンフレード・ヘルマン・レーナー指揮でウェーベルン作

曲「6つの作品」、ブルッフ作曲、クラリネット、ヴィオラとオーケストラの

協奏曲、そしてメインはシューマン作曲、交響曲第3番「ライン」

http://www.stadttheaterbremerhaven.de/konzerte/2-sinfoniekonzert.html

 

11月18日にはブレーマーハーフェンのクリストス教会でブリテン作曲「戦

争レクイエム」が上演されます。

http://www.kreiskantorat-bremerhaven.de/Kreiskantorat/War_Requiem.html

 

11月25日にはブレーマーハーフェンのグロースキルへでブルックナー作曲、

ミサ曲へ短調が行われます。

http://bachchor-bremerhaven.de/web/pages/bruckner-messe-nov.-2012.php

 

11月26日にはオーボエ、クラリネットとファゴットのトリオの編成で室内

楽演奏会を行います。ブレーマーハーフェンの新しいソロ・クラリネット奏者

とドルトムントから土山さんがファゴットを持って駆けつけてくれます。プロ

グラムはモーツァルトのディヴェルティメント第2番、ジョリベのデュオ、門

田さんの新曲で「組曲」ベートヴェンのデュオ、フランセのトリオなど。

http://www.stadttheaterbremerhaven.de/konzerte/1-kammerkonzert.html

 

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怪盗ルパン?

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モネなど1億円超の絵画7点が盗難。盗まれたのはオランダのロッテルダム美

術館。非常ベルなどの盗難防止装置は作動していましたが、警察が駆けつけた

時には泥棒は既に姿を消していたそうです。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1602G_W2A011C1000000/

 

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税関申告証明

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先回もお伝え致しましたフランクフルト税関での2回のヴァイオリン没収事件

は各省庁、外交ルートを経て、解決いたしました。この事件に関して駐日ドイ

ツ大使の手記が公開されておりますのでご紹介申し上げます。

 

ドイツ大使日記「フランクフルトは鬼門」

http://ambassador.blogs.young-germany.jp/2012/10/blog-post_13.html

 

私も学生時代、日本の成田空港の税関で「外国製品持ち出し用」の書類を作成

して海外旅行に出た経験がございます。その時、私はピュヒナーというドイツ

のメーカーの楽器を使用しておりました。ただ、その書類を作った目的は、今

度のように海外での税関での対策ではなく、日本帰国時に関税を課せられない

為でした。書類作成に特に必要な証明書は必要ありませんでした。口頭でこの

自分の楽器を持って渡航する事を伝え、多分値段も申し上げたと思います。3

0年以上前の話で、今でもそんなに簡単な手続きなのか分かりません。この書

類には英語も表記してありましたから、多分海外の税関での証明として通用す

るかもしれません。

 

ドイツに定住するようになってからは、この書類を作ってもらったことはござ

いません。今度、ドイツから楽器を持ち出すときは作ったほうが安全かと考え

ております。楽器を没収されてはたまりませんからね!

 

ドイツの場合 Vereinfachte Naehmlichkeitsbescheinigung im Reiseverkehr

を発行して頂けば良いそうです。

http://www.zoll.de/DE/Privatpersonen/Reisen/Reisen-in-einen-Nicht-EU-Staat/Persoenliche-Gegenstaende/persoenliche-gegenstaende_node.html

https://www.formulare-bfinv.de/ffw/form/display.do?%24context=0

 

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CDご紹介 ラモン・オルテガの最新アルバム! The Romantic Obosit

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ラモン・オルテガ(バイエルン放送交響楽団・首席ソロ・オーボエ奏者)の最

新アルバム!曲目やサンプルは下記のページをご覧下さい。

http://www.genuin.de/de/04_d.php?k=244

 

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グローバル化教育?

