バックナンバー:39 2003/06/16


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■ オーボエ講習会のご紹介

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9回浜松国際管楽器アカデミー

各国から優秀な講師陣を招いて行われる講習会です。オーボエ部門の講師は

ミュンヘン音楽大学教授のパッシン先生。詳細は

http://www.yamaha.co.jp/event/academy/index.html

 

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■ 最近ドイツ、或いはヨーロッパで見聞きしたニュース

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皆様こんにちは、

 

SARSも何となく静まり始めました。夏の帰国を計画していた私は一時ど

うしようかと考え込んでしましました。仕事を予定しているので、私一人で

帰国し、家族はドイツに残そうかと考えていたほどです。今年は例年に無く

飛行機の予約も簡単です。普通1月くらいから予約を開始します。イラク戦争

の関係で、この時期の仮予約は問題ありませんでした。今回は娘をドイツで

行なわれている夏の音楽講習会に参加させる事に決め、5月に家族5人の旅行

日程を変更いたしました。1人、2人の予約変更は簡単かもしれませんが、夏

のシーズン中の5人の予約変更は普通は難しいものです。幸か不幸か、今度は

SARSの為に予約変更でき、SARSも下火で家族揃って里帰りができそ

うです。

 

そのSARSに対する薬がフランクフルトの大学で開発されたらしいです。

ラクリッツというお菓子をご存知ですか?このお菓子に使われている植物の

材料から取れるエキスがこの病気に効くらしい、との事です。

 

ドイツ政府は次々に税金対策を発表しています。今まで無料でドイツの高速

道路、アウトバーンを使用できた貨物トラックに対して税金を掛けることに

なりました。このトラックが税金を払って走っているかどうかを測定する機

械をアウトバーンに取り付け、料金所を作らないでコントロールする方法を

取る予定です。しかし、トラックに取り付ける料金支払い済みを発信する機

械の数がドイツ国内を通過するトラックの数に対応していない為、このシス

テムが最初はスムーズにいかず、国境でかなりの渋滞を予想されています。

せっかくEUの国境を撤廃し、通貨まで統一したのに、またここで国境での

手続きが発生することになります。

 

現在EUの焦点はイギリスがいつ加盟してくるか、ですが、先日イギリスの

ブレイヤー首相はユーロ通貨に対してまだ時期尚早と懸念を発表。イギリス

のEU加盟はまだまだ先になりそうです。来年度には、東欧、バルカンから

のEU加盟があり、EUの規模は拡大されます。ただ、経済的な基盤の弱い

国々を吸収するので、現在強くなってきているユーロもあまり期待できない

と個人的には思っております。

 

話が難しくなって恐縮ですが、日本の日銀に当る、アメリカにはフェデラル

ファンド(FRB)やイギリスのイングランド銀行(BOE)ヨーロッパに

はヨーロッパ中央銀行(ECB)と呼ばれる組織がございます。このECB

は、一国の経済をコントロールするのとは違い、各国の経済データを基に総

合的な判断が必要になります。個々の国の経済だけを政府と判断していく事

はECBには不可能で、小回りは加盟国が多くなればなるほど効かなくなっ

ていきます。その為にアメリカ、イギリス、日本に比べまだ公定歩合の引き

下げが遅れており、対応が遅すぎるとあちらこちらから批評を浴び続けてお

ります。しかし、他の国の中央銀行が公定歩合を次々と切り下げ、切り札を

使い果たしそうな状況下でECBがまだ公定歩合を下げる余裕があることは

頼もしい気もしますが・・・。デフレがささやかれているドイツでは、特に

まだ公定歩合を引き下げられる余地があるのと無いのとでは大きな違いがあ

ります。

 