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平成24年7月31日閣議決定事項「日本再生戦略」というのがございます。

https://docs.google.com/viewer?url=http%3A%2F%2Fwww.npu.go.jp%2Fpolicy%2Fpdf%2F20120731%2F20120731.pdf

 

61ページ、並びに114ページから「人材育成戦略」というのがあります。

 

国の将来を背負ってゆくのは若者たちですから、教育に焦点を置くことは極め

て重要な事です。ただ、なんとなく私が思っているグローバルな人材と日本の

政治家、官僚の皆様との考えの温度差を感じます。

 

この戦略を読んでいると、どうもグローバル化というのを日本基準で推し量っ

ていらっしゃるようです。ここで長々と私見を述べても仕方がないことですの

で、簡単に私の意見をまとめます。

 

もし企業がグローバル展開するとしたら、それは製品を世界中で販売展開する

事を意味すると思います。ですから人材のグローバル化と掲げれば、世界の大

企業の5%に日本人社長を誕生させる、とか、日本人が世界で活躍することを

意味すると思います。

 

私のグローバル化=世界を日本化する。(日本人の世界展開)

政府のグローバル化=日本を国際化する。(日本人を含めた外国からの人材で

の日本展開)

 

グローバル化=語学能力では目的は絶対に達成できません。真のグローバルな

人間を作ろうと思えば、若者たちは海外に出て、社会、文化を吸収し、それを

共存する能力が必要だと思います。語学能力はただのコミュニケーションの道

具でしかありません。

 

政治、法律、経済、いろいろな分野で活躍できる国際人を作ろうとすれば、国

内だけの勉強では絶対に足りません。特に日本の政治、報道関係分野は、私が

海外から見ていると「もうちょっと何とか?」と思ってしまう分野です。ある

事を考える上での思考方向や価値観が日本人と西洋人では違う事が多々ござい

ます。そこに気がつくには海外でじっくり生活し、勉強し、文化ごと吸収する

のが最良だと思います。海外留学の2020年目標値を日本人大学生の10パ

ーセントと言わず、40パーセントくらい、そして、その中で海外に残って活

躍する人が20パーセントくらい出てくれれば、と思います。

 

若者には是非海外に飛び出して頂きたいものだと思います。そして政府は海外

留学をもっと若者達に奨励して欲しいと思います。明治時代の政治家や学者達

が進んで海外に出向いて学んできたように!

 

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オーボエの楽譜 

      ブランドゥル 歌劇「魔弾の射手」によるファンタジーと変奏曲

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しばらく古典派のオーボエの楽譜をご紹介してまいりましたが、今回はその最

終回です。

 

Johann Evangelist Brandl

Fantasie & Variationen op.54 ueber ein Thema aus der Oper "Der Freyschuetz"

fuer Oboe oder Klarinette und Orchester

 

Musik Verlag Rainer Schottstaedt Koeln

 

ヨハン・エヴァンゲリスト・ブランドゥル(1760年〜1837年)はドイ

ツのレーゲンスブルクの南、ロアの出身。ここの修道院で5歳の時からヴィオ

リン、ピアノと歌のレッスンを受けています。ホーエンローエ・バルテンシュ

タインのルードヴィッヒ候の宮廷楽士、シュパイヤー伯の宮廷音楽監督、そし

てカールスルーエでは2番指揮者(フランッ・ダンツィが1番指揮者)件ヴァ

イオリン奏者を務めていました。

 

この当時は有名な旋律をテーマに取り、変奏曲で奏者のテクニックを披露する、

という形式が流行していたようです。ヴェーバーが作曲したオペラ「魔弾の射

手」がどれだけ有名であったかが偲ばれる曲です。

 

Hinkeのエチュードが終わったくらいの方なら演奏できます。

 

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オーボエ演奏のコツ シェーピングマシン ヘルトナーゲル新タイプ

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オーボエのリードを長年ご自分でお作りになっていらっしゃる方はご存知のリ

ード材の型取り、つまりシェーピングです。かまぼこ型の材料から舟形に削る

この作業には2つのタイプのシェーパーがあります。

 

普通のシェーパーはハンドグリフの上にチップが付いており、あらかじめ2つ

折りしたかまぼこ材をこのチップにはめ込み、固定して、手でナイフを使い形

を取ります。

 

もう一つの方法はシェーピングマシンを使う方法です。かまぼこ材を伸ばした

まま台に乗せ、上から固定した時に、自動的に真ん中にオリシロが付き、歯を

2,3回動かせば型が取れます。このシェーピングマシンの代表的なメーカー

はオーストリア人のヘルトナーゲルです。

 

両方の方法で舟形を作ることができますが、大きな違いは値段と能率です。

 

私は昔からドイツのミヒェール製のハンドグリフタイプを使用しておりました。

はじめはこちらのタイプしか知らなかったのです。そしてそのままずっと使い

続けております。長所はこちらの方が値段が安いのです。

 

マシンの方は能率が格段に違います。1本の舟形を作るのに、ハンドグリフタ

イプですと、まず真ん中の表面にナイフの切込を入れて2つ折にします。次に

チップに材料をはめてまっすぐ固定します。そして何回もナイフで削り、1分

くらいはかかるでしょう。マシンはかまぼこを台に置き固定するのが簡単で、

削るのは数秒。1本を削るのに10秒もかからないくらいです。

 

このヘルトナーゲル製のマシンに新型が登場しました。センターリングできる、

つまりかまぼこ材を台の中央へ導く機能がつきました。面白いアイデアです。

 

どちらのタイプをお使いになるにしても、チップの型がご本人の奏法、楽器の

特徴にマッチしていることが大事です。

 

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<日本で楽譜が手に入らない時>

 

オーボエの楽譜の出版はほとんどが輸入版です。そしてピアノやヴァイオリン、

声楽などに比べると売れる版数が少ないので、そもそもオーボエの楽譜を取り

扱ってくれる楽譜屋は非常に少ないのが現状です。ドイツやオーストリアに来

られた時にオーボエ関係の楽譜を沢山買えた、というご経験がある方がいらっ

しゃると思います。ベルリン、ミュンヘン、ケルン、ヴィーンなどの大きな都

市の楽器店には日本の楽譜屋よりはるかに多い楽譜が揃っています。そして何

と私の住んでいるブレーマーハーフェンにはダブルリードの楽譜の専門店があ

るのです。普通の楽器屋にある楽譜コーナーとは違い、ダブルリードのソロか

らアンサンブルまで出版されている楽譜の事ならほぼ全て分かります。日本で

楽譜が手に入らずにお困りの方、ご相談に応じます。

 

 

<全国のブラスバンドの指導者の方々へ>

 

オーボエという楽器は難しい楽器ではありません。初心者にいろいろな楽器を

同時に与えると、金管楽器は「プスー」と音にならず、フルートは「ヒュー」

と空を切る音ばかりで目眩がする。そんな中、オーボエは早くも音を出す事が

でき、すぐに音階も演奏できる楽器です。とっつきやすいのですがきちんとし

た指導者がいない場合は上達が難しいのは事実です。1日3時間、休日は6時

間以上練習する生徒さん方に悪い練習方法でトレーニングを強いると、悪い奏

法を身につけるために練習している事になります。

 

毎年、夏に東京、高松、浜松でのオーボエクリニックに講師として招かれ、初

心者を中心に指導を重ねております。コンクール前で集中しなければいけない

時期、生徒さん達が基本にしっかり戻る為の機会を設ける事は大変重要です。

またプロの演奏家でも一つの演奏会が終了し、次の段階にステップする場合で

も、常に基本に戻る事は忘れません。

 

きちんとした指導者がいない地方で、オーボエの生徒さん方とご一緒に奮闘さ

れている指導者の方でオーボエクリニック開催をご希望の際はどうぞ私にご相

談ください。ご一緒に方法を考えてみたいと思います。

 




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