先週の土曜日にドイツの蔵相が2005年に予定していた減税の時期を早める提

案をしました。内容は一般の税金を減らすというもので、税収が少なくなっ

ている現状を踏まえて、大変苦しい提案です。その見返りとしては特別減税

の廃止、というものです。例えば特定の人だけが恩恵をこうむる不動産売買

に対する税金控除を廃止するなどの、特別税制を撤廃し、国民全体が減税の

恩恵を受けるようにする、という提案です。景気が落ちて、デフレもささや

かれているドイツですので、早く景気高揚策を講じないと日本の二の舞いに

なりかねない、というのが一般的な経済評論家の意見のようです。

 

ユーロ通貨は2002年からスタートを切りました。おかしなことに流通してい

る通貨の中に発行年次が1999年とか2000年、というものがあるのです。実際

に前年に作られていても、スタートの年が決まっていたのですから、正直に

製作された年度をご丁寧に入れなくても良さそうですが・・・・。

下の娘がこのユーロ通貨を収集しております。コインだけが収集の対象にな

っております。紙幣はヨーロッパ共通ですが、コインは国ごとにデザインが

異なっております。ドイツで手に入りにくい通貨はアイルランド、ポルトガ

ル、スペインなどの遠隔地の通過ですが、まったく手に入らない通貨が、バ

チカン、サンマリーノ共和国、モナコです。もし、この国のコインがたまた

まあったら収集家の手に回ってしまいます。

 

このコインですが、ドイツのテレビ販売でのお値段はと申しますと、モナコ

のコインセットが160ユーロ、バチカンのコインセットは何と2002年のものが

1400ユーロしております。コインは2ユーロ、1ユーロ、50セント、20セント、

10セント、5セン、2セントと、1セントがあります。合計3ユーロ88セント、

これが原価です。また、ドイツのコインは発行開始の2002年にたくさん作っ

た為に2003年の物が数が少ないのです。その為、2003年のユーロ・コインは

値段が上る可能性が高いそうです。そう言われて実際に良く見てみると確か

に本年のコインは見つかりません。下手な投資をするよりこの様なコインを

買い求めた方が値上がりが早いかもしれません。

 

イギリスのサッカーでのスーパースター選手デビット・ベッカム選手はFC

バルセロナへの移籍が噂されています。しばらく前まではレアル・マドリッ

ドに行く予定だったのに・・・・。

 

もう一つローカルなサッカーのニュースです。ヨーロッパ選手権の予選、ド

イツチームは先日フェロー島を2−0で下しリーグ中1位を保っています。

 

ドイツの百貨店「クベレ」が車の販売を始めるらしいです。販売される車の

メーカーはフォード、日産、VW、メルセデスのスマートだそうです。市販

されている価格の20パーセント引き、という事ですから車の販売店も競争が

激化して大変だと思います。消費者にとってはありがたいことです。

 

最近、爆弾騒ぎが流行しております。ドレスデンの中央駅で持ち主の無い旅

行かばんが発見され、緊急に警察が出動。結果は大当り。実に爆弾だったの

です。これが爆発していれば大惨事となっていたそうです。ところがその2

後ケルン、3日後ミュンヘンと持ち主の無いかばんの為に駅は緊急退去。しか

しこちらの方ははずれ、つまり爆弾ではありませんでした。先週の土曜日に

アリタリア航空の飛行機でやはり爆弾が発見されました。テロは困ります。

無差別テロはもっと困ります。人口12万人のブレーマーハーフェン中央駅を

襲うテロ集団はいないと思いますが、大きな町に出る事は危険がつき物、と

いう事になってしまいます。中央駅、繁華街、飛行場、サッカー場などは標

的になりやすいのでしょうね? ヨーロッパではまだ日本で起きたようなサ

リンのテロはありません。イラクでの化学薬品兵器も見つかっていないよう

ですが、物騒であることには変わりありません。日本のマスコミは、この様

な爆弾テロよりも、きっと北朝鮮の原爆対策を多く取り上げていると思いま

す。どんなテロも早くなくなってゆったりと音楽に浸れる世の中になって欲

しいものです。


